
SwitchBotより、「SwitchBot 顔認証パッド Pro」を提供していただきましたのでレビューします。
この顔認証パッド ProがProたるゆえんは、「静脈認証ができる」というところ。手のひらの皮膚の下にある静脈を読み取る方式です。これによって、SwitchBot 顔認証パッド Proでは「パスコード」「指紋」「顔」「NFCカード(スマホ)」、そして静脈という5つの形式で認証が行えるのが魅力です。
早速開封します。外箱、外観デザインともに、2025年4月に投入された「SwitchBot 顔認証パッド」とほとんど差異がないと思いきや、本体がブラックからメタリックなグレーに。個人的にはどちらでも好きですが、グレーのほうが埃などが目立ちづらそうなイメージです。

左がSwitchBot 顔認証パッド、右が顔認証パッド Pro
付属品は顔認証パッドから差異がなく、取り付けるためのプレートと斜めに設置するための角度調節用の台、そして粘着テープとネジなど。粘着テープであればガラス面への取り付けがおすすめです。

本体底部には、USB Type-Cポートと防水パッキン、あとはMatter接続用のQRコード(念のため隠しています)が。認証状況を示すインジケーターのある下部は、押し込むことでシーンを実行できます。

セットアップはいつものごとく超簡単。SwitchBotアプリの案内に従って背面の電源を入れ、ボタンを数秒間同時押しすることでセットアップモードに入ります。後は登録しているロック製品と接続すれば完了です。
早速使い勝手を試してみます。静脈認証というものに生まれて初めて触れますが、そのセットアップは顔認証に並ぶほどに簡便でした。
机上や屋内ではなく、実際に使う場所でのセットアップが推奨されはしますが、アプリから登録ウィザードを開始し、デバイスから10〜20cm離した距離で手をかざせばOK。指紋認証のように何度も指を置きなおすといった必要はありません。また指紋認証でありがちな手指の乾燥もなんのその。構造的にそれらに左右されず、公式では濡れていようが汚れていようが関係ないとしています。

実際に使ってきたところ、顔認証および指紋認証に比べ、認証失敗になる割合の少なさ、つまり精度は非常に高い印象です。1週間ほど使ってきた中で、静脈認証が失敗したことはありませんでした。
また認証速度も申し分なく、顔認証と同等あるいはそれ以上のスピードで認証トーンがなり解錠動作が開始します。
しかし、静脈認証には避けられない問題が。それは解錠のために「手をかざす」というプロセスが存在するところ。顔認証であればドアの前に立つだけであり、そこは多少煩雑に感じるところがあります。
……と思ったのですが、ある程度経ってから自分のルーティンを見返すと、最近はもっぱら静脈認証に頼りきりになっていることに気づきました。どうやら、顔認証と静脈認証では起動するまでの時間が全く違うようで、静脈認証であれば手をかざせばすぐ起動するのに対して、顔認証は認証パッドの前に立ってからワンテンポ遅れて認証が始まる印象です。私はなるべく認証速度は速いほうが良いと思っているので、買い物袋を両手に抱えているときでもなければ、基本静脈認証ですべて済ませています。
なお、指紋認証やパスコードは設定こそすれ、もはや全く使っていません。そして一般論ですが、パスコードは単純に入力の時間がかかるほか、悪意のある人から盗み見られる可能性が否定できないため、スマートロックに限らずあまり使うべきではありません。
SwitchBotの認証パッドとして現行最高峰モデルに位置する顔認証パッド Proには、ロック側の製品も最高峰をあてがうべきです。SwitchBot ロック UltraはFastUnlockなる技術の採用により、アプリや接続している認証パッドからのタイムラグを抑えています。
静脈認証で解錠した際の動画がこちら。手をかざしてから1秒も経たず、そして認証成功音がなってからほとんどタイムラグなく解錠操作を始めています。ここのもたつきのなさは非常に素晴らしいです。
なお、実際に取り付けた環境での使用感はこちらの動画をご覧ください。SwitchBot 顔認証パッド(非Pro)とロック Ultraを組み合わせ、顔認証での解錠を行っています。
顔認証パッド Proは、無印のストレスフリーなスマートロック体験はそのままに、手のひら静脈認証、また今回は試せていませんが、太陽光による給電に対応するという順当な進化を遂げたモデルでした。
前回の顔認証パッドでもそうでしたが、「こういうことができればよかったのに」という不満、改善のアイデアがなかなか出てこないほど、完成されたデバイスです。日常使いにおけるストレスも今のところありません。
どういう方におすすめか? 1番は、とにかくストレスフリーな解錠体験を得たい方でしょう。やはり顔認証に比べて圧倒的に体感上の精度が良いというのは快適ですし、この時期にありがちな肌の乾燥もなんのその。すでに顔認証パッドを保有している方……にはさすがにおすすめできませんが、より下位の指紋認証パッドやキーパッドを利用している方には、ぜひ試してもらい、非接触な生体認証の利便性を実感してもらいたい製品です。
SwitchBot 顔認証パッド Proは定価1万9800円。公式サイトにて15%オフの割引が利用できるようです。
……と、本来ならレビュー記事はここで終わりでしたが、最近話題になった件について、急遽言及しようと思います。SwitchBotも競合するメーカーもそうですが、こういうタイプのスマートロックの目的は「鍵をカバンから取り出さなくてよい」というものであり、鍵の携行が必要ない! とするものではないと、弊誌ではたびたび言及しています。
その理由としては単純明快。どこまで行っても「後付け」の域を出ないからですね。粘着テープはいつかへたり、スマートロック本体が脱落するかもしれない。認証パッドも同じく、いたずらで持ち去ることだってできるわけです。そうなったときに困らないよう、二の矢、三の矢を用意しておくというのは非常に重要。
対策だっていろいろあります。私は、たとえ郵便受けをのぞきに行ったりゴミ捨てしたりするようなどんな些細な外出でも、必ずスマホを持ち出すかドアクローザーをひっかけて施錠しないようにしています。また単身でなければ、せめて誰か1人は常に鍵を持ち出している状態を必ず維持しておくべきです。あるいは、4桁のパスコードで開くキーボックスをポストの中に括り付けておき、その中にスペアキーを入れておくというのもよいでしょう。
しかし、ここまでSwitchBotの肩を持っていましたが、1つだけ物申したいことがあります。それはとあるうたい文句について。SwitchBotの各種認証パッドの取扱説明書には「電池切れで締め出されることを防止するために、従来の鍵も持ち歩いてください」という記載があります。

また、CES 2026で発表された「SwitchBot Lock Vision」シリーズは、錠前を丸ごと交換するタイプのスマートロックですが、こちらには緊急用に物理的な解錠手段を残している設計になっています。つまり、極論回路が焼き切れて壊れてもなんとかなる構造になっているわけです。このように、SwitchBotの後付け製品の設計思想としては「最悪壊れてもなんとかなる」を一貫していることが分かります。
にもかかわらず、SwitchBotは顔認証パッドの商品紹介ページにて「鍵を持ち出す必要がない」と宣伝してしまっていました。今回の事態の原因はそれだけではありませんし、この件はどちらかと言えば問題の本質ではありませんが、これは、私にとっては容認しがたい失態です。
すでに当該表現は「鍵を取り出す必要がない」というように差し替えられていますが、一介のSwitchBotユーザー、ファンとしては、SwitchBot製品のハードの質そのものはそこまで悪くないのだから、ぜひ製品の特長と限界を正しく伝えていただき、再発防止に努めてもらうようお願いしたいところです。





















