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視線と首で操作!? GoogleのXRスマートグラス主要機能、特許から明らかに

 Googleは、視線と頭部の動きを組み合わせて操作するUIや、半波長板を用いた曲面ライトガイド光学などを盛り込んだXRスマートグラス関連の特許を出願しました。 

 今回発見された特許は、かつての「Google Glass」が直面した課題を克服し、AIアシスタントを核に据えるなど、「今の時代に出すならこうする!」が感じられて、非常にワクワクするものとなっています。

 特許からは3つの大きな特徴が明らかになりました。

 第一に、操作方法の革新です。特許文書には、ユーザーの視線と頭のわずかな動き(うなずきなど)を組み合わせることで、UIを直感的に操作する技術が記載されています。これにより、手がふさがっている状況でも、視線を向けて少し首を動かすだけで項目を選択できるようになり、ハンズフリーでの利便性が飛躍的に向上すると期待されます。

 第二の特徴は、表示品質の向上です。ARグラスでは、レンズに映像を投影する際に「光の漏れ」が発生し、コントラストの低下やゴースト像の原因となることが課題でした。今回の特許では、「曲面で薄型のシースルー光導波路」や偏光を制御する技術を用いることで、この光のロスを大幅に低減します。これにより大きなアイボックスと高コントラスト表示を両立し、ユーザーは明るく鮮明な映像を広い視野角で体験できるようになる見込みで、屋外でも見やすいAR重畳表示を目指すとのことです。

 そして最も重要な第三の特徴が、高性能AIアシスタントの統合です。グラスに搭載されたカメラやマイクが捉えたユーザーの状況を、「Gemini」がリアルタイムで解析し、必要な情報を視界に直接表示します。例えば、海外のレストランでメニューに視線を向ければ自動で翻訳が表示されたり、会話の字幕がリアルタイムで表示されたりといった、まさに「相棒」のような能動的なサポートが構想されています。

 なお、Geminiのリアルタイム統合は現時点では特許段階で構想されているものであり、もちろん実際の製品に搭載される機能は変更される可能性があります。

 Gentle MonsterやWarby Parkerなどと連携し、常用できる装用感とデザインの両立も進めています。

 Googleは、かつてのGoogle Glassで「Glasshole」と揶揄されるなど、プライバシーや社会的受容性の問題に直面しました。その反省からか、今回の特許ではプライバシー保護への配慮が随所に見られます。

 たとえば、近くに第三者がいる場合に表示コンテンツを自動的に暗くする「のぞき見防止」機能や、音声や映像といった生データを外部に送信せずデバイス内で処理する「エッジコンピューティング」の活用などが盛り込まれており、社会に受け入れられるデバイスを目指す強い意志が感じられます。

 Google曰く、市場投入に向けては、Androidスマートフォンで成功した戦略に似た形を再現する模様です。ハードウェア製造ではSamsung、基幹チップではQualcommと提携し、オープンな「Android XR」プラットフォームを構築することで、Appleの垂直統合モデルに対抗する狙いがあります。

 この「三者連合」により、開発コストを抑えつつ高性能なデバイスを、より多くの消費者が手に取りやすい価格で提供することを目指していると考えられます。

 特許は製品投入を保証するものではなく、バッテリー持続時間や本体の軽量化といった技術的な課題は残ります。とはいえ、視線+頭部モーションのハンズフリーUI、迷光対策を施した薄型光学、Gemini連携という三位一体の方向性がおぼろげながら見えてきたのは期待が高まります。Googleが過去の失敗を乗り越え、この市場で覇権を握る未来が果たして有り得るのか、今後の動向に注目です。

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