Appleが新製品を発表する際には、WWDCに代表される規模の大きい発表イベントを開催し、事前に多くの広告を流すのが通例です。しかし、同社は2022年後半から2023年初頭にかけて、3つのカテゴリで合計6つの製品を大きなイベントを行うこともなく静かに発表しました。
以前と比較してかなり控えめになっている様にも見えるApple。海外メディアPhoneArenaが、Appleの2023年における動向に関して、2022年の動きや各種リーク情報を踏まえた分析をしています。
VR/ARヘッドセット
まず、やはり2023年一番の目玉となるのは、「Apple製VR/ARヘッドセット」。かなり前から開発が噂されていたものの、度々開発の遅延や発表の延期が報じられてきました。膨大な時間を開発に注ぎ込んだだけに、その機能や性能に大きな注目が集まっており、2023年のVR/ARヘッドセット市場を大きく動かすとも予想されています。
ただし、ここで足かせとなってくるのが、本体の価格。これまでの情報で、Appleのヘッドセットは、本体だけで3000ドル(約39万3000円)にもなると噂されています。すでにVR/ARヘッドセットを所持しており、注目しているユーザーにとっては購入の的になるかもしれませんが、そうではないユーザーをターゲットにするにはあまりにも高すぎる値段です。
また、第1世代であるという点も大きなポイントです。どんな製品においても当たり前のことですが、初代製品には多くの問題が存在するということは容易に想像できます。その後2世代3世代と積み重ね、少しずつ完成形に近づいていくわけですが、未だ未知の第1世代製品に高いお金を払うのは、ある意味賭けでもあります。
Appleは、まずは一部のコアユーザーに焦点を定め、初代製品に寄せられたフィードバックを通じて今後のよりリーズナブルな製品の開発に繋げる狙いがあると考えられます。
iPhone 15シリーズ
忘れてはならないのが、次期iPhone 15シリーズの存在です。先述のVR/ARヘッドセットは、同社の将来の収入源となりうる製品であるものの、現状は多くの利益をiPhoneから得ているのは言うまでもありません。
PhoneArenaによると、iPhone 15シリーズにおいては、現状ノッチのままの無印・PlusモデルがDynamic Islandになり、カメラ等スペック部分においてProモデルと下位モデルの差が広がる見込みであるとのこと。さらに高価な「Ultra」モデルの存在も囁かれています。ただ、新型iPhoneは例年であれば9月に発表されるため、現時点での予想は時期尚早にも思えます。
iPadとApple Watch
2022年は、無印iPadがベゼルレスデザインに、かつ端子がUSB Type-Cに変更されるという、歴代iPad史上でもかなり大きな設計変更がありました。一方の上位機種においては、iPad AirがA14 BionicからM1に、iPad ProがM1からM2に、と内部的な変更がありました。ただ、それ以外のかなり目新しいものは特になく、AirとProの差がさらに縮まった程度で、追い打ちをかけるように値上げが行われる始末。
また、無印iPadでも、7年以上前に発売された第1世代Apple Pencilにのみ対応、端子が変更されたことでApple Pencilの充電にケーブルが必要になるなど、理解し難い仕様にユーザーの不満が残る点も多かったのが現状です。
多くの情報筋が、既に2023年においてはiPadに大きな変更は期待できないと予想しており、少なくとも「2024年までiPadはほったらかし」になる可能性があります。
また、Apple Watchも同様に、2023年は大きな変更がない模様。ただ、2022年に発表されたApple Watch Series 8/SE/Ultraは、それぞれのモデルで違ったチャームポイントを持ち、シリーズ全体を通しては高い評価を得ています。
結論
PhoneArenaは結論として、「あなたが技術愛好家なら、2023年のAppleに十分期待する価値があるが、消費者にとってはそうではないかもしれない」と締めくくっています。
今年のAppleは、高価な上位機種に大きな変化が見込まれるものの、一般の消費者のニーズが高い製品においては、軒並み「もの新しさ」は感じられないかもしれません。