「Anker Soundcore Space NC」レビュー。ノイズキャンセル入門機、作業用ヘッドフォンとしてうってつけの一台

Anker発、至極の無線ヘッドフォンをレビュー

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 Ankerさんより、新発売の無線ヘッドフォン「Soundcore Space NC」を提供していただいたのでレビューします。

「Soundcore Space NC」の良い点・悪い点まとめ

👍ココが良い! 👎ココが悪い!
+効果良好なノイキャン
+軽量コンパクトで携帯性に優れる
+装着感よし
+高い接続安定性
+作業したくなるヘッドホン
-NFC非対応
-音の明瞭感、個性にあと一歩か
-タッチ式キーは誤爆注意

開封。シンプルな内容物

 化粧箱内には、マニュアルとキャリングケースが入っています。このケースは携帯用にそのまま使えるので便利です。ヘッドフォンは折りたたみ可能。

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 キャリングケース内の小物入れに、付属品の、有線接続用AUXケーブルと充電用microUSBケーブルが収められています。

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デザイン・操作性

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 全体的にマットな素材が使われ、ヘッドバンドを繋ぐ長さ調整部分はマットなプラスチック素材と金属。ハウジングの黒い部分は、ソニーのハイエンドノイズキャンセリングヘッドフォンWH-1000XM2を彷彿させるシボ加工。黒以外の、遠目にはメタリックに見える部分はプラスチック製。価格相応のデザイン・品質だろうと思います。

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 ハウジングの「Soundcore」ロゴが印字された周囲には矢印キーのような印があります。この部分はタッチパッドになっており、前方向にフリックで次曲送り、逆方向フリックで曲戻り、上下フリックで音量調節ができます。

 同じくAnkerのZolo Liberty+だとこの辺りのコントロールがイヤホンからのボタン操作で完結できなかったので、便利な点です。

 ただ、タッチ操作にしてしまったことで、ちょっと誤爆に気をつけないといけない印象ですね。電源キーと通話キーは物理ボタンです。後継機があれば、全てのキーが物理ボタンにした方が使い勝手は上がると思います。

 なお、有線接続時はタッチ操作は受け付けません。

装着感

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 ヘッドクッションは柔らかめ。ヘッドバンドも固すぎず締りはキツすぎず。形状記憶イヤーカップも耳にちょうどよく被さってくれます。重量259gとかなり軽いのもあってか、装着感は比較的良好。これは外に持ち出したいヘッドフォンですね。

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 よくAmazonで1万円を切ってくるような安いヘッドフォンで、確かに音質も価格帯にしてはなかなか良い、というものがあるのですが、どこに跳ね返ってきているのかと言えば、重量だったりします。重ければ重いほど装着感を低下させ、長時間の使用に疲労感をきたします。

 参考例として、ソニーのノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホンというと大体200g台後半~300g程度なので、かなり軽い水準ということになります。

 DAP用に使っているPioneer SE-MHR5というヘッドフォン。こちらはカタログスペック上はわずかにSoundcore Space NCより軽いです。しかしヘッドバンドが固い、耳に「被さる」のではなく「乗ってるだけ」で装着感が良くない、頭がちょっときつく締められる感じがある、有線であるなどの要因から、あまり長時間着ける気にはなりません。

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(右:Pioneer SE-MHR5)

 軽やかさ、装着感という観点から優れており、これらは携帯する無線ヘッドフォンとして大きなアドバンテージと言えます。

この価格で本格ノイズキャンセル

 安いイヤホン・ヘッドフォンで「ノイズキャンセル」を謳い、オッと思わせる製品はあるのですが、よく製品説明を見ると音声通話時の声をクリアにするタイプのノイズキャンセル「CVC (Clear Voice Capture)」だったりすることがあります。期待してちょっとガッカリすることも。

