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Apple純正 Lightning-SDカード カメラリーダーの仕様が不明なので調査&検証しました。

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 先日私事ですがα7 Ⅱを購入し、「ついに撮ったらすぐWi-Fiで繋げタブレットに転送してRAW現像できるのでは!?」と思っていたのですが、下調べが足りずRAWはWi-Fi転送不可でした。まあ、出来ないよねえ……がっかりしたものの、「それなら有線で取り込めば良いのでは!」と思い、Lightning-SDカード カメラリーダー(以下Lightning-SDと省略)を購入したわけであります。

 今回は購入にあたり、仕様や筆者が気になるポイントを検証したので紹介したいと思います。

前置き

 Lightning-SDは名前の通り、カメラリーダーですので、SDカードの写真や動画をiPhoneやiPadなどのデバイスに転送するための製品です。逆にデバイスからSDカードへデータの転送はできませんのでご注意ください。

仕様が不明な純正品

 Lightning-SDはAppleから純正品として発売されている商品です。名前の通り、「カメラで撮影したデータをLightning端子を搭載したiPhoneやiPadで取り込めるようになるツール」なのですが、Appleオンラインストアを見るとわかった情報はこれだけ。

  • JPEG、RAWなどの標準的な写真フォーマットをサポート
  • 動画はH.264、MPEG-4などのHDビデオフォーマットをサポート
  • データ転送は12.9インチ、10.5インチiPad ProはUSB3.0の速度で、それ以外のデバイスはUSB2.0に対応
  • iOS 9以降のiPhone、iPad、iPod touchに対応

 以上です。普通に使う分にはこれらの情報で困らないとは思いますが、もう少し詳しい情報が欲しいと思うユーザーも少なくはないはず。

 何か他に情報はないのかと思いつつ、ユーザーが自由に投稿できるQ&Aやレビューを覗いたところ「どの規格のSDが対応しているのか不明」「UHSは対応しているのか」「iOS 11にアップデートしたら使えなくなった」「転送中に写真アプリが落ちる」「RAW撮影する人には勧めない」などなど、購入を躊躇うような内容ばかりでした。レビューだけ見ると、思わず「コレ本当に純正品かよ!」と言いたくなる内容です。

 そしてこれらを元に、僕が本当に欲しい情報はこちらです。

  • SDカードの規格は何が対応しているのか
  • 写真や動画形式は他にどのような形式が取り込めるのか

 以上です。問題を解決するためにいろいろ検索してみましたが、有力な情報は得れず……。ということでApple Storeの店頭や電話で問い合わせてみた結果をまとめました。

質問

 SDカードの規格は何が対応しているのか教えていただきたい
答え

 情報が公開されてないのでわからないが、ほとんどは問題なく使えると思います。

質問

 写真や動画形式は具体的に何が対応しているのか。
答え

 一般的なデジタルカメラで撮影された写真はおおよそ大丈夫です。動画に関しても同様です。

(質問、解答文に関しては簡略化しています)

 具体的な解答は避けた、というより正確な情報が内部ですらも公開されてないようです。細々したのを聞いたところ、余程変な使い方をしない限りは大丈夫なようです。そのため今回のように一般的なカメラで採用されている拡張子の取り込みは問題なさそうです。

 と、言うことで試してみるため購入してみました。

レビュー

8DA5CDB7-E494-4D50-91DC-19F3C275F35C 購入したのがこちら。純正品のLightning-SDカードリーダーです。内容物は製品と簡易的な説明書のみです。そしてその説明書を読んでいると、ある記載を発見しました。

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 Lightning to SD Card Camera Readerは、SD(標準SDおよびSDHC)メモリカードと互換性があります。mini SDとmicro SDは、スロットの形状にあったアダプタを使用することでサポートされます。MMCカードもサポートされます。

 情報あるじゃないですか!なんでコレ公開してないんですか!つまりはSDXCに関しては記載がないため、公式としてはサポートされない、自己責任の範囲で使用してくださいということでしょうか。またMMCもサポートしているのが予想外というか、そんなのあったなあ……と忘れてました。

