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LINEが異なるOS間で過去14日間のトーク履歴引き継ぎに対応。QRコードで簡単に。

 日本国内最大手のコミュニケーションアプリ「LINE」に、新たにQRコードを利用したアカウント引き継ぎ機能「かんたん引き継ぎQRコード」が追加されました。

 スマートフォン向けLINEアプリ(バージョン12.10.0以降)では、アプリの設定内にあるバックアップ・引き継ぎ欄に、新たに「かんたん引き継ぎQRコード」が追加されています。表示されるQRコードを、引き継ぎ先の端末で読み取ることにより、SMS認証やFacebook、Appleアカウントへのサインインをしなくても、簡単にLINEアカウントを引き継ぐことができます。

iOSとAndroid間でのトーク履歴引き継ぎに対応

 一番注目すべき点は、「異なるOS間でのトーク履歴引き継ぎ」に対応した点。これまでは、AndroidからiPhoneへ乗り換えた際、また、その逆の場合であっても、過去のトーク履歴を引き継ぐことはできませんでした。最近では、AndroidからiPhoneにLINEアカウントを移行した際に、Googleドライブにバックアップを取ったところトーク履歴を引き継ぐことができた、などの報告もちらほら挙がっていましたが、LINEからの正式発表はなし。今回の機能が初めての正式対応となります。

 なお、異なるOS間で引き継げるトーク履歴は過去14日以内のもの。これは、LINEが過去のトーク履歴を一定期間経過後にサーバーから削除し、データが端末内のみに保持されるためとみられており、依然として制約がある状態です。iOSからiOS、AndroidからAndroidへの移行では、それぞれiCloudやGoogleドライブにトーク履歴のバックアップを取ってあれば、引き継ぎに制限はありません。

実際に引き継いでみる

 LINEの公式ヘルプセンター上に記載されている手順に従い、実際に、筆者が長らく使用していない以前のLINEアカウントを使用して引き継ぎを行ってみました。移行元は、Galaxy Feel2(Android 10)、移行先はiPhone 7(iOS 15.5)です。

移行前。数ヶ月放置しており、公式アカウントの通知が溜まりまくっている。

 まずは、移行先のiPhoneでLINEアプリを開き、「ログイン」を選択して次の画面に進みます。表示される画面最上部の「QRコードでログイン」ボタンをタップすると、説明画面が表示され、カメラやギャラリーへのアクセスを許可することでQRコードの読み取りが可能となります。

 なお、「QRコードでログイン」ボタンが表示されない場合、LINEアプリのバージョンが古い可能性があります。AppStoreまたはGoogle Playストアにて更新を確認してください。

 移行先端末でQRコード読み取りの準備が整ったら、移行元端末でLINEアプリを開き、ホーム右上にある設定マークから「かんたん引き継ぎQRコード」をタップ。すぐにQRコードが表示されるので、移行先端末で読み取ります。なお、同じOS間で引き継ぎを行う際には、先にトークのバックアップを行ってからQRコードを読み取ってください。

 QRコードの認識が正常に完了すると、移行元端末でパスワードまたは生体認証による本人確認が求められますので、指示に従い認証を行います。

左が移行元、右が移行先。Androidはシステムの保護でスクリーンショットが制限されていた。

 認証完了後、バックアップの復元を問われる質問が表示されますが、異なるOS間での移行においては使用できないため、スキップします。すると、同期が開始され、無事移行が完了しました。

QRコード引き継ぎの利便性

 実際に使用してみて、既存の移行方法と比較して「若干便利」になっていると感じました。これまでの方法と比較してSMS認証や各アカウントへのサインインの手間が省けるのはとてもスピーディーであり好印象です。また、トーク履歴に関してもきっちり2週間分のみ引き継ぎが行えました。

 ただし、この移行方法はあくまで「移行元端末と移行先端末の両方が手元にある」状態でのみ利用可能。最近はdocomoの「スマホおかえしプログラム」やauの「かえトク」プログラムなど、端末の返却で端末本体の請求額が安くなるプランへの加入者も増加しており、この移行方法を利用できないユーザーも一定数いそうです。

トーク履歴バックアップについての補足

 異なるOS間でのQRコードによる移行をおこなった場合でも、移行の手順の中で「トーク履歴の復元」画面が表示されます。筆者が確認を行ったところ、AndroidでGoogleドライブにトーク履歴のバックアップ→QRコードを利用しiPhoneにトーク履歴を引き継ぎ→再度Android端末へQRコードによる移行という手順をとった際、Googleドライブのバックアップを再度復元することが可能であることがわかりました。

 もちろん、この逆を行うことも可能であるため、QRコードによる移行を行う前にバックアップを取っておけば、何かあった際に元の状態に戻すことができます。QRコードによる移行を行う際にも、念の為バックアップを取っておくことをお勧めします。

総評

 QRコードによる移行によって、LINEのアカウント引き継ぎによるユーザー負担は、若干ではあるものの軽減されており、LINE側にも若干の努力が見られます。

 だだし、そもそもLINEがマルチデバイスでのログインに対応していれば、この面倒でありトーク履歴が消えてしまう可能性のあるアカウント移行プロセスも無くなります。既存の機能の拡張ももちろん大切ですが、更なる利便性の向上のためには、もっと大きなアップデートが必要であると考えます。

情報元LINE