Appleの最上位完全ワイヤレスイヤホンであるAirPods Proは、2019年10月に初代が発表、以降2年半以上刷新されていないことになりますが、ようやく新しいモデルが登場することになりそうです。Appleに強い証券アナリストのMing Chi Kuo氏などが伝えたAirPods Pro 2(第2世代)に関する情報を、9to5Macがまとめています。
さよならドライヤー、デザイン変更か
それによると、AirPods Pro 2のデザインは、これまでの「耳からうどん」とか「ドライヤー」と揶揄されていたデザインから刷新され、現在はAppleが買収しているBeatsブランドのTWS(完全ワイヤレスイヤホン)である、「Beats Fit Pro」に似たデザインとなると指摘。その場合、充電ケースも幅が6mmほど薄くなるとしているようです。
ただし、AirPods 3の外観を正確に予測した実績を持つ52Audioが6月に公開したレンダリング画像では、これまでのAirPods Proとほとんど同じ外観となっています。また今のところ、どのようなカラーバリエーションが用意されるかなどはいずれのリーカーからも予測されていないようです。
ロスレス転送に対応、バッテリーも長持ち?
一方、機能面としては新たにロスレスでの転送をサポートするとしています。これまでAirPods/Pro/MaxやBeatsヘッドホンは、Appleの開発したロスレス転送技術であるALACには対応しておらず、実現すれば初の採用となりますが、一般的なユーザーではあまり恩恵を感じない点やバッテリー消費が少なくないところから、既存のAACと切り替えができないものであれば賛否が分かれそう。
加えて、9to5Macの情報筋によると、AirPods Pro 2ではH1の後継となる新しいチップを搭載、消費電力の抑制が実現し、また新たにBluetooth 5.2をサポートする可能性があるようです。これにより、接続の安定性や効率の向上、より高い音質の音楽やクリアな通話が実現可能となります。
AirPodsでヘルスケア!?
また、Kuo氏は「AirPodsは将来的に健康管理機能をサポートする可能性がある」と述べています。Appleは以前にアメリカの大学と、AirPodsを用いて呼吸数の推定を行う研究をしており、この流れは自然であるといえます。
Bloomberg所属の記者であるMark Gurman氏も、AppleはAirPods Pro 2では本体から延びる円筒形の部分をなくし、フィットネス用の新たなモーションセンサーを搭載することをテストしていると伝えており、Kuo氏の主張を裏付けています。
ケースにUSB Type-C搭載?
- そのほかにも、国際的なLightning端子廃止の圧力に呼応してか、ようやく充電ケースにUSB Type-Cポートが備わる、との予想もされています。Kuo氏は今年5月に、AppleはiPhone 15シリーズにUSB Type-Cポートを搭載するテストを行っている、と伝えており、端子の統一に期待したいところです。
- 噂:やはりiPhoneがUSB Type-C搭載?投資家向け予測のKuo氏と記者Mark Gurman氏
リリース時期・価格
肝心のリリース時期について、Kuo氏は今年の下半期になると述べており、ベトナムなどで生産される予定としています。これは中国の製造工場への依存度が低下していることを示しているとのこと。
価格についても明らかに示されてはいませんが、ロスレスをサポートしたりフィットネスセンサーを備えたりすれば価格が上がってしまうのは必至であり、かつ日本では円安も手伝って、そうやすやすと購入できないような価格になってしまいそうな不安はあります。現にAirPods Proは3万8800円に値上げされており、競合するSonyのWF-1000XM4やBoseのQuietComfort Earbudsなどと比較して一回り高い値付けにはなっています。
また、昨年にAirPods 3が発表された際には、既存のAirPods 2も併売されていましたが、それによりAirPods 3の販売は思わしくなかったようです。Kuo氏は、Appleは同じ失敗を繰り返さないため、AirPods Pro 2の発表直後にAirPods Proは廃止する可能性があると伝えています。今後の動向に注視したいところ。