市場の成熟化を迎え、成長がストップした中国スマホ市場。中小メーカーが次々と淘汰されていく流れにあります。
そんな中、国内4大メーカーのうち「兄弟」ブランドのOV(OPPOとvivo)が、いずれも現行機種が大幅に値崩れする、苦境にあるそうです。それぞれ騰訊網から伝えられました。
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コスパスマホ競争に引き込まれるOV
業界参入以来の大幅値引きを記録した「OPPO A5」
まず、OPPO A5から。
ECサイトでの販売価格が699元まで低下。これはおそらくOPPOがスマホ業界に参入して以来のスマホ販売最低価格です。
その背景にはOPPOの出荷台数連続減少が関係しており、小米や栄耀との価格戦に参加せざるを得なくなった、と見られています。
今回値崩れしたOPPO A5は市場価格1,000元以上(約2万円程度)のミドルレンジに当たるモデルであり、スペックはSnapdragon 450、6.2インチ720Pディスプレイと決して高いものではなく、発売から2年余り経ってから699元というのはコスパがいいとも言えません。
ただし、OPPOはこれまでも旧モデルの価格を下げて販売することはあっても、ここまで下げることはなく、OPPOスマホの低価格記録更新と言えるとのこと。
vivo U3xも価格最低記録を更新
一方、OPPOの「兄弟ブランド」であり、これまで「低スペック高価格」とも揶揄されてきたvivoも、同ブランドの価格最低記録を更新したと言います。
今回大幅に値崩れしたvivoのモデルはU3x、価格は799元。これまでvivoのスマホは800元を割り込むことがなかったため、こちらも「底割れ」価格。
中国メーカー四強のなかでOPPOとvivoは高価格と見られていますが、vivoは2018年以降「コスパ」スマホ市場へ参入しており、ZシリーズとiQOOブランドを投入、「コスパ」スマホ市場で販売台数を稼ぎ出そうと模索しています。2018年にvivoの「コスパ」路線は成功を収め、同年第2四半期には4大メーカー中最高の前年同期比成長率を叩き出したものの、その後「コスパ」スマホの推進力は先細りになっているそうです。
中国スマホ価格大崩壊、新型肺炎と5G新機種がOVの泣きっ面に蜂
Huawei一人勝ち
Canalysが発表した2019年第4四半期のデータによると、華為が前年同期比で出荷台数10%増、市場占有率39%と「一人勝ち」した他はいずれも数字を落とし、OPPOは25%減、vivoは29%減と出荷台数を大きく落としています。
新型肺炎、新モデルが強力な値下げ圧に
更に、2020年第1四半期は、これに新型コロナウイルスの影響が加わります。
Appleの分析師郭明錤は、新型肺炎の影響で中国スマホメーカーが抱える在庫は6,000万台になり、巨大な在庫は大型メーカーにとって、価格調整による在庫整理を強いる巨大な圧力になると予想しているとのこと。
また、新モデルの動向も、「値下げ圧力」になっているそうです。
小米がリリースした5Gスマホ「紅米K30 5G版」の定価は1,999元と中国国内5Gスマホの最低記録を叩き出しました。
5Gスマホの価格が大きく下がっている現状は、4Gスマホの在庫を抱えるメーカーは、更に大きな値下げ圧力を受けることになり、一刻も早く4Gスマホの在庫を整理する必要が出ていると言います。
今回OPPOが大幅値下げに踏み切ったOPPO A5ですが、699元という価格は常に激しい価格戦を繰り広げている紅米や栄耀レベルに肉薄。
また、OPPOは「コスパ」市場向けのrealmeブランドも展開していますが、位置づけとしてはrealmeは「ミドル・ローエンド」、OPPOは「ミドル・ハイエンド」という割り振り。それが今や、OPPOブランドのスマホ最低価格がrealmeを下回る事態になっているのは、驚きに値すると言います。
今回のOPPOのなりふり構わない値下げは、出荷台数下落という圧力を前にして、利益を度外視せざるを得なくなったものと見られています。また、vivoも大幅に価格調整をしていますが、小米や栄耀の最も安いモデルは500元を割り込んでいることから、U3xの価格競争力は必ずしも強くなく、この価格調整によって出荷台数の下落を食い止められるかは、楽観できないとのこと。
総評
以上のように、ただでさえ成長が落ち着いてしまっている中国スマホ市場は、新型肺炎という「泣きっ面に蜂」状態にあり、在庫処分のためにOPPOとvivoが「我慢できなくなった」ようです。
メーカーにとっては大変な時期ですが、消費者としてはそろそろ「買い」どきが来そうですね。
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