
ChatGPTの記憶、Claudeに丸ごと引っ越し。
Anthropicは3月2日、AIチャットボット「Claude」のメモリ機能を無料プランにも開放すると発表しました。ChatGPTやGoogle Gemini、Microsoft Copilotといった競合サービスからClaudeへ「記憶」を引き継ぐためのインポート手順も整えています。The Vergeが伝えています。
Claudeのメモリ機能は、ユーザーの好みや過去の会話から得た文脈を要約・保持し、以降の会話に活かす仕組みです。少なくとも2025年10月ごろから有料プランで利用できましたが、今回の変更でプランを問わず使えるようになります。メモリは主に仕事に役立つ内容を中心に扱うつくりのため、取り込んだ情報がすべてそのまま残るとは限らないとのことです。
乗り換えの手順は手動です。まずClaude側のインポート画面に表示される専用プロンプトを、現在使っているチャットボット(ChatGPTなど)に貼り付けます。すると相手のAIがメモリや過去の会話から得た文脈をコードブロック形式で出力するので、それをコピーし、Claudeの設定画面「Settings」内「Capabilities」から「Memory」セクションへ進んで「Start import」で貼り付け、「Add to memory」を押せば手続きは完了です。反映には最大24時間ほどかかることもあるのだとか。
ここで出てくる「コードブロック」とは、テキストをプログラムのソースコードのように整形して表示する書式のことです。チャットAIが情報を四角い枠にまとめて出してくれるフォーマットで、中身がごちゃまぜにならず、そのままコピー&ペーストしやすいのが利点です。
移行元としてChatGPTやGemini、Copilotが例に挙がっていますが、同じ形式で書き出せるAIなら応用できるとみられます。取り込み後はClaude側で「Claudeが何を学んだか」を確認でき、内容の編集や調整もできます。ただしインポートは実験的な機能のため、状況によってはうまく取り込めないこともあるそうです。
OpenAIは2月9日、米国でChatGPTのFreeおよび低価格のGoプランを対象に広告表示のテストを始めました。無料体験のあり方が揺れるなか、Claudeは米国のApp Storeで無料アプリランキング1位を獲得したと伝えられるなど、存在感を増しています。Anthropicはメモリ機能の無料化と移行手順の整備で、乗り換えの心理的ハードルを下げたい考えとみられます。
Anthropicはメモリのほかにも、ファイル作成やコネクタ、スキル、会話の自動要約(文脈の圧縮)といった機能を無料プランに含める方針です。GoogleもGeminiで他社チャットの取り込み機能をテストしているといい、AIチャットボットにおける「記憶の持ち運び」が新たな競争軸になりつつあります。




















