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完全無線イヤホン「Huawei FreeBuds 4」レビュー。大幅進化の騒音低減と多接続体験、残念な電池関連

 Huaweiが7月末に発売した完全ワイヤレスイヤホン「FreeBuds 4」を購入しました。無数にあるイヤホンの中でもかなり珍しい開放型(インナーイヤー型)なのにノイズキャンセリング搭載という特徴を持った数少ない製品です。約3週間使っているのでレビューします。

変なコンセプト、禁断の「開放型ノイキャン」復活

 まず、これまでのFreeBudsシリーズについて整理したいと思います。「開放型ノイキャン」は今回が初めてではなく、Huaweiが2019年にFreeBuds 3で世界初の製品化を実現しています。

 筆者はカナル型より耳への負担が少ないインナーイヤー型が大好きなので購入しましたが、正直あまり実用的なノイキャンではありませんでした。

 その後はFreeBuds 3i、Pro、4iとカナル型イヤホンが続き、「やはりノイキャンはカナル型でないと難しいか」と妥協してFreeBuds Proを使用していました。

 しかし今回2年ぶりに「開放型ノイキャン」が復活。正統後継機が出たら絶対買おうと決めていたので迷わず購入に至りました。

開封・外観

 シンプルで小さなパッケージ。本体、USBケーブル、クイックスタートガイド×2、安全上のご注意、保証とアフターサービスのご案内が入っています。相変わらず多言語対応のために説明書類が多くて厚いです。

 カラーバリエーションはシルバーフロストとセラミックホワイトの2色。シルバーフロストはFreeBuds Proで初めて採用され、圧倒的な人気を誇ったためかその後の製品にも採用されています。筆者もこの色を選びました。

充電ケース

 ケースはあまり類を見ない円形。正面にインジケーター、向かって右側面にボタン、底面にUSB Type-Cポートがあります。ホワイトは分かりませんがシルバーはサラサラしていて指紋がつきにくく、高級感があって好印象。

 直径58mm、厚さ21mmとコンパクトでズボンのポケットにも容易に入ります。

イヤホン本体

 マットなケースとは対照的にイヤホン本体は鏡面仕上げでめちゃくちゃピカピカ。透き通るようなデザインですごくカッコいいですが、映り込みが激しく指紋も付きやすいです。AirPodsのような「うどん型」。柄の部分は長め。

 装着するとこんな感じ。結構目立ちます。柄の先端が滑らかに加工されているので顔に当たっても気になりません。

 開放型ならではの軽い装着感。カナル型の耳の穴を塞ぐ感覚が苦手なので、開放型は本当に好みです。本製品では1万以上のデータを研究し形状を改善したとのこと。確かに耳にかかる力が均等に分散されており、「引っ掛けている感」が無く自然にフィットするイメージ。

 頭を激しく振っても走っても全然ズレません。さらにIPX4の耐水性能があるのでランニング等にも安心して使えそうです。

 FreeBuds 3からケースも本体も小型・軽量化されているとのことですが、本当に軽い!イヤホンとケース合わせて実測46.3g、イヤホン本体片側で4.1gしかありません。耳にほとんど負担が掛からず、付けているのを忘れそうなほど。形状と合わせて本当に快適です。

 同じくシルバーフロストのFreeBuds Proと比較してみます。FreeBuds Proは実測71.7gと重くサイズも大きめなので、FreeBuds 4の小型軽量の恩恵がよく分かります。何度も「かるっ」と驚きました。

 やはりシルバーフロストはカッコいいですね。イヤホンとしては珍しい色で、スマホやタブレットなど似たような色の他のデバイスとも合わせられます。

 FreeBuds 4ではケースからの取り出しやすさが改善されていて、軽い力で取り出せます。ただし向きが反対に収納されているのでクルッと回さなければならないのは面倒。Proのように内側に向けて欲しいです。

