
Appleのティム・クックCEOが、近く経営トップの座を降りたあとも「居残り」し、取締役会会長として引き続きアップルを率いる可能性が浮上しています。米メディア各社が、英フィナンシャル・タイムズの報道をもとに、アップルがクック氏の後継人事と同時に会長への就任シナリオを本格的に検討していると伝えました。
ロイター通信の報道によると、アップルは早ければ来年にもクック氏がCEOを退任するケースを念頭に、後継となる新CEOの選定や引き継ぎの段取りを加速。最有力候補は、ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのジョン・ターナス氏で、iPhoneやMac、AirPodsなど主要ハードの開発を統括してきた人物です。
一方で、クック氏が完全に引退するのではなく、アップルの取締役会会長に就く案が有力視されています。現在の会長はアーサー・レビンソン氏ですが、2025年3月に75歳を迎えており、アップルのコーポレートガバナンス・ガイドラインが定める「取締役は原則として75歳を超えると再任されない」という年齢ポリシーの対象となります。
この空席となる会長ポストにクック氏が就くことで、大規模なトップ交代が実現するとの観測です。米MacRumorsは、クック氏が会長に就けば、アップルの社内規定に従い最長でおよそ10年ほど取締役として在任できるため、次の10年もアップルの「顔」として影響力を保つ可能性を指摘しました。
日々の重要な経営判断にほとんど関与しなくなるのか、それとも深く関与する院政を敷くのか、続報に注目です。



















