10月5日は、Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズ氏の命日です。これにあわせて米国メディアは、初代iPhoneの立ち上げを振り返る記事を掲載しています。
Business Insiderは、アップルの古い幹部の話すエピソードを紹介。それによれば、初代iPhoneの開発費には1.5億ドル(≒140億円)以上の大金が投じられたとのこと。Appleにとって、初代iPhoneがいかに重要であるかがよくわかります。
さらに資金だけでなく、人材も初代iPhoneに関するプロジェクトに集中されていたそうです。このプロジェクトには社運が賭けられており、失敗は許されないものでした。
そのため、各部門の最高のエンジニアを、この極秘プロジェクトに呼び集めることになります。
これによって、アップル社内にも亀裂が走ることもあったそうです。なぜなら、多くの社員にとっては、自分の部門にいる優秀な人材が、自分の入ることの許されないガラスのドアの大きな部屋の向こうへと出て行くことになるわけですから。社運を掛けた極秘プロジェクトに参加できないことに対して、嫉妬のような感情を抱く社員もいたでしょうね。
この他にもNew York Timesは、このAppleの命運を握る「初代iPhone」が、発表会の重要なプレゼンテーションの時点までに、正常に動作していなかったことを明らかにしました。
その時、「初代iPhone」はバグだらけで、かろうじて動作する個体も、リハーサルではフリーズやシャットダウンが起きるなど、挙動はとても不安定でした。もちろん、失敗は許されません。
そのため、ジョブズが激昂したり、エンジニアたちが「クラッシュせずに動作するアプリの起動順序」を試行錯誤するなど、凄まじい状況で、プレゼンテーションが奇跡的に成功したことが窺い知れます。
何はともあれ、今、私達の手元にiPhoneがあるという奇跡を、噛みしめたいものです。
情報元:Business Insider, NY Times
[訂正]初出時に金額に誤りがありましたのでお詫びして訂正させていただきます。