18万円?いえいえ、8万円切りです。
ZTEの新型折りたたみスマホ「nubia Flip 5G」を、ZTEジャパンより一定期間貸与していただいたのでレビューします。
本機は内側画面120Hz駆動対応の縦折りスマホながらも、公開市場(大手キャリアを通さないSIMフリー販路)向けに投入し、価格も税込み7万9800円に抑えた戦略的なモデルです。Galaxy Z Flipシリーズが18万円など基本的に10万円台なのを考えると、その凄さがわかるかと思います。
基本的なベースとなっているモデルは、Y!mobile初の折り畳みスマホとして6万3000円で登場した「Libero Flip 5G」であるため、キャリア版と比べるのであれば価格的なインパクトはやや薄れます。
ただし国際版「nubia Flip 5G」は、昨今の円安で9万円程度であるため、FeliCa対応を果たした上で7万9800円というのは如何に努力をしているのかが伺えるものだろうと思います。FeliCaのほか、IP42耐水防塵、緊急地震速報にも対応します。
また、「Libero Flip 5G」には無かった黒色なのも刺さる人には刺さると思います。さらに、Libero Flip 5Gは実行メモリ6GB、ストレージ128GBであったのに対し、「nubia Flip 5G」は実行メモリ8GB、ストレージ256GBに強化されています。ガッツリとメイン機で使いたい人には候補になってきそうです。
Snapdragon 7 Gen 1を搭載、各種ベンチマークスコアは以下の通り。
- AnTuTu v10.2.3:67万5858点
- Geekbench 6 Single-Core:1052
- Geekbench 6 Multi-Core:3050
- Geekbench 6 GPU:2470
- PCMark Work 3.0:10251
- Sling Shot Extreme OpenGL ES 3.1:5679
- Wild Life Extreme Unlimited:830, 平均4.97fps
- Wild Life Unlimited Stress Test:Best loop 3156 , Lowest loop 3148, Stability 99.8%
nubia Flip | ||
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OS | Android 13 | |
SoC | Qualcomm Snapdragon 7 mobile platform Gen | |
実行メモリ | 8GB | |
内蔵ストレージ | 256GB | |
メインディスプレイ | 6.9型, フルHD, AMOLED | |
サブディスプレイ | 1.43型 | |
リアカメラ | 50M (Main) + 2M (Depth) | |
インカメラ | 1600万画素 | |
バッテリー | 公称値:4310mAh 定格値:4180mAh |
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充電 | USB Type-C | |
本体サイズ | 開いた状態 76×170×7.3mm 閉じた状態 76×88×15.5mm |
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重量 | 214g |
折り曲げ時に微妙に変な音がします。他の折りたたみスマホだとあまりこういった音はしません。Libero Flip 5Gではしないので、個体差があると思われます。
なおZTEはnubia発表会において、DTS: X Ultra対応ステレオスピーカー搭載を謳っていましたが、この音響仕様はLibero Flip 5Gも同様。箱出しでは低音域が引っ込むような違和感がありますが、「DTS音(原文ママ)」の設定内から好みに応じて弄ってあげれば改善し、音響設計に余裕のない折りたたみ、しかも挑戦的な価格の機種としては健闘して鳴らしてくれます。
閉じた状態では円形画面で部分的な操作が可能。AOSPにある「どんな状況でも電源ボタン二度押しでカメラ起動」には非対応ですが、この閉じた状態限定で、音量キーの二度押しでカメラの起動は可能。
また、指紋認証を解錠時、指ごとに任意のアプリ起動を割り当て可能なため、ここにカメラを割り当てることもできます。顔認証と併用は可能。
ただ、普段から通常のロック解除のために右手の親指で使うとしたら、それ以外の指に割り当てるなどの工夫が必要など、多少の使いこなしや慣れも要求されそうです。
カメラはディテール不足なども感じますが、廉価機としては標準的な写り。
スーパーナイトモードは「パッと見」はハイエンド並で、流石ZTEなのですが、暗部などのディテールは欠き、JPGノイズ、滲みがみられるなど手を抜いており、1年前のREDMAGIC 8 Pro水準です。ただ処理性能の低いSoCに高度な画質処理、多くの枚数を入れ込んでも処理時間ばかりかかってバランスが悪くなるといった事情から、価格帯・クラス相応に画質処理を切り分けるのは一般的に各メーカーが実施しており、これを割り切りの良さと見るのかどうかが本機を選ぶ分かれ目です。
競合と比べれば重量214gと若干重たく、マルチウィンドウ管理などソフトウェアの細かい機能では足りない部分もありますが、そうした作り込みにコストをそれほど割きすぎないことによって、「縦折りスマホが非キャリア販路で7万9800円」という画期的な値段を実現していると考えると、割り切りの良さと言えるでしょうか。
それでも縦折りスマホの真髄のほとんどを味わうことができます。背面カメラでのセルフィーこそ使っていませんが、プレゼン・発表会等を動画撮影しておく際に、とりあえずスタンド無しでサクッと撮れてしまうのは、やはり折りたたみは便利だなと感じるところ。
動画の視聴にも便利。
また、閉じた状態で胸ポケットにも入れておきやすいと思います。
とりあえず試してみたい、Y!mobileと契約するつもりはない、キャリア版よりもストレージやメモリに余裕が欲しいといった場合には選択肢になってくると思います。