生活必需品じゃないから?
シンガポールの調査会社であるCanalysは、スマートウォッチおよびスマートバンド市場の22年第4四半期の販売台数を報告しました。業界全体の販売台数は5000万台とされ、これは昨年第4四半期と比べて大幅に減少しています。
Canalysは、スマートウォッチをGalaxy WatchやApple Watchなど高機能高価格なデバイスとして定義し、そうでない比較的安価な時計型デバイスをBasic watches、スマートバンドをBasic bandsと定義して集計しています。
なお、XiaomiのSmartwatch販売台数がごくわずかながら確認できることから、Canalysのスマートウォッチの定義はWearOSやWatchOS、または同様のアプリの追加インストールが可能なデバイスであると推察できます。
カテゴリ全体では、21年第4四半期と比較して、Appleは販売台数を17%落として1380万台。一方でほかのメーカーの販売台数の落ち込みが激しく、シェアを27.1%から27.5%へ拡大しています。Googleは傘下に持つFitbitの製品の販売台数が大きく減少したものの、Pixel Watchによりカバーし、全体のシェアは2位につけています。Xiaomi、Huawei、Samsungはいずれも30%以上販売台数を落としました。
ベンダー |
2022 年第 4 四半期 |
2022 年第 4 四半期の市場シェア |
2021 年第 4 四半期の出荷数(百万) |
2021年第4四半期の市場シェア |
年間成長率 |
Apple |
13.8 |
27.5% |
16.5 |
27.1% |
-17% |
|
4.0 |
8.0% |
5.3 |
8.7% |
-25% |
Xiaomi |
3.6 |
7.2% |
6.7 |
10.9% |
-46% |
Huawei |
3.2 |
6.4% |
5.5 |
9.1% |
-42% |
Samsung |
2.9 |
5.9% |
4.5 |
7.4% |
-35% |
その他 |
22.5 |
44.9% |
22.5 |
36.8% |
+0% |
合計 |
50.0 |
100.0% |
61.0 |
100.0% |
-18% |
なお、上の説明はあくまで22年の第4四半期に限定されている点に注意。2022年通期の成績は以下の通りで、Appleが大きくシェアを伸ばし年間成長率+5%でトップシェア、大きくシェアを落としながらもスマートバンド関連が強いXiaomiが2位につけています。
ベンダー |
2022年 |
2022 年の市場シェア |
2021年の出荷(百万) |
2021 年の市場シェア |
年間成長率 |
Apple |
41.4 |
22.6% |
39.4 |
20.4% |
+5% |
Xiaomi |
17.1 |
9.3% |
29.0 |
15.0% |
-41% |
Huawei |
15.2 |
8.3% |
19.2 |
9.9% |
-21% |
Samsung |
14.0 |
7.7% |
14.6 |
7.6% |
-4% |
|
11.8 |
6.4% |
15.1 |
7.8% |
-22% |
その他 |
83.4 |
45.6% |
75.7 |
39.2% |
+10% |
合計 |
182.8 |
100.0% |
193.0 |
100.0% |
-5% |
また、昨年全期と比較すると、スマートウォッチの台数は+3%の増加、同じくBasic watchは21%増加している一方で、スマートバンド(Basic band)は39%の減少。昨年度も20年度から見て大きく減少しているため、今後の見通しはかなり暗いところです。なお市場全体の出荷台数は5%減少したとのこと。
Canalysのアナリストによれば、2023年は全体で2%の成長が見込めるとのことですが、スマートバンドについては引き続き販売台数を落とすものとしています。また、消費支出がある程度回復していることから、メーカーは量よりも質を重視するとして、開発はスマートウォッチのOSに集中するとしています。