 本機は、この価格帯ながらも、本物のハイブリッド式アクティブノイズキャンセリングを備えています。周囲の音を拾い、逆位相の音を出すことで騒音を相殺。この機能により低周波音を最大93%、高周波音を最大96%除去することができます。

 9割というのはあくまで理論値ですが、それでも実際かなりの効果を実感することができます。駅などの騒音がある場所や、喫茶店など落ち着きたい場所ではぴったりかもしれません。車が走る音もかなり軽減されるので、下手に路地裏を歩く時などは、オンにしておくと却って危険かも。それぐらい効果があります。スイッチひとつで簡単にオン/オフできるので、そういう時はオフにしておきましょう。

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(NCのスイッチを下げるとノイキャンをオン、上げるとオフ)

 昔のノイズキャンセルってもう少し耳が変な感じがして、聴き疲れする印象でしたが、そういうのはあまり無いですね。この価格でもこれだけのノイズキャンセルが手に入る時代なんだなぁと。

 ノイズキャンセル中、無音時、ホワイトノイズのようなものが若干聞こえます。図書館のような元々ほぼ無音の場所であれば、オフにしておくのがいいでしょう。

音質の評価

 口径40mmということで必要十分な迫力を備えています。ノイズキャンセルオフならホワイトノイズもありません。全体的に音は出ていて大きな不満はありません。

 高音域が耳に刺さる感じも低音域が激しい感じも無く、良くも悪くも比較的平凡な印象。聴き疲れしません。AAC/aptXといったコーデックに非対応であることがネックなのかと思い、有線接続するも、さほど傾向は変わりません。

 明瞭さ、解像感がもう少し加わったり、個性が出るとより良いかもしれません。ただ音質以外の他の部分、装着感や価格、接続安定性、ノイズキャンセルといった部分で十分に個性的なので、音質はこれぐらいでいいのでしょう。

 そして、比較的平凡であるからこそ、聴き疲れせず、いざとなれば優秀なノイズキャンセルで周囲の騒音もカットできる。本機は作業用ヘッドフォンとして最適と言えます。

接続安定性に関する考察

 最近、音楽ストリーミングサービスをApple Musicに切り替えました。iPhoneで使うのに便利で、結構ハマってます。

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 ただ、他の無線ヘッドフォンや、接続安定性に優れたZolo Liberty+を持ってしても、Apple Musicを再生中、たまに途切れるので一体何なのかと困ることがあります。周囲の電波環境が悪いのだろうと、自宅に帰って試しても、途切れることがありました。

 Soundcore Space NCはまだ使い始めて1日しか経っていませんが、今のところそうした症状には遭遇していないので、他の無線オーディオよりも高い接続安定性を持っているかもしれません。

 Apple Musicは可能ならAACで無線音声出力しているはずで、もしや、Soundcore Space NCがSBCにしか対応していないことが却って幸いしているのでは、と思いました。念の為、AAC/SBC切替可能な他社の無線ヘッドフォンで試してみたところ、Apple MusicはSBCでも2曲に1回程度は音が一瞬途切れるので、Soundcore Space NCの対応コーデックが少ないことを差し引いても接続安定性は高いのだろうと思います。

 これで接続をより簡単に行えるNFCがあったら接続周りは快適そのものだったでしょうが、NFCは無し。製品の価格帯を考えても、そもそもAnker製品の愛用者にiPhoneユーザーが多そうなのを考えても、非搭載はまあ妥当な判断と言ったところでしょうか。

総評:携帯ノイキャン無線ヘッドフォンの入門機

 価格1万4980円で、この軽さで、しっかりとしたノイズキャンセル搭載というのはなかなかのアドバンテージ。どこにでも持ち運びたくなる携帯用の本格無線ノイズキャンセリングヘッドフォンとして入門機と言ったところでしょうか。

 本機の軽量さ、装着感、音の傾向、優秀なノイズキャンセルといった特徴からは、学生の勉強時用からライター・ノマドワーカーの作業用までうってつけ。どこでも作業できるヘッドフォンとして至極です。