発売予定日の6月28日が迫り、Galaxy S3(SC-06D)への注目がさらに高くなっている。しかし、その注目には賛否があり、良くも悪くもお祭り騒ぎの状態だ。
なお、この記事では特別な脚注がない限り、日本で発売されるGalaxy S3について言及している。詳細なスペックシートは、すまほん!!内のGalaxy S IIIのページを参照して欲しい。
ドコモ夏モデル 性能は横並び
ドコモ夏モデル、NEXTシリーズの性能はどれも横並びだ。もちろん、細かいチューニングの差異によって、ベンチマークの結果は微妙に上下するが、ほとんどの端末がSnapdragonS4を搭載し、パソコンで言うところのCPUとGPUはどれも同じものが採用されているような状態だ。
その中でGalaxy S3は他のモデルの2倍となる、2GBのメモリ(RAM)を搭載している。海外で販売されているモデルでは、SAMSUNG自社製のSoCであるExynos Quadが搭載されており、今までスペック番長の座を気づきあげてきたSAMSUNGの名に恥じないものになっている(なお、こちらのメモリ容量は1GB)
しかし、LTE(Xi)に対応するためには、SnapdragonS4を搭載せざるを得なかった側面がある。故に、メモリ容量を2倍にしたのはAndroidスマートフォンでイニシアチブを握り続けるための苦肉の策とも言えるのかもしれない。
そのような憶測をたてるのも楽しいが、実際の問題としてAndroidの特性上メモリは積めば積むほど快適に動作をするという事実がある。苦肉の策と上には記したがこれは存外正解なのかもしれない。
感性に訴えるモノ
ハードウェアの性能が横並びになる中で次に重視されるのは、デザインとソフトウェアの作り込みだ。ハードウェアの性能とデザイン、ソフトウェアのバランスが成立してこそ、初めて名機と言えるモノが生まれる。
まずはデザイン。既に実機(ホットモック)を触ったことがある人ならば気がついたと思うが、GalaxyS3は非常にベゼル(額縁)が非常に狭い。その額縁が非常になめらかな処理が施されており、ホールド感は抜群だ。たとえば、人差し指が画面から外れても、そこにはなめらかなさわり心地のベゼルが待っている。これは私の持っている端末では、味わったことのない感覚だった。
例えるならば、河川の中流にある「水切りをして遊ぶ石」のような、すべすべしていて触っていて非常に心地が良い。これに関してはSAMSUNGも意識していたのか、白色と青色(ボディーカラー)の滑らからオブジェクトがイメージ画像の随所に散見される。さすが「自然から吹き込まれたデザイン(Design inspired by nature)」と広告で打ち出しているだけはある。
また、ソフトウェアの作り込みについても言及しよう。
今のAndroidの最大の敵は、言わずもがなiOS、それを搭載するiPhoneだ。iOSとiPhoneの高い親和性はソフトウェアを作っている会社とハードウェアを作っている会社が同じということが理由である。
(その両者を作っているのは、言わずもがなAppleである)
しかし、現在のAndroidスマートフォンではそのようなことができない。ならばどうするか、Androidをぎりぎりまでチューニングし、ソフトウェアを最適化する他ない。場所によって、感想は異なるが、私は非常に良くチューニングされている端末だと感じた。今までのAndroid端末のイライラを大きく払拭してくれるものであった。恐らく、今後さらなるチューニングによって、万人に対しての最適化が行われるのだろう。
そのほかにも「Smart stay」や「Smart alert」といった、ああ、なるほどと考えさせられる、ハードウェアとソフトウェアの融合が随所に見られた。
日本の機能をどう捉えるか
ドコモから発売されるGalaxyS3にはNFCが搭載されない。その代わりに、FeliCa(いわゆるおサイフケータイ)とワンセグが搭載された。防水は備わっていないが、個人的には防水機能はデザインと使い勝手を低下させるだけの劣化要素でしかないと考えているため、必要はないと考えている。
NFCを外し、FeliCaを搭載したのはある種の英断だろう。ただ、これもまた賛否が分かれるところだ。NFCとFeliCaの両対応が最も理想的であったが、それが実現されなかったのは素直に惜しいと言える。
ただ、現在NFCとFeliCa、そのどちらが普及しており、どちらが使われているかと問われれば間違い無くFeliCaだ。もちろん今後、NFCが普及していくのは目に見えているが、現在広く利用されているかと言われれば、そんなことはない。むしろ、FeliCaを使った決済サービスが広く普及している。その現実と今後発展していく(が、今は普及していない)NFCというロマンを天秤にかけたところで、結局実利性をとったSAMSUNG(あるいはドコモ)なのだろう。私はこの選択が間違いだとは思わない。
また、ワンセグはGalaxyS2の悲惨なものに比べ、その感度は飛躍的に向上していた。屋内の奥まった場所で試したが、非常に快適な受信感度だった。このあたりも日本の市場で展開するに当たっての本気さを伺い知ることができる。
さあ、選ぶのはあなただ
ここまでくだらない御託を並べたが、最終的な購入決定権は、この文章を読んでいる貴方にある。
本文中では詳しく触れなかったが、有機EL独特の発色が嫌いな人もいれば、それでもやっぱりNFCが欲しいという人もいるだろう。
ただ、この夏モデルの中で最もオススメ出来るモデルは何かと問われれば、私は「Galaxy S3」と答えるだろう。
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