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なぜ電子書籍は海賊版を駆逐できないのか?電子書籍のダメなところまとめ

電子書籍のダメなところまとめ

 最近、漫画の海賊版にまつわる話題が多いですが、以下のようなツイートをしたところ、結構な反響がありました。

 海賊版を駆逐する上で正規サービスが便利であることは不可欠だと思います。では、Kindleを始めとした様々な正規電子書籍サービスの何がダメなのか?皆さんから寄せられた意見をご紹介します。

2018年4月28日7時2分追記:こちらの記事もあわせてどうぞ。

発売が紙より遅い

 やはり紙の本と比べて発売日が遅すぎるという意見が多数寄せられました。

ラインナップが少ない

 そもそもラインナップが少ないとも。特に漫画雑誌への要望が見られました。

価格が安くない

 紙の書籍を印刷・流通・販売するには様々なコストが掛かりますが、それを削れるのに電子書籍は高いよね、という声も。既存の紙の書籍を支えるためのシステムが大き過ぎるというのはあるのでしょうね。

無料じゃない

 やはり無料じゃなければ読まないのでは?という、一見、身も蓋もないように聞こえる意見も見られました。

 とはいえ、身も蓋もないとまでは私は思いません。電子書籍も言ってしまえばひとつのアプリ・サービスとして他業界と余暇時間を奪い合う立場であり、事実として世の中には無料会員と有料会員によって成り立つサービスや、広告モデルによって無料で成立しているサービスも他分野で存在しているわけですからね。

 そういえば絶版本を扱うマンガ図書館Zは、広告を掲載し作者に直接還元、成人向け作品は有料プレミアム会員のみのサービスで運営していますね。

決済手段?

 クレジットカードを持てない子どもたちが海賊版に流れやすいとの指摘も。

 もちろん決済手段の充実も大切なことですが、根本的な問題解決にまではならない気がしますね。Google PlayやiTunesのポイントや、Amazonギフト券は今でもコンビニでも買えるので。

電子化の品質が低いことがある

 電子化の品質を問題視する声もありました。確かに、たまに不満のあるスキャンも見かけますね。

 あと活字なのに中途半端に凝ってるせいで画像として取り込んで販売してる電子書籍は困りますよね。テキストデータにしてくれれば文字サイズやフォントなどを自由に選べるのに。私も買った後に後悔したことがあります。

複数書籍を開けない

 本だと複数並べられるのに……という意見ですが、うちの読者的には「端末複数台使おう」でしょうか?

「電子」書籍ならではの表現が欲しい

 今となっては紙の本という制約がなくなり、画像だけではない、動きや音声など新しいカタチの漫画表現ができますし、それならば簡単に複製できませんから海賊版の抑止にもなりますね。とてもいい観点のアイデアです。

 電子書籍で言うとオーディブルもあるのですが、日本ではまだ流行ってない印象ですね。新しい無線イヤホンが続々と登場し、スマートスピーカーも盛り上がりの兆しを見せる今、耳で本を楽しめるオーディブルにこそ、電子書籍本格普及の突破口があるかもしれません。

電子版ならではの展開の不足

 本当に電子書籍を流行らせたいなら展開にもっと工夫を、との意見も。

複数サービス乱立、横断できず

 サービスが乱立しており複数の使い分けが面倒ですからね。

 とりあえずあそこに行けば作品があるんじゃないか?そう思わせるような横断性・作品の充実度というのは大事なことだと思います。

アプリの使い勝手の悪さ

 やはりアプリの使い勝手には不満の声も多いですね。

専用端末の使い勝手

 Kindle端末の使い勝手についても。確かに自分のライブラリ・本棚の整理というものはしづらいですね。

 最新のKindle端末を使っていますが、バーでページ数指定で開いたり、長押しでパラパラ(っぽい)ページ送りだとか、色々工夫は凝らしているので、そこまで困ったことは少ないです。

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友達との回し読みができない

 意外と多かったのがこれですね。誰もがやったことのあるであろう、友達との漫画の貸し借り。中古市場もできませんよね。セールなどはありますが。

所有権がない・DRM

 結局DRMフリーだったら閲覧アプリも自由だよなぁとの声。PDFだったらSONYの大型の電子ペーパー端末で読めたりもしますよね。それこそ端末やプラットフォームを問わないわけです。

ストアが潰れる、取り扱い停止などのリスク

 DRMで完全に自分の物として取っておけるわけではないので、サービス終了のリスクが付きまといます。

企業の信用、共に表現の自由守れるか

 あとはテクノロジー企業、外国企業を一体どこまで信用していいかという問題ですね。いわば「門外漢」が扱うわけですよね、表現という分野を。

 出版社も最終的には電子版が主力になりますよね。今そっちに行くのか、印刷・流通・書店といった既存のものを守りながら徐々に行くのかの違いで、時間の問題だと思っています。

 もし今後、電子書籍の世界で何か重大な危機が起きたときには、戦後日本の出版言論を長年やってきた文化の担い手として信用を積み重ねてきた出版社が、表現の自由を守る砦として存在感を発揮する、そういう展開も起こり得たと思うんですよね。最大の差別化戦略になります。

 だからこそ今回、出版業界が権力に違憲・違法なブロッキングをロビイングし支持したのは、理念的にもビジネス的にも悪手だと思います。さらに、見方を変えれば、いわば出版業界という「門外漢」が、通信の秘密を踏み躙っている構図にもなるので、今後に禍根を残す話にもなりかねません。本来ならば出版業界・テクノロジー企業・ISPは、共に手を取り合っていかなければならないはずでした。

今後の正規サービスの改善に期待

 電子書籍にはまだまだ様々な課題があります。間違った手段を政府・他業界に要請するのではなく、正規サービスの充実・改善という正しい手法でユーザーの声に応えることが、漫画・書籍の未来にとって重要なのだと思います。

2018年4月28日7時2分追記:続きです→既に解消されている部分が結構ある?「電子書籍のダメなところまとめ」への補足まとめ

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