 ケースはマットでイヤホン本体が光沢というデザインは一緒。ひとつだけ違う点を見つけました。それが裏面ヒンジ部分。Proは光沢ですが4ではマットになっています。光沢はカッコいいのですがキズや指紋が付きやすいので、個人的には嬉しい変更です。

iOS版も対応した制御アプリ

 EMUI 10以上のHuawei製端末ではフタを開けただけでポップアップが表示されるはずなのですが、筆者の国内版P40 Pro(EMUI 11)では何度試しても表示されません。なぜ……。接続時にポップアップで電池残量を確認できるのは結構便利なので、早急に修正をお願いしたいところ。

 アプリは「HUAWEI AI Life」を使用します。Androidの場合、Google Playストア版は非対応なので、Huawei公式サイトまたはAppGalleryからインストールする必要があります。iOS版についてはProや4iのように発売当初は非対応だろうと思っていましたが、iOS版AI Lifeも対応していました。

 アプリを利用してバッテリー残量の確認、ノイキャン切り替え、操作変更、アップデート等ができます。なおAndroid版やHuawei製端末限定の機能もあります。

画像は全機能対応のHUAWEI P40 Proで接続した場合

 

ノイズキャンセリングの実力は?

意外と使える、風には弱い

 本製品の目玉機能、開放型アクティブノイズキャンセリング(ANC)。FreeBuds 3では効いているのか効いていないのかよく分からず、調整方法も不明瞭でした。4では騒音低減レベルが15dBから25dBに大幅向上しているとのこと。

 ドキドキしながらノイキャンをオンにしたところ、あのノイキャン特有のサーッと周囲が静まる感覚がありました。予想以上に効いていて驚きです

 カナル型のノイキャン(一般的に35〜40dB)に比べると弱いのは分かりますが、それでもエアコンの稼働音や弱めの雨音はほぼカット。騒がしい場所でもザワザワという騒音が低減されているのを実感できます。軽い装着感なのにこれだけのノイキャンが効いていれば十分すぎると感じます。

 ノイキャンはタップ操作かアプリからオン・オフの切り替えができますが、ケースから取り出し耳に装着しただけではオンにならないのが不便。過去の製品では自動でオンになっていました。

 調整方法は、FreeBuds 3ではアプリから操作し自分で最適な効き具合を見つけるというものでしたが、4では撤廃。装着状態を検知して自動で調整してくれるほか、アプリから「標準」「くつろぎ」の2つモードを選択できます。確かに、少し付け方をいじると数秒後にノイキャンの効き方が修正されるような感覚があります。静かめの場所ではホワイトノイズが気になりますが、「くつろぎ」にすれば軽減できます。

 欠点としては風に弱いこと。風が吹くとノイキャンが弱くなってしまいます。数秒後に修正されるものの気になります。

外部音取り込み機能は無し

 ノイキャンと一緒に付いていることが多い外部音取り込み機能には非対応。カナル型と違って、ノイキャンをオフにすれば周囲の音が聞こえるので不要です。

残念なバッテリー

 イヤホン単体での連続使用可能時間(公称値)はノイキャンOFFで4時間、ノイキャンONで2.5時間とかなり短め。前作から向上していません

 実際にノイキャンONで計測してみたところ、1時間で37%減少しました。ほぼ公称値通りですがみるみるバッテリーが減っていくので、小型軽量化よりももっと再生可能時間を長くして欲しかったです。使わない時はその辺に放置しておくのではなく、きちんとケースに収納するよう意識しています。

 FreeBuds 3やProで対応していたワイヤレス充電。本製品では無線充電には非対応となり、退化しました。

 どうやら海外ではワイヤレス充電対応モデルもある模様。国内版は非対応なのにも関わらず日本の公式サイト上でFreeBuds4のワイヤレス充電対応を謳う記述が。

 とても残念に感じます。国内でもワイヤレス充電対応モデルを発売して欲しかったです。

 ケースはUSB Type-Cの有線充電10分で66%から80%に増加。1時間ちょっとでフル充電できそうです。

低音の良い音質

 14.3mmというかなり大きめのダイナミックドライバーを搭載。しかし実際に聴くと何となくスカスカしているなぁと思っていたのですが、付け方の問題でした。普通に装着した後、柄の部分を耳たぶ側に寄せるとしっかり響いて来ます。

