毎日新聞は、NHKがようやく受信料を数%・数十円値下げするよう検討していることを報じました。実現すれば2012年以来の受信料値下げとなります。ようやく、というのは、前からずっと言われ続けていることだからです。
NHKは関連子会社を多数作り、受信料の儲けを不透明な業務委託によって、これら子会社に送金することで、約1000億円を内部留保。政府に対しては、儲かっていないから受信料を値下げしないとの態度をとってきました。
日本政府としては受信料値下げを求めています。高市早苗前々総務大臣は、NHKがやりたがっているテレビ放送のインターネットへの常時同時配信について、政府がこれを認めるにあたっての三条件を提示。関連団体への業務委託時の透明性と適正性をさらに高めるとの要件を設定しました。
なかなか応じないNHKに対し、野田聖子前総務大臣は、さらに踏み込んで、受信料値下げ検討を要望。受信料、業務、ガバナンスの三位一体の改革を求めました。これについて、NHK幹部は見直す予定はないと述べていると、日経が報じていました。
今夏の総務省有識者会議においても、やはりネット同時配信の条件として受信料値下げが挙げられていました。これでようやく観念したのか、NHKが値下げに応じる、という経緯です。民放に民業圧迫などと反対されていますが、NHKとしてはインターネット常時同時配信は悲願なので、総務省の提示する条件にはいよいよ応じざるを得ないということでしょう。
数十円の値下げとなると、総額では大きいものの、しかし契約者一人ひとりの実感としては小さいかもしれません。NHKは4年連続で過去最高の受信料収入を記録、さらに受信料徴収合憲判決によって受信契約者も増加しています。もう一声下げてくれるといいんですけどね。
NHKは受信料値下げを拒否してきただけではなく、A-CAS問題、ワンセグだけでテレビと同等の受信料を徴収している問題、粗悪な集金人がインセンティブ目当てで脅すように契約を迫っている問題など、いくつもの問題を抱えています。
NHKは盲目的に英BBCを模倣していますが、民営や国営ではダメなのか、そして格安な受信料の韓国放送公社や、寄付で運営する米PBSなども存在しています。これからの時代の公共放送の在り方を含め、国民的な議論が必要な時期だと思います。
個人的な見解としては、リアルタイムの放送自体は依然として重要ではありつつも、主役にはもうならないと思います。NHKオンデマンドを地上波受信料とのパッケージ内で解禁することや、NetflixなどのSVODサービスに番組を国内外に発信するなど、時代に合わせた大胆且つ柔軟な改革を希望します。
NHK受信料の値下げ https://t.co/dJqvHgHlJu
— すまほん!! (@sm_hn) 2018年10月12日