このフルタッチ端末全盛の現代に、タイムスリップして来たかのような物理QWERTYキーボード!
超新星「Unihertz Titan」を、物理QWERTYキーボードfanatiker(狂信者)の中の人が、実はネガティブだった初見の感想とファームアップ後の感激の感想を含めてレビューします!
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Unihertz Titan レビュー!
「Unihertz Titan」とは?!
Unihertzが放つ「Jelly Pro」「Atom」に続く、第三弾の個性派スマートフォン「Titan」は、クラウドファンディングを成功させて登場することになった最強の変態スマートフォンです。
本機が変態たる所以(ゆえん)は「フルタッチは当たり前、薄い、軽いが偉い!」という風潮の中、完全に真逆の「物理キーボードでどや!、めっちゃ厚いでどや!!、めっちゃくちゃ重いでどや!!!」の逆張り三拍子で登場してきたことです。(褒め言葉)
外観紹介
まずはざっくりと外観を紹介します。生なりなコンパクトなパッケージに入って届いた「Unihertz Titan」を開封です。
パッと見は、幅の少し広いちょっと大きめのスマートフォン。しかし……。
サイズ比較
比較対象が古いiPhone 7で申し訳ありませんが、サイズ比較してみました。サイズの違いがわかりますでしょうか……?
でかっ!誰が見ても触っても巨大です!!そしてかなりのスペースを占めるブツブツの物理QWERTYキーボード!!中の人は手が小さいのでガシッと握ると片手ではどこにも指が届かず操作不能です(^o^;
厚っ!! iPhone7の3倍近く!!
重っ!!なんと驚異の300g超え!!!
スペック一覧
スマートフォンで主に注目されるSoCは「MediaTek Helio P60」です。これはほぼ「Qualcomm Snapdragon 660」と同等のミッドレンジとなります。ハイエンドばかり注目される昨今の最新スマートフォンと比較すると凡庸です。
しかし、他の機種に見られない特徴が「物理QWERTYキーボード」以外に「IP67 防水+防塵」「Dual SIM(DSDV)」「docomo、au、softbank全てに対応するバンド」「6,000 mAh Qi対応バッテリー」と山盛りのUnihertzは、刺さる人には刺さりまくり!な仕様となっています。以下、スペック表。
メーカー | Unihertz |
---|---|
OS | Android 9.0 Pie |
カメラ | リアカメラ 1600万画素 フロントカメラ 800万画素 |
サイズ | 153.6 x 92.5 x 16.65 mm |
重さ | 303g(実測308g) |
ディスプレイ | 4.6インチ(1430 x 1438) |
SoC | MediaTek P60 MT6771V/C |
メモリー | 6GB |
ストレージ | 128GB |
バッテリー | 6,000mAh |
急速充電 | 15W |
ワイヤレス充電 | Qi充電対応 |
対応周波数 | FDD-LTE Band 1/2/4/3/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/28/34 TDD-LTE Band 38/39/40/41/66 TDSCDMA Band 34/39 CDMA2000 BC0/BC1 3G Band 1/2/4/5/6/8/19 GSM Band 2/3/5/8 |
VoLTE | docomo VoLTE、au VoLTE、Softbank VoLTE(全キャリアバンド対応) |
同時待ち受け | DSDV(4G LTEと4G LTEの同時待ち受けに対応) |
SIMスロット | Dual nanoSIM(microSDカードを使用する場合、排他利用) |
microSDスロット | microSDHCまで対応(nanoSIM一つと排他利用) |
Blutooth | 4.1 |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
指紋センサー | ホームキーに搭載 |
防水防塵 | IP67 |
USB | USB Type C(キャップレス防水) |
イヤホンジャック | あり(キャップレス防水) |
