スマートフォンにおける「FPS(一人称視点のシューティングゲーム)」の試みは、いくつかあります。
基本的にはどれも、方向キーや照準、弾丸発射のボタンをバーチャルパッドで表示。ボタンのない領域に指を滑らせて銃口の向きを変え、照準ボタンを押し、弾丸を発射するなど、もどかしい操作を求められがちです。
そんな操作方法を刷新しようとしているのが、現在iOS向けに開発中の「The Drowning」 です。
この動画において、まず「悪い例」として最初に登場するのが、まさにもどかしい操作を強いられる旧来のFPSアプリ。画面上に仮想コントローラーを表示しているだけなんて、コンシューマーゲームの操作言語をスマートフォンにうまく翻訳できていないと言わざるを得ません。
この「悪い例」は、モザイクがかかっているので判別できないですが、どうせストーリーが取るに足らないことで定評のある例のゲームだと思います。
「The Drowning」が凄いのは、操作方法をiOSのスワイプやダブルタップといった作法に合わせて再構築していることです。
これまでのゲームでは、移動するために主人公の方向をコントローラーで調節して、歩く動作をさせなければなりませんでした。
しかし「The Drowning」では、ただ単に移動先をタップするだけでOK。
あとは勝手にキャラクターがその方向を向いて、勝手に移動していきます。
射撃も簡単ですよ。まどろっこしい銃口を向ける、照準を合わせる、撃つといった動作を仮想ゲームパッドで入力する必要はありません。
ただ単に撃ちたい箇所をダブルタップするだけ。
別の方角を見たいなら、スワイプするだけ。簡単すぎてスゴイですね。
当たり前のことを当たり前にやっているだけとも言えますが、ここまでやれているFPSアプリがなかなか見当たらないのも事実ですから。
「The Drowning」を開発しているのは、モバゲーを作っているDeNAのスウェーデン法人。その代表はEAで「バトルフィールド」シリーズの開発を統括してきたBen Cousins氏。さらに開発チームには名だたる洋モノFPSの開発者たちの名前がズラリ。これは期待できそうです。
この豪華チームで革新的なゲームアプリを開発できるのは、さすが日本で儲かっているDeNA。資本力が違います。
じゃあもうすぐモバゲーで凄いFPSが遊べるようになるんだ!というわけでもなさそう。実はDeNA スウェーデンの開発したゲームは、基本的にグローバル版のモバゲーにのみ提供されています。日本ではこれまで通り、絵柄合わせゲームへの課金をお楽しみ下さい。
ただ、ここまで操作方法が簡単だと、日本でもFPSゲーマーの敷居を下げるチャンスだと思うんですよね。日本ではRPG系は友達とプレイして、FPSはコアゲーマーがプレイしていますが、海外では逆です。FPSの方が一般的なんです。
マニア向け、難しそうというイメージを払拭できれば、日本でもFPSが普及する風穴となりそうな気がします。
DeNAさん、こんなに面白いもの作れるなら、日本にも持ってきてくれませんかねえ?
情報元:GameSpark, CVG, THEDROWNING