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vivo、自社開発画像処理チップ「vivo V3」等の最新カメラ技術を発表。撮影後に被写界深度調節、2層トランジスタ画素積層型採用示唆も

 中国vivoは、自社開発の画像処理チップであるvivo V3など、画像処理に関する約10の新技術を発表しました。これらの技術のほとんどは、vivoの次期フラグシップシリーズ、「vivo X100」シリーズ(仮称)にて実装されることが予想されます。

AI-ISP 「vivo V3」

 vivoはvivo X70シリーズに搭載されたvivo V1チップ以降、主にフラグシップのスマートフォンにおいて、自社画像処理チップを搭載していました。今回その新型となる、vivo V3をお披露目。

 vivo V3は、AI演算を行うNPUと、画像・映像処理を行うISPの2つの機能を組み合せた、AI-ISPと呼ばれるチップであるようです。端末上のSoCと同期接続し、高速な連携をすることで、高度なコンピューテーショナル・フォトグラフィー(計算写真学)の処理が可能になります。

 前世代以前は製造のプロセスルールを公表していませんでしたが、今回6nmプロセスでの製造を明言。これにより、前世代と比較して30%電力効率が向上したとのこと。

 さらに、一新したアーキテクチャとSoCとのFIT相互接続システムにより、消費電力の削減し、処理時間を20%低減。アルゴリズムの効果を大幅に向上させ、SoCとのシームレスな接続を実現しています。

4Kシネマティック・ポートレート動画撮影

 vivo V3での新たな機能として、4Kシネマティック・ポートレート動画撮影機能が紹介されています。

 Galaxy S23 Ultraなどでも背景をぼかした4K動画撮影をすることができますが、vivo V3は撮影後にぼかす対象の変更や、ぼかし具合を調整が可能であり、実装されればAndroid端末では初に。ぼかし効果、被写体のオートフォーカス、肌品質の最適化、色処理などにより、映画撮影のような優れた体験が可能だと強調しています。

 撮影にかなりの処理負荷がかかりそうですが、それを可能にするvivo V3の性能は確かなようです。

基本アルゴリズムの向上

 vivo 独自のVOIE (vivo オリジン イメージング エンジン) を構築し、超鮮明な画質、色復元、演算能力アクセラレーションの 3つのシステムにおいて、基本アルゴリズムを包括的にアップグレード。これにより、画質と色調、計算速度が向上しているそうです。

 さらに、ポートレートと夜景・星空の2つのシーンにおいて、専用のシステムを構築。コンピューテーショナル・フォトグラフィーの分野で、リードをし続けていることをアピールしています。

LYTIA 2層画素トランジスタ積層型イメージセンサー

 vivoは、モバイル用イメージセンサー大手メーカーのSONYと協業をし、IMX866 VCSを始めとする、共同開発のイメージセンサーを発表してきました。

 今回の発表では、今後の新機種においてXperia 1 Vにも実装された、2層トランジスタ画素積層型イメージセンサー(Exmor-T for mobile)の搭載を示唆。

 2層トランジスタ画素積層型イメージセンサーは、光を電気信号に変換するフォトダイオードと回路を、従来同一基盤であったものを別々の基板に形成し、積層しています。これにより、飽和信号量を増やし、回路内のアンプトランジスタのサイズを大きくすることができるため、ダイナミックレンジの拡大とノイズの低減を実現。最先端のイメージセンサー技術と、vivoの画像処理技術が組み合わさるとどのような画質になるのか、期待がかかります。

 SONYが昨年発表したモバイル用イメージセンサーブランド、「LYTIA」の文字も確認でき、LYTIAブランドのイメージセンサーであることも予想されます。

ZEISS監修レンズの強化

 vivoとレンズメーカーのZEISSは、現在まで長期に渡る協力関係を築いており、ZEISS監修のもと、ZEISS Opticsや、ZEISS T*コーティングをレンズに実装。そして、ZEISS ナチュラルカラー、ZEISSスタイルのぼかし効果などのZEISSレンズの撮影体験、「ZEISS LOOK」を提供してきました。