 低音の響きが気持ち良く、ずっと聞いていたくなります。それだけでなく、ひときわ高解像度でクリアに感じ弱い音までしっかり表現されていて驚きました。没入感高めでとても満足。

 重厚感が気持ち良くてついつい音量大きめで聴いていると開放型なので音漏れが気になるところですが、フィットしているおかげか、聴いている人の近くでも音漏れはしていません。気にする必要はないと思います。

 今回初めてAI Lifeアプリにイコライザー機能が搭載されています。とはいえ「低音強調」「高音強調」の2つのみというかなり簡易的なもの。細かく調整したいときはそれぞれの音楽アプリで行う必要があります。

 コーデックはSBCとAACのみ対応。複数の端末で遅延確認動画を見てみましたが、あまり遅延は気にならないので、ゲームはともかく、音楽再生や動画視聴には問題なさそうだと思います。

自然なマイク音質

 公式サイトでは、対応するHuaweiスマホを使えば48kHzもの高いサンプリングレートで録音できると謳われています。

 AI Lifeで声を強調できるモードにし標準の音声レコーダーアプリを使用して録音してみたところ、確かにノイズもなく声がかなりクリア。最大20kHzのFreeBuds Proよりも明らかに機械音っぽさが少なく、自然に近い音質です。通話にも適していると感じます。

OSの垣根すら超える同時多接続体験が素晴らしい

 アプリには本製品から新しく「接続センター」という機能が追加されており、接続したデバイス一覧が表示されます。接続デバイスを切り替えたいときはここから選ぶだけ。しかも瞬時に切り替わります。そして2台同時接続可能。

 これがすごく便利で、いちいちケースにしまってボタンを押したりBluetooth設定を開いたりする必要がありません。マルチデバイス間の連携を重視するHarmonyOSを発表したHuaweiらしさが感じられます。

 接続センターからの操作はHuawei製品に限らずAndroid・iOS(iPadOS)・Windows・macOSに対応。自社製品限定にしないのは他社も見習って欲しいですね。実際に全て接続してみましたが、macOSだけ相性が良くないのか接続と切断を繰り返し正常に接続できません。仕方ないのでMacのコントロールセンターから操作しています。

 接続センターは現在Android版アプリのみ対応ですが、今後iOS版アプリにも追加されるようです。なお、M1 Macに入れたiOS版AI LifeではFreeBuds 4を認識しませんでした。

操作性

 柄の部分にタッチセンサーが搭載されています。タッチセンサーというと誤操作を起こしやすいイメージがありますが、FreeBuds 4はシングルタップには操作が割り当てられていないこともあり、一度も誤操作が起きていません。

 AI Lifeアプリで左右それぞれダブルタップで再生・一時停止、曲送り、曲戻し、音声アシスタント起動を選べます(着信時は「応答」)。長押しの操作はノイキャンON・OFFのみ(着信時は「拒否」)。

 それだけでなく上下にスワイプして音量を調節できます。耳元で調節できるのが非常に便利なのでFreeBuds Proで重宝しているのですが、FreeBuds 4では独立したイヤホン自体の音量があってそれを調節しているようです(Proでは接続端末の音量を調節)。一度スワイプしてもあまり変わりません。微調整できるというメリットに成り得るのかも知れませんが、個人的にはスワイプする回数が多くなりやや不便。端末の音量を操作する一般的な仕様が良かったです。

 また、イヤホンを外すと自動で再生停止・再度付けると再開する装着検知機能もついています。AndroidでもiOSでも問題なく使えました。

総評

 しっかり他製品との差別化が図れており、開放型なのに実用的なノイキャン性能や軽くて快適な装着感、マルチデバイス接続の優秀さ等にとても満足!開放型が好きな方には非常にオススメです。ただ、せっかく長時間付けていたいイヤホンなのにも関わらず、短い電池持ちのせいでそうもいかない点は残念。

 いくらカナル型イヤホンの装着感が改善されてきているとはいえ、FreeBuds 4の快適さには比べ物になりません。筆者はかなり気に入ったのでずっと本製品を使っていく予定。カナル型がなんか合わないな、と感じている方にはぜひ試してみて欲しいです。

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