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中国TikTok LIVEで「ザリガニの出前」人気がヤバすぎる、1時間で50万円売上げる店も

 今年もザリガニが旬の時季がやってきましたね!

 中国TikTok(抖音)のライブで「ザリガニブーム」の波が押し寄せています。

 「ザリガニ食べるの?」「TikTokで出前ってどういうこと?」と、色々と疑問があると思いますが、そういった点もご説明していきつつ、中国「時代週報」の記事をもとにお伝えします。

ザリガニって食べれるの?

 中国ではアメリカザリガニの辛味炒め?(他の調理方法は見たことないです)はかなりメジャーな食べ物。とはいえ、実は食べ始めたと言おうかメジャーになり始めたのは、2000年代前半のこと。携帯電話なみに最近ですね。当時、上海で流行っていて気色悪がる外地人もいましたが、どうやら2015年くらいには全国へ広がったようです。

 要はピリ辛に炒めたエビで、ビールとよくあいます。一匹一匹が小さいので、一々ボキボキ折って皮を剥くのが少し面倒だったりしますが、美味しいことは美味しいので一度試してみるのもいいかもしれません。東京の池袋、高田馬場、新大久保あたりの中国料理店に、わりとよくあります。

 丁度、5月くらいから秋までが旬らしいですね……と、ザリガニの話をしていると先へ進まないので、これくらいにして本題に戻ります。

ゼロコロナ対策で「LIVE配信+出前」作戦を編み出す

 ザリガニのシーズンを前にして、北京ではゼロコロナ政策により飲食店の店内利用が停止されました。ここで飲食事業者たちが生き残りをかけて編み出したのが、「LIVE配信+出前」作戦。

 ところが、抖音に出前機能はありません。そこで、飲食事業者たちが考え出した手法は、まずライブ画面から支払いし、支払い完了画面のスクショと届け先住所をメッセージ機能で送信、受け取った店はウーバーイーツの宅配便版のようなサービス、「閃送」で発送、お客さんの手元へザリガニが届くといった具合。中国人には知恵があるという感じですね。

 ライブで売られているのは、ザリガニの他にも火鍋、焼肉、寿司なども定番で、この手の配送サービスも前からあったようですが、なぜザリガニがこうも流行っているのか?ライブ+出前方式はいつまで続けられるのか?美団(ウーバーイーツのようなもの)のライバルになるのではなど、様々な疑問が湧くところ。

ザリガニはSNSと相性バッチリ?

 ザリガニの人気ぶりについてですが、「北京探店小柒」というアカウントを例に取ると、5月11日、5時間のライブ配信での累計視聴者数は6万人以上。5月11日午後4:45までに、1号リンク(商品ごとに決済URLを分けている)の「京都避风港」ザリガニは1040食、「渝沸跃水煮鱼」ザリガニ720食を売り上げました。

 焼肉店「炬牛气烤肉」(北京)三環新城店の店長・梁铮は「抖音ライブのザリガニ出前は確かに流行っている。うちも1時間で3万元売ったことがある」「今はザリガニが旬。なんでも売れるものを売る」といいます。

 また、コンサル会社・和君諮詢パートナー、チェーン店経営責任者の文志宏によると、ザリガニはもともと飲食系インフルエンサー類の食品で、一定の社交属性がある。抖音のユーザー数と相互交流性は、この特徴を生かしている。ライブでブームになっているのも不思議ではないと分析。

 前出焼肉店店長によると、現代はユーザー数・アクセス数の時代であり、飲食業もこの流れに乗らなければならず、「ザリガニは我々飲食業者の自助努力だ。店が閉まっていても、売れるものを売って稼がないと」とのこと。

実は赤字覚悟の出血大サービス

 ザリガニ料理店「胖子龙虾总店」の職員によると、以前は1店舗あたり最低でも1日100kg程度売れていたのが、いまでは半分程度。そこで、暇になった職員に仕事をということで、ライブでの販売を開始。ところが、ライブで売るザリガニは出血大サービス、損して得取れの精神なのだとか。原因は配送コストが高すぎることにあります。

 時代週報の記者が気づくに、ザリガニが流行っているのを見てライブで売り始めたのはザリガニ店だけでなく、焼肉店、家庭料理店、広東料理店なども参戦し、価格戦争も勃発。目下、ライブでのザリガニ価格は2.5kg258元が2.5kg99元まで、日銀黒田総裁もビックリの大暴落。さらに、オマケまでつけている店も。

 前出焼肉店店長によると、「これはいいことではない。10年前、質のいいザリガニは1匹10元くらいで売れた。それが今では価格競争で、1~2元ほど下がってしまった。飲食業では10元売って6元稼ぐくらいでないと経営状況良好とはいえないが、3元しか返ってこないのでは大変なこと」といいます。おっしゃっていることは飲食業の原価率は40%を超えるとダメという教科書的なことなので、これは本当に「大変なこと」だと思います。

「ライブ+出前」作戦はいつまで続く?

 さて、難題の配送料について。時代週報記者の調べによると、前出「胖子龙虾」の配送範囲は5km内となっていますが、配送範囲は五環(五環路、東京で言えば環八-環七なイメージ)内無料、最寄りの店舗から発送となっています。

 ところが、今「閃送」の自転車配送員が人手不足で、45分から1時間かかってようやく見つかるくらいが当たり前。なので、もし急ぐようなら、自分で店頭まで受け取りに来るよう勧めている状態の様子。

 他の店も似たりよったりで、「配送が遅い」「時間通りに来ない」「問い合わせ電話がかからない」と客から低評価コメントの嵐。

 そもそも、繰り返しになりますが抖音自体に出前機能はなく、飲食事業者が手作りでやっています。2021年9月にTech星球が抖音ライブに出前機能を試験実装と報じたとき、抖音は「関連する業務計画なし」と回答していました。では、この方式は長続きする

 抖音ライブでの「ネットたたき売り」は相当市場規模も大きくなっていますが、抖音ライブと地域生活という組み合わせでの展開は、まだまだ成熟しているとはいえません。一方、料理や日用品の出前アプリサービスを展開する美団は、今年4月にライブアシスタントアプリをリリース。報道によると、これは企業と有名人向けのライブツールで、一般消費者には開放していないとのこと。

総評

 ゼロコロナ政策による飲食店営業制限への対策として、半ばゲリラ的に行われている「ライブ+出前」作戦ですが、世の中の常として流行り物には皆一斉に飛びつき、価格競争が激化、売っても売っても儲からない辛いところ。

 ただ、ライブ配信で出前注文をとる、という手法自体は今後中国で定着していくかもしれませんね。

情報元时代周报
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