 今回も、ZEISSを冠したいくつかの技術を発表しています。

 その一つにZEISS監修の新たなレンズとして、「Vario-Apo-Sonnar」を冠するレンズを発表。モバイル端末として初めて、高品質の色収差補正を誇る”APO”設計が適用されることとなります。

 APO(アポクロマート)レンズには様々な定義がありますが、一般には色収差を減らす、特殊な低分散ガラスレンズを一部使用したレンズを指すようです。Vivo X90 Pro+では既に低分散ガラスレンズを1枚、メインカメラのレンズに使用しているため、2枚のガラスレンズを使用するといった更なる強化が予想されます。

 さらに、望遠レンズにはフローティングレンズ群を搭載し、優れたフォーカス性能を実現。優れたマクロ撮影やぼかし効果を発揮できるとしています。

上から望遠風景写真、マクロ撮影、望遠ポートレート撮影

 また、超高解像度とも言及されており、2億画素のような超高画素で、大型のイメージセンサーが搭載される可能性がありそうです。

 加えて、ZEISS T*コーティングも進化。マルチALDコーティングと呼ばれる技術により、可視光域での中心反射率が前世代の半分となる0.1%に。よりいっそうフレアやゴーストの少ない撮影が可能になります。

AIを活用した新しいポートレート体験

 新たなポートレート撮影の体験の模索のために、vivoは3D画像研究室を設立し、人体の毛穴まで再現した3Dモデルを再構築できる環境を作るなど、3Dポートレートの研究に力を入れているようです。

 こうした研究と、AIコンテンツ生成(AIGC)アルゴリズムに基づいて、3つのバーチャルコンテンツ機能の開発を進めているとのこと。

 その一つであるジェネレーティブ・ポートレートスタイルは、ポートレート撮影シーンと仮想のシーンを合成する機能。旅行中の写真の背景の四季をAIにより変更し、あたかも異なる季節にいるかのような撮影を楽しめます。

 また、ジェネレーティブ・ポートレート編集機能により、従来のポートレート写真の美化効果だけでなく、照明、年齢、髪型、表情など、顔貌までも編集で変えることができてしまいます。

 加えて、静止画や動画にAR(拡張現実)のエフェクトを付与できる、ポートレートARエフェクト機能も開発しているようです。

従来の機能も向上

 vivoのスマホカメラは、夜景や光のほとんどない低照度の環境において明るく、白飛びや黒つぶれの少ない撮影ができるのが一定の評価を得ていますが、その夜景撮影も強化。メインの広角だけでなく、超広角、望遠、そしてパノラマでの夜景撮影を最適化し、マルチフレーム合成後の14bit RAW画像を編集できる、Super RAW機能をすべての焦点距離で使えるようになります。

 また、VOIEエンジンとAI学習の向上により、夜景モードが刷新。プレビュー段階でのHDRが強化された上、シャドウや色のリアルタイムな調整が可能となり、手軽に自分好みの調整ができそうです。

 さらに、写真のHDR表示に適したダイナミックな撮影体験をもたらす、XDR Photo技術が第2世代に。夜景に最適化し、ハイライトの白飛び抑制や、色の保持のメカニズムを導入しています。

 加えて、GoogleやAppleなどが参加する、 HDR写真のISO(国際標準化機構)規格の策定に、中国企業として唯一参加していることも強調しました。

 そのほか、自然な色彩を提供するZEISSナチュラルカラーモードに続く、新たなカラースタイルのオプションとして、vivoテクスチャカラモードを追加。

左からZEISSナチュラルカラー、vivo鮮明カラー(通常)、vivoテクスチャカラー

 このモードでは、コントラストの高い、印象的な撮影を簡単に撮れるように。vivo X90シリーズの端末ではアップデートにより、既に使用可能となっています。

 これらのハードウェアや機能の一部が搭載されるであろう、Vivo X100シリーズは今冬の発表が予想されます。

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