Grado GW100をレビューします。
1953年創業のGrado Labs社。特徴的なオープンバックデザインのヘッドフォンをリリースしてきましたが、そんな同社が初めて投入したBluetoothオープンバックヘッドフォンがGrado GW100です。
ブランドの伝統的なデザインを継承、レトロで質実剛健な筐体です。現代的ではない外観でオープンバックという、無線ヘッドフォンとしてはかなり珍しい製品なので、これだけでも注目に値します。
頭をやや強く挟み込み痛くなってくるなど装着感が悪く、長時間利用は個人的には無理でした。ただヘッドバンドやイヤーパッドを交換すると大幅にマシになりました。かなり個人差があると思いますが、安っぽい筐体のおかげでヘッドフォン自体は軽量なので、ハマる人にはハマるのではないかと思います。
最近の無線音響機器は操作系をタッチセンサーにしがちですが、本機はしっかり物理ボタンなのは好感です。
スマホやPCと無線接続が可能。aptXコーデックに対応します。屋内でもたまに接続がプツプツ切れる場合もあったので、接続安定性は悪いと思います。
機構上、開放型なので音漏れしますが、内部設計の対策により見た目よりは軽減されています。屋外で使う気にはならないです。電車の中などでは到底使えません。ただ近所を徒歩でおさんぽするぐらいならむしろアリですね。
開放型で外の音も聞こえるということは、部屋で作業しながら、家庭用ゲーム機を遊びながら、PC/スマホで音楽を聴く、といった用途にはちょうどいいです。
決して特段に高音質ということはないものの、比較的自然な音は好感。高音女性ボーカルが若干刺さる感じがありますが、クラシックやジャズなどを聴くのには向いていると感じました。優雅なBGMを流しながら、無線なのでケーブルが邪魔すること無く、他ごとをできるのは素晴らしいです。コロナ禍に活躍してくれたヘッドフォンでした。
誤解を恐れずにハッキリ言えば、かなりピーキーな製品ですが、非常に個性的で、ハマる用途にはハマる、ハマる人にはハマる。筆者はメイン機はする気は起きませんでしたが、音楽を聞きながら作業など、状況に応じて引っ張り出して使っています。愛すべき変わり種の製品だと感じました。
残念ながら現在は終売となっているようです。後継機の登場に期待しましょう。