 とりあえず普段使っているSDカード(SDHC)を取り込みに使用したいと思います。

864D754A-0B79-483C-8452-96A4FDCDFB23 SDカードを挿した状態でiPadにつなぎます。すると自動的に写真アプリが立ち上がり、取り込み画面になります。

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(このSDのデータはすべてRAWデータのためサムネイルの表示には毎回時間がかかりました。JPEGのみ2000枚以上でも30秒ほど待つだけで一気に読み込むことを確認しました。SDの速度にも依るようです。)

 取り込み方法はすべて取り込みか選択して取り込みです。なお、既に取り込んでいる写真がある場合は、スキップするか、再度取り込むかオプションが表示されるので、場面に応じて使い分けることができます。

 取り込んだあとはSDに写真を残すか削除するかのオプションも表示されます。

IMG_0394 製品、ソフトウェアは誰でも挿すだけで使えるといった感じですね。速度に関しては、Wi-Fiでカメラと繋いで転送するよりは遥かに速くて安定している上、なかなかWi-Fiが繋がらないということもないので満足しています。それに外出先でのちょっとした写真編集がiPadとLightning-SD1本で荷物がコンパクトになると考えれば、十分満足いくのではないかと思います。

検証

 ここからは筆者が気になるポイントを実際に試して検証してみました。もし利用される場合は自己責任でお願い致します。データの破損や故障した場合は一切責任を持ちません。ご了承ください。

SDXCは使えるのか

 公式では一切表記されていませんが、Appleのサポートが『使えると思う』ということでしたのでTranscend SDXC 64GB Class10 UHS スピードクラス1を利用し、検証してみたところ、SDHCと同じように利用できました。データも問題なく表示されます。

AVCHD、MOV形式、XAVC Sは?

 近年の動画記録方式として主にSONYやPanasonicなどのビデオカメラで採用されているAVCHDやその他多くのビデオカメラで採用されるQuickTime Movie(.MOV形式)、SONYが進める4K UHD対応のXAVC Sがありますが、これらが取り込めるか検証してみました。

 結果、AVCHD・XAVC Sは不可QuickTime Movie(.MOV形式)は取り込み再生も可能でした。もし取り込む前提で撮影するならカメラの設定をMP4またはQuickTime Movie(MOV)にするとスムーズに取り込めると思います。もしAVCHDで撮影した場合はPCやカメラ側で動画形式を変換して取り込む必要があります。

検証環境:SONY NXCAMシリーズ、Canon EOS、iVISシリーズでそれぞれ1920×1080の解像度で60pまたは30pで検証。SDカードはTranscend SDXC 64GBまたはSDHC 16GBを使用

4K動画は転送できる?

 説明書には『SDまたはHDの動画』と書いてあったのですが、SDXCの件もあったので念のためGoProで撮影した動画を試してみたところ、動画ファイルを認識はするもサムネイルが表示されませんでした。しかし取り込みは無事に成功し、読み込んだ後はサムネイルも表示され再生も問題ありませんでした。そして転送した動画は圧縮や変換などは行われていない、元データの4K動画であることが確認できました。端末や拡張子に依るとは思いますが、4K動画も取り込みできるようです。なお、これに関してもサポート外な故自己責任でお願い致します。

検証環境:GoPro HERO6 4K(3840×2160) タイムラプス動画を転送して確認。SDカードはSamsung製 microSDHC 32GB Class10 UHS 1を使用

気になるiOSのRAW仕様

 カメラの設定をRAW+JPEG保存をしている場合、RAWとJPEGの2枚が取り込まれ、写真アプリ上1枚として表示されるようです。そしてRAW画像を利用する場合、利用するアプリがRAW対応してる場合はRAW画像を優先し、非対応の場合はJPEGを読み込む仕様になっているようです。

 また、写真アプリでRAWとJPEGの違いがわからないということ。例えばiPhoneのカメラで撮影したHDR画像は左上にHDRと表記されますが、RAWの場合はなにも表示されないのです。意識せずに使えることはユーザーに優しいと言えば優しいのですが、わからないというのもそれはそれで煩わしいのも事実です。

