カナダ当局は、HuaweiグローバルCFO(最高財務責任者)である孟晩舟氏をバンクーバーで逮捕しました。これは米国による対イラン制裁違反の容疑とのこと。
孟氏は、Huawei取締役会のメンバーであり、Huawei創業者兼CEOの任正非氏の娘。
カナダ司法省によると12月1日に逮捕。米国は身柄の引き渡しを要求、ニューヨーク東部の連邦裁判所に出廷する可能性があると伝えられています。
CNBCによると、Huaweiは本件について把握しているものの、賠償金に関する情報はまだなく、孟氏が不正行為を働いていたとは認識しておらず、カナダと米国の法制度が最終的に結論付けるとコメント。Huaweiは輸出管理、制裁法、国連、米国、EUの規制を含む、適用されるすべての法律・規制を遵守していると主張しました。
米当局は対イラン禁輸措置違反の米国製品違法輸出の疑いで、少なくとも2016年以降Huaweiを調査していると、2018年4月にロイター通信に語っています。
安全保障、米中貿易戦争の中で槍玉に上がっているHuawei。米国では小売店や携帯キャリア、米軍基地内のショップなどからHuawei製品が排除。米国の同盟国では5G基地局から排除されつつあります。
過去には、同じく中国通信機器メーカーのZTEも槍玉に挙げられ、同様に対イラン制裁違反の違法輸出発覚により、米政府からの制裁としてQualcomm製品やAndroidを使えなくなり、一時倒産も噂されましたが、後に米政府との和解に漕ぎ着けています。
12月6日11時20分追記:この件に対して、在カナダ中国大使館スポークスマンは声明を発表。「米国からの要請により、カナダは、米加両国の法律に触れていない中国人を逮捕しました。こうした深刻な人権侵害行為に対してしっかりと反対し、強く抗議します」とし、孟氏の個人的自由回復を求め、中国市民の権利と利益のためにあらゆる措置を講じるとしました。