付属品 | USBケーブル、ACアダプター、保証書、説明書、イヤホン、SIMピン |
ダメ過ぎるキーボード。しかし福音が
キーボードが使い物にならず「2日で使用中止」
同じく正方形の画面を搭載していた「BlackBerry Passport」をリスペクトした機体として、Titanに期待している部分がありました。
さて、外観とスペックを紹介しただけでレビュー本題もまだながら、いきなり結論から書いてしまうと……。BlackBerry Passportのリスペクト機としては、入力時の打鍵感含めて大い期待していたものの、肝心要のキーボードの出来が余り良くなく、期待外れというのが中の人の最初の印象でした。。。
Unihertz Titanは液晶縦横比、キーボードの配列がほぼ全くのコピー(Unihertzの開発者は間違いなくPassport好き)と言っても良いぐらいBlackberry Passportと同一となっていたこともあり、キーボードの出来に期待が高まりすぎていたのかもしれません。実際に使用してみると、驚くほど文字入力で取りこぼしが多発するのです。せっかくの物理キーボード。ブラインドタッチでサクサク入力したいところですが、入力された文字を見るとキーボードの左右端のキーを中心に速い速度で入力するとボロボロです。ゆっくり注意しながら打てば、若干重めなタッチながらしっかり入力されますが、それでは全く意味がありません。。。気持ちよくサクサク打ちたいのです。。。あまりのがっかりに、年始に届いて、使い始めた2日目には手放そうと初期化して箱にしまったレベルでした。
しかし!!ネガティブな最初の印象を書いてしまいましたがご心配なく!この記事の執筆中に、Unihertzからうれしいニュースが届き、評価が一変しました!!
Unihertzからの公式発表
キーボード入力の取りこぼし対策含めた、さまざまな改良をしたアップデートが提供開始されました!!(神アップデート!!)
Titanの初アップデートがリリースしました。
設定ー端末情報ーワイヤレスアップデートからアップデートできます。
詳しいアップデート内容はFacebookにて見れます~https://t.co/INTlFf3LeA— UnihertzJapan (@UnihertzJapan) January 16, 2020
さらに一般販売予約開始するよ!(2020年1月17日から予約スタート。339.99ドルが319.00へ割引中!2020年2月18日から発送予定)希望者はここから!
明日1/17より公式サイトでTitanの予約販売が始まります。
来月、2/18からオーダー番号の順番で発送致します~ pic.twitter.com/P28EBTIl3i— UnihertzJapan (@UnihertzJapan) January 16, 2020
筆者も自分の「Unihertz Titan」を、急いでアップデートしてみたところ、なんと常用は難しいから手放そうかとまで悩んでいたキーボード入力時の取りこぼしが劇的に改善しているではありませんか!!
こりゃもうハードウェア的な問題で改善不可能と考えていた、素早く連続入力した際の取りこぼしが、予想外、まさかまさかのソフトウェアのアップデートで改善!!
それ以外にも、使いづらかった右側altキーと左側Shiftキーをスワップする機能、キーボードショートカットの他社ホームへの開放など、素晴らしいアップデートが多数。
参考:アップデート内容
以下がアップデートの内容ですが、読み飛ばして次の項目に飛んでもらって結構です。
1)Googleセキュリティパッチを2019-10-05に更新
2)GMSパッケージの更新:Google PlayミュージックからYouTube Musicへ
3)ランチャーの検索バーを削除可能に
4)キーをすばやく押下した際の取りこぼし問題解決
5)「ミニモード」を追加して、標準の縦長表示を可能に
6)ロック画面に距離計を塞いでしまった際のお知らせ機能追加
7)プログラマブルキーをctrlキーに置き換え可能
8)AltとShiftキーを入れ替え可能
9)サードパーティーのホームアプリでもキーボードショートカットが利用可能
10)スクロールアシスタントが水平方向の動きに対応
11)GoogleとDuoのアイコンをフォルダーから削除
12)BB inputで戻るキーが聞かない不具合を解消
13)技適の電子表示に対応
