フィンランドのXR企業Varjoは、アメリカ軍との提携を発表。陸軍の訓練プログラムに同社のXRデバイスVarjo XR-3 Focal Editionを提供することを明かしました。
訓練プログラムの正式名称は「Reconfigurable Virtual Collective Trainer (RVCT) Air Program」。Varjoの製品は、米陸軍のヘリコプター、ブラックホークやアパッチ、チヌークのパイロットの訓練で使用予定とのこと。
またVarjoは、アメリカ軍にヘッドセットを提供するにあたって、アメリカのCole Engineeringと提携しました。両社は共同でシミュレーターをXR向けに調整します。
現時点では、XRデバイスを使用するトレーニングの具体的な内容は不明瞭なんですが、陸軍は訓練をより効率化すると説明。普通のシミュレーションと比較すると、没入感は高いと思われるので、その辺りが「受講生」に良い影響を与えるのかもしれません。
Varjo XR-3 Focal Editionは、防衛機関や重要インフラといった環境での使用を想定したXRデバイスです。
ディスプレイは、OLED2枚(1920×1920)とLCD2枚(2880×2720)という構造で、「人の眼レベル」の解像度を実現。視野角は115度で、リフレッシュレートは90Hzとなっています。
流石は世界有数の実戦経験を持ちながら情報RMAなどの先進的な改革に取り組んできた米軍だけあって、XR関連の取り組みも実施中です。
例えば、陸軍はMRヘッドセット「HoloLens 2」の軍事利用を模索(難航気味ですが)。また宇宙軍は、医療訓練にVRを使用するほか、ソフトウェア開発への投資も実施しています。
今回の提携を見る限り、アメリカ軍が今後もXRを積極的に導入していく可能性は高そうな予感。これからの各軍の動きに、引き続き注目ですね。