
OpenAIは2月5日、企業がAIエージェントを構築・配備・管理するための新プラットフォーム「OpenAI Frontier」を発表しました。社内のデータや業務ツールを横断して動作するAIを、共通の業務文脈と権限管理の枠組みで統合し、実務で安定して運用できる体制の構築を目指します。
同社は、各部門で個別にエージェントが導入されると、データの管理場所やアクセス権限、監査手法が分散し、結果として運用負荷が高まる課題を指摘しています。Frontierでは、導入時の教育やフィードバックによる改善、明確な権限設定といった、人間が組織で成果を出すために必要な前提条件をAIにも適用します。これにより、単発の試作にとどまっていたAI活用を、組織横断的な実務へと広げやすくするとしています。
具体的には、データウェアハウスやCRM、チケット管理システム、社内アプリケーションなどを連携させ、AIが参照できる共通の業務情報を構築します。エージェントはファイル操作やコード実行を伴う多段階の作業を担当し、ソフトウェアの不具合の原因究明やデバッグなどの複雑な業務にも対応できると説明しています。日々のやり取りを蓄積して精度を向上させる仕組みも備えており、オープン標準による連携を強調することで、自社製だけでなく独自開発や他社製のエージェントも同じ基盤で管理できるといいます。
運用面では、各エージェントに固有のIDを付与してアクセス権限を明示し、機密データを扱う環境でも安全に利用できるようにします。詳細な監査ログや統制機能も備えており、プラットフォーム自体はSOC 2 Type IIやISO/IEC 27001といったセキュリティ標準に対応するとしています。
初期の導入企業にはHPやIntuit、Oracle、State Farm、Thermo Fisher Scientific、Uberなどが名を連ねています。加えて、BBVAやCisco、T‑Mobileなど既存顧客によるパイロットも進んでいるといいます。まずは限定的な提供から開始し、今後数カ月をかけて対象を順次拡大していく方針です。なお、利用料金については現時点で明らかにされていません。
法人向け事業の成長が重要性を増し、競合するAI企業アンソロピック(Anthropic)などと法人市場で競り合う構図もあるなか、Frontierの投入は、AIの数が増えても統制を維持できる管理基盤を提供することで、企業の導入障壁となっている運用コストの低減を狙う一手となりそうです。





