14)Chromeに入るときにプロンプトメッセージを追加
15)Kikaキーボードの最適化
さて、あまり嬉しさに横道にそれてしまいましたが、レビューに戻ります。
Titanの良いところ(4点)
この時代に物理キーボードであること
よくぞリリースしてくれた!と狂喜乱舞の物理キーボードが最大の特徴です。
短文の日本語入力には、フリック入力が最速、便利は間違いないのですが、数字、記号、英字混じりの長文を書く必要がある際には、キーコンビネーションだけで入力が可能で、フルタッチのようにキーボードを切り替える必要がない物理キーボードが断然便利です。
また、物理キーボード端末は、キーの一つ一つをアプリやショートカット起動に使える「キーボードショートカット」機能が利用できるのも強みです。
特にキャンディバー(ストレート)タイプの端末は、さっと端末を取り出し構えた時には既にアプリは起動していて入力画面になることが可能です。これは毎日、画面をスリスリしてアプリが配置してあるホーム画面を探してその場所をタッチするという動作より、早くて正確で時短となります。
例えばTボタン短押しにTweetの作成画面を割り当てておけば、Tボタンを押した瞬間に入力画面が起動します。
一度も使ったことがない人はあまりわからない、一度でも使った人はとことん好きになるこの動作。控えめに行って最高です!!※筆者はキャンディバー(ストレート)タイプ端末のfanatiker(狂信者)でもあります。
タフな防水耐衝撃ボディ
現在、生活必需品といえる携帯電話。無用なトラブルは避けたいものです。携帯の故障の最大原因は落下による破損と、水没によるショートです。
現在もっとも望ましい打ち心地の物理キーボード端末であろう「Blackberry KEY2」ですが、残念ながらその物理キーボードの構造と、打ち心地の確保の意味から防水対応していません。
その中で「Unihertz Titan」は、耐衝撃と防水を兼ね備えたタフな携帯としてリリースされました。これはとにもかくにも素晴らしい!すべての携帯が防水耐衝撃であるべきと思っている筆者は狂喜乱舞ものです。
モバイルバッテリーいらずの大容量バッテリー+Qi充電対応
上記、非日常の落下、水没とは異なり、日常的に困るのがバッテリー切れ。各社小電力に腐心した携帯をリリースしていますが、「Unihertz Titan」はさすが中華製。バッテリーが足りないならたくさん積めばいいじゃない?と力業ので物理的な解決案を提示してきました。
近年の薄さを競った「スタイリッシュな端末ながら電池は持ちません、持ちづらいです」な端末が好きではない中の人にとってはこれも最高!しかもQi対応。
手頃な価格
どうしてこんなに安いんでしょう?!Unihertzはどうやってコストのかかる物理キーボード端末をこの値段で発売が出来るのか?!Blackberryも良い端末ではあるもののミドルスペックなのに値段はハイエンドでなかなかマニア以外に受け入れられていません。
この時代に物理キーボード機を手頃な価格で提供してくれたUnihertzに感謝しつつ、「Unihertz Titan」がしっかり販売面で成功して、他社も含めて物理キーボードの次機種に繋がれば嬉しいです。
Titanのイマイチなところ(3点)
散々誉めちぎって来ましたが、完璧な端末はありません。残念ながら今一なところを数点あげておきます。ぜひ次機種を検討する際には改善を望みます。
惜しいタッチの物理キーボード
ここにもう少し高くなってもいいからコストを掛けてほしかった。フラットすぎて押下した際のストロークが浅く、「打てた」と感じる指先へのフィードバックが不足しています。9万円以上の価格だった神機「Blackberry Key2」と先行割引価格で約320ドル(35,000円ほど)の機種を比較しては行けないとは思いますが……ボタンの凹凸、押し具合などにはとことんこだわって欲しいところです。
衝撃的な重量
全個体電池の実用化など大きなブレークスルー待ちの現在、電池持ち=大きなバッテリーを搭載するための物理的サイズとならざるを得ません……。「6,000mAhバッテリー」で長時間稼働は嬉しいのですが、やはりあまりにも重い。もう少しコンパクトで軽い機種を、次機種に期待します。(クラウドファンディングで先行入手した人たちの中でも多い意見となっています。電池持ちをもう少し犠牲にしても幅の狭い機種をぜひ!)
