米政府が華為(Huawei)に課した一連の制裁により、大ピンチを迎えていると見られた華為のスマホ事業ですが、騰訊網によると、2019年の通年成績は前年から販売台数を3,000万台伸ばし、世界第2位を守り、中国国内シェアも国内競合他社を大きく引き離しました。
1月16日、華為スマホが公式に発表した2019年通年成績によれば、華為の2019年通年のスマホ出荷台数は2.4億台超(2018年・2.06億台)となり、そのうち昨年のMateとPシリーズは前年比50%以上の伸長となり、5Gスマホの出荷台数は690万台、市場シェアは新記録となったとのこと。
総出荷台数は前年より3000万台以上増加、昨年に続き、サムスンに次ぐ世界第2位となりました。
また、華為Watch2は3カ月で出荷台数200万台を超え、華為FreeBus 3は発売月の出荷台数100万台突破、華為VR Glassは発売日の販売台数1万台を突破と、いずれも良好な成績を残したとのこと。
華為運動健康アプリのログインユーザーは累計1億超、華為端末クラウドサービスの月間アクティブユーザー数は4億に達し、170の国家と地域をカバーしているそうです。
華為輪番董事長徐直軍は2020年新年の挨拶で、グローバルでの販売収入は8,500億人民元超となり、前年比18%増。年初の予想に達しなかったものの、会社全体の経営は安定しており、試練は乗り切ったと言える、としたといいます。
また、HMSエコシステムの建設と発展はスマート端末海外販売の必須条件であり、2020年は全力でHMSエコシステムを全力で構築し、スマホの海外販売を下支えし、アプリパートナーのイノベーションを促進していくとしました。
以前、華為端末責任者余承東は、華為スマホのグローバル出荷台数は既に世界TOP2となった、もし外部の圧力がなければ、すぐにでも世界第一になれただろうが、長期的な競争力は最強にまでなれるとは限らない。現在の極端な環境は、更に強大な中核能力の構築を強いるものであり、華為は巨大な成長機会が見えている、と述べているとのこと。
市場調査研究機関Canalysによると、華為の昨年3Q中国国内シェア率は42.4%の新記録を達成、ほぼOPPO、vivo、小米の3社合計に相当する数字だといいます。
サプライチェーン関係者によると、華為はたしかに5Gスマホの販売比率を高めており、競合他社と比べると、華為には5Gチップの上での優位性があり、より多くの価格帯のスマホのリリースにつながる。コストも非常によく制御できており、これはクアルコムに依頼しているメーカーは比べ物にならない、とのこと。
米政府による制裁という逆境が、「成長の機会になっている」、今のところは実際に台数も伸ばしていますし、結果が出ていると言えますね。ただ、気になるのは「国内シェア42.4%」という、突出ぶり。OPPO、vivo、小米とはいえ、安泰ではないのでは。それ以外のメーカーも、これまで以上に生存環境が狭まっていると見られます。