緊張状態が続く中印国境情勢。6月16日のロイター通信ニューデリー/シュリーナガル電が報じたところによると、15日夜、両国の国境係争地域であるラダック地方のガルワン渓谷で両国軍による衝突が発生し、インド軍発表によるとインド軍兵士20人が死亡、一方の中国側は被害を明らかにしていません。
米国による華為制裁の影響で「スマホを買い換えろ胡錫進」とネットで煽られまくり、長年愛用していたiPhoneからHuawei P30 Proに買い替えた、中国共産党系メディア環球時報編集長・胡錫進は、自身のツイッターアカウントで「17人のインド兵士は措置が遅れたため死亡した。これはインド軍の負傷者救護能力不足による。これでは高原での現代的戦闘能力を有する軍隊とはいえない。インド世論は冷静になるべき」と、「ここまで煽る必要があるか?」レベルの呟きを投稿。
17 injured Indian soldiers reportedly died due to lack of in-time rescue, which reflects the serious flaws of Indian army to provide emergency treatment to the wounded. This is not an army with real modern combat capabilities at plateau. Indian public opinion needs to stay sober.
— Hu Xijin 胡锡进 (@HuXijin_GT) June 16, 2020
胡錫進が煽ったせいでもないでしょうが、インドでは中国製品ボイコットの声が高まり、鳳凰網によれば、中国製のテレビを窓から投げ捨てる動画が喝采を浴びているとのこと。
सूरत :
चाइनीज टीवी को तोड़कर लोगो ने किया विरोध।चीनी चीजे इस्तेमाल नही करने की लोगो से की गई अपील।#BoycottChineseProducts pic.twitter.com/FBgY6wya11
— Janak Dave (@dave_janak) June 17, 2020
インドといえば、中国スマホメーカーが高いシェアを誇る市場でもあります。なかでもシャオミは31.2%と、圧倒的な市場占有率を誇っています。
中国「百度」ニュースアカウント「千年说」によると、インドの中国大使館前での抗議行動で、OPPOやRealme等の中国スマホが燃やされたとのこと。
一方で、シェア第一位のシャオミは燃やされていないそうです。
その理由は、以前もお伝えしたとおり、多くのインド人は、シャオミを『インド国産ブランド』と認識しているからだと言います。
小米は既にインドでスマホ工場を6つ操業しており、いまインド市場で販売されている小米のスマホは95%がインド製。このため多くのインドユーザーは、小米をインドのブランドだと考えているとか。中関村在線は、小米のインド戦略は「非常に成功している」と評価しています。
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「現地化に成功しているとは聞いていたけど、まさかそれほどとは」と驚きながら他のニュースも当たってみると、インド軍兵士死亡の翌日、シャオミはインド市場に廉価RedmiノートPCを2万ルピー(約2万8千円)から3万3千ルピー(約4万6千円)の価格帯で投入する見込みで、これらをインドで生産すると見られるという、かなり呑気な平常運転ニュースが伝えられています。
「ブランドの現地化」とは言っても、軍事衝突が発生しても燃やされないレベルまで支持を形成できるメーカーは、そうそうないのでは。原爆動画やらかしと同じメーカーとは思えない、シャオミのインド市場での浸透ぶりについてお伝えしました。