 そして筆者はCanonとSONYのカメラを使用しているのですが、CanonのRAW拡張子である.CR2は解像度が落ちることなく表示されますが、SONYのRAW拡張子である.ARWは解像度が極端に落とされます。これを適当なアプリでEXIFを確認すると1616×1080しかないのです。しかし容量は落とされることなく元のデータと同じ容量を保持していました。

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F値やシャッタースピードが0なのは筆者がオールドレンズを使っているため。

 まさかと思い、試しにLightroomモバイル版で読み込みEXIFを確認すると、撮影時の解像度が保たれていることが確認できました。そしてこれを編集して書き出すと、撮影時の解像度がそのまま保たれたJPEGが書き出されました。つまりLightroomモバイル版をRAW活用法として利用する場合は問題なく利用できます。

比較

目視で分かるくらい画像が粗いのですぐに分かった

推測

 ここからはあくまで推測ですが、”データとしてはしっかりデバイスに転送できている、しかし写真アプリでは簡易プレビューのような低解像度版が表示されている”のではないでしょうか。これが筆者の所持しているSONY製カメラ(α7 Ⅱ、RX100)のRAW画像のみに発生している上、オンラインストアのレビューにも書かれているので、取り込んでそのままRAWプレビュー目的の方は要検証の上ご購入ください。

 なお、この現象はSDカードからMacへ取り込み、RAW(.ARW)をAirDropでiPadへ転送した時も発生しましたが、SDカードからiPadへ取り込み、MacへAirDropした時にはEXIFは正しく表示されたので、iOSがRAWを正しく表示できない問題が存在するのでは?と推測しています。

 Canon、SONY以外のカメラは検証できていないので、もし気になる方いましたらRAW画像をお送り頂ければ検証致します

まとめ

E9F5FED3-074D-49B3-A63A-740E3A3105FD Lightning-SDの対応しているSDカードはSD、SDHC、miniSD(アダプタ必須)、microSD(アダプタ必須)、MMCのみです。UHSに関しては不明SDXCに関しては自己責任で使いましょう。写真はJPEG、RAWなら確実に読み込めます。(RAW対応はこちらを参照ください)動画形式はMPEG-4、MOVは読み込めますが、AVCHD、XAVC Sは読み込めません。4K動画も拡張子や動画次第では読み込めるものもあるようでした。

 またiOS 11で使えない、アプリが落ちるなどレビューでありましたが、当方の環境(※1)で使用したところ、そのような症状は発生せず使うことができました。製品自体も3,200(税別)とApple純正品にしてはお求めやすい価格なので、無線で写真転送しているが、遅い、途切れるといったことで悩んでいるユーザーには大変オススメの商品だと思います。

 もし自分のデバイスやSDカードが使えるかどうか気になる場合はApple StoreでLightning-SDを試用することができるとのことでした。もし購入を考えている方は一度Apple Storeで試してみてはいかがでしょうか。

 なお今回レビュー記事の写真はiPad ProにRAWで取り込みLightroomで簡単な補正をかけて書き出しています。次回、このLightning-SDを活用したLightroomモバイル版の活用法を紹介したいと思います。もうしばらくお待ち下さい……!

※1 検証に使ったデバイスは10.5インチ iPad Pro(iOS 11)、iPhone 7 Plus(iOS 11)です。カメラはSONY α7 Ⅱ、RX100、NXCAMシリーズ、Canon EOSシリーズです。SDカードはTranscend製SDXC 64GB Class10 UHS 1、SanDisk製SDHC 32GB Class10 UHS 1、Toshiba製SDHC 32GB Class10、Transcend製 SDHC 16GB Class10 UHS 1、Samsung製microSDHC 32GB Class10 UHS 1(アダプタあり)です。なお、本記事で行った検証に関してはすべての責任は負いかねます。あくまで自己責任でお願い致します。

SanDisk SDHC カード 32GB Extreme Pro UHS-I 超高速Class10 並行輸入品 (32GB, 95MB/s)
サンディスク
並行輸入品のSDカードが大変安いのですが、偽物などもありますので要注意してご購入ください。
Apple Lightning SDカードカメラリーダー/MJYT2AM/A
アップル
今回紹介した商品はこちらです。
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