日本での販売価格11万2,800円と、これまでで最も高額なiPhone X。
日本では割賦と割引とキャンペーンを組み合わせて……と、キャリアが通信料でかき集めた資金を投入して「値引き合戦」をするところ。しかし端末を個別に購入しており、しかも地域格差の大きな中国では、iPhone Xの高額ぶりを揶揄して、「全国各地のiPhone X購買力を調べてみた」という地図が話題になっています。9月17日、中関村在線が伝えました。
中国国内でのiPhone X販売価格は、最も安いモデルで8,388元、最も高いモデルで9,688元、「アップルは価格によって、金持ちと貧乏人、それぞれ身の丈に合ったスマホを持てとユーザーを強制的に分けてきた」と中関村在線は指摘しています。
基本的に必要とされるであろう、高速充電などのオプションを加えれば、1万元は下らず、「全盛り」をすれば2万元でも足りない、ユーザーに求める経済力は相当高いとか。たしかに、フルスペックで購入すると約16万円(記事執筆時点でのレートに基づく9,688元)というのは、「もうパソコンかよ!」という感じですね。
こんな高いもの、一般人が買えるのか?中国のネット上で、「国内iPhone X購買実力地図」という、2016年の平均可処分所得から算出した地図が出回っています。
これによれば、中国で最も豊かな上海と北京でも、一カ月の平均可処分所得で購入できるiPhone Xの台数は、上海で0.54台、北京で0.52台。つまり、上海と北京の住民は、2カ月間飲まず食わずで我慢すれば、iPhone Xが買えるとのことで、中国国内では「上海・北京人涙目www」という形で報じられていたりもします。
「中国各地区iPhone X購買力ランキング」、項目は左から、「省・地区」「平均可処分所得」「1カ月当たりの可処分所得」「1カ月当たりの購買力」
経済格差の大きな中国のこと、「平均」はあまりアテになる指標ではありませんが、「iPhoneのシェアがナンバー・ワン」となるのは不可能なようです。
ただ冷静に考えると、日本でのは中国と比べればまだ安いですが、これを一括で買う余裕がある人は、そう多くないのではないでしょうか。通信料からの割引や各種キャンペーンが結局は毎月の通信料から出されていると思うと、普段から少しずつ余分に徴収されている料金をキャリアが「積み立て」てくださり、こういう機会に「お恵み」下さっているのだと、ありがたく思います。