スマートさにかけるデザインと、過度に鋭利なボディシェイプ
防水タフネス携帯ということで、イメージ戦略的にも「ゴツい」デザインは良いと思うのですが、スピーカー部、背面のカメラ周り、両サイドのメタルパーツが鋭利なシェイプ過ぎて、一緒に入れた他のモノがガリガリに傷が付きます。そこまで演出しなくてもタフネスぶりはわかってもらえると思いますし、軽量化にもつながると思うので次機種では配慮して欲しいものです。
「Unihertz Titan」の使いこなしのポイント・Tips
Android機の特徴の一つにカスタマイズ性の高さがあります。「ちょっと使いづらいな」とあなたが思う所は、他の人も思っています!ぜひ、便利なアプリや、改善している事例をWebで探してみたりしてください。さらなる使いやすさが待っていますよ!
Tips1:日本語入力の救世主 ”AquaMozc for Titan”
キーが三段配列で少なく、Ctrlキーや、カーソルキーをもたない「Unihertz Titan」のキーボードですが、これはIMEをシェアウェアの ”AquaMozc for Titan” を入れることで劇的に使いやすくなります。
標準のkika keyboardもタッチパネル下部のソフトキーと、物理キーを組み合わせて操作するBlackberry PassportライクなIMEで、日本語入力の使い勝手に配慮してがんばって開発されていますが、今一歩、”AquaMozc for Titan” の使い心地は及びません。
タッチパネル下部に表示される左右カーソルソフトキー、句読点、Ctrlキーとのコンビネーションでのキーボードのみでの上下左右カーソル移動、文節の切り直しなどが出来るようになり、快適度MAXなのです。現在、β版として期間限定で提供されていますので、下記の作者様(@jiro_aqua)のツイートから入手ください。
AquaMozc for Titan アップデートしました。
・Discordの投稿に対応(LINEは知らん)
・振動フィードバックのデフォルト値をOFFに変更(上書きされません)
・ALT-CTRL入れ替え機能を削除(OSに同等機能が入ったため)
・ミニモードでのソフトキーサイズを調整
βテストはこちらからhttps://t.co/ennN3EdOjA— Jiro@Jota+/AquaMozc開発 (@jiro_aqua) January 18, 2020
Tips2:キーボードランチャーの設定
前述したキーボードランチャーですが、すべてのアルファベットキーそれぞれに短押し、長押しで起動するショートカット、アプリ、機能を設定可能です。T長押しにTwitterアプリ、短押しに投稿入力画面、Iの長押しにはInstagramアプリ、短押しにはInstagram投稿入力画面など、名称に合わせて設定すると使いやすいでしょう。
Tips3:省電力設定の見直し
MediaTek機の標準なのでしょうか、省電力機能が強力すぎて、バックグラウンドのアプリが自動で終了されまくります。他のアプリを使いたいので、ちょっと切り替えて戻ろうとしたら、前のアプリが終了しているなど頻発しますので、慣れて細かな設定が出来るまでは、バックグラウンドインテリジェントパワーセーブ、デュアルスピードはOFFにしておいたほうが使いやすいです。
総評
物理QWERTYキーボード一点に特化した変態機種かと思えば、CPUのスペックを押さえてコスト低減しつつ、膨大なバッテリー容量、Qi充電対応、Dual SIM(DSDV)、国内全キャリ対応バンド、メモリ6GB+容量128GBなどなど、しっかりツボを押さえたスペックの「Unihertz Titan」は、インパクト重視で一度キーボード付きの機種を使ってみようかな?と思う人にもおすすめできる良い機種であると思います。
中の人の好みでしかありませんが、前述した「イマイチなところ」を改善、対応した次機種をぜひUnihertzには期待しています!!