国際的な調査会社であるIDCは、2024年第1四半期のタブレット販売台数のレポートを公開しました。これまで死に体だったAndroidタブレットが少しづつ復活してきていることが示されています。
IDCによれば、2024年第1四半期の世界全体でのタブレット出荷台数は、前年比0.5%増の3080万台を達成したとのこと。
これまでのタブレット出荷台数のピークは2021年第2四半期、つまりコロナ禍で在宅需要が急騰したタイミングで、それ以来販売は減速していたようですが、今回久しぶりに増加に転じたといいます。
IDCはこの理由について、コロナ禍で購入したタブレットの買い替え需要が始まったことを指摘しています。
24年第1四半期の成績を確認すると、タブレット出荷台数のシェア1位は依然としてApple。新製品が登場しなかったことや景気が低迷していたことを理由に、前年同期比では販売数が8.5%減少しました。
これによって、iPadのシェアは35.2%から32%へ低下し、出荷台数は100万台近く減少しています。2位はSamsung。Appleと同じく新製品の不足が成長を阻んだと指摘されています。
大きく成長したのが5位のXiaomi。180万台の出荷を実現し、前年比92.6%増という驚異的な成長を示しています。また中国以外のほぼすべての市場では、3桁台の販売数の成長を遂げていたとのこと。
会社 |
24年Q1販売台数(百万台) |
24年Q1シェア(%) | 23年Q1販売台数(百万台) | 23年Q1シェア | 昨年同期比成長率 |
---|---|---|---|---|---|
Apple |
9.9 |
32.0% |
10.8 |
35.2% |
-8.5% |
Samsung |
6.7 |
21.7% |
7.1 |
23.2% |
-5.8% |
HUAWEI |
2.9 |
9.4% |
2.0 |
6.6% |
43.6% |
Lenovo |
2.1 |
7.0% |
1.9 |
6.2% |
13.2% |
Xiaomi |
1.8 |
5.9% |
0.9 |
3.1% |
92.6% |
その他 |
7.4 |
24.0% |
7.9 |
25.8% |
-6.6% |
合計 |
30.8 |
100.0% |
30.6 |
100.0% |
0.5% |
とはいえAppleのiPad新製品発表前の24年第1四半期は、Appleにとって最も売り上げが落ち込んでも一切おかしくないタイミングです。しかしHuaweiやLenovo、Xiaomiといった中華勢はしっかり販売台数を伸ばしており、着実にAppleの足元ににじり寄っているのは評価すべきでしょう。
新型iPadの発表でAppleが今後も首位の座を保持できるのか、またAndroid勢がiPadに劣らないタブレットとしての使いやすさを実現し、スマートフォンのように対決の構図になっていくのか、長い目で期待したいところです。