iPhone不振が鴻海に直撃。シャープとダイナブックは救世主になるか?

試されるホンハイ(Foxconn)

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 iPhoneの代理生産メーカーでありシャープの親会社、台湾・鴻海集団(Foxconn)。全世界の代理生産業が衰退、シャープ・ブランドの成長頭打ちと、ネガティブな話ばかりあがっています。

 シャープを如何にハイエンド路線の軌道に乗せるか、如何にモノのインターネット化のチャンスを掴むか、2019年は郭台銘らの経営能力と知恵が試される1年になると、中国・家電圏が伝えました。

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iPhone販売不振がホンハイに大打撃!

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 iPhone販売台数が伸び悩んでいる影響で、鴻海は来年、40%以上の支出カットを迫られていると言われています。鴻海内部でも、2019年は「非常に困難と競争に満ちた1年になる」との声があがっており、iPhone組み立て業務は60億元の支出削減の必要があり、10%の非技術人員の削減を計画、鴻海集団全体では34万人の人員削減を予定しているといいます。

 目下の鴻海の状況は、全世界電子産業の恐慌を反映しているのにとどまらず、中国自主ブランド電子製品の成長により、自主ブランドと自主市場に欠けた代理生産業という業態自体が苦境に追いやられていることを意味すると指摘します。

 2016年に鴻海が日本のシャープを買収した時点で、既に代理生産モデルの欠点と、まもなく「尻に火がつく」ことは見通しており、であるからこそ自己のブランドを持とうと考えたのだろうといいます。今年の状況も鴻海は予想していたはずであるものの、シャープが鴻海を救うカギになるかというと、そこまで簡単ではなさそうだとか。

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 成功するも失敗するもApple頼み。鴻海の成功はAppleと切っても切れないところであり、Appleの重要な代理生産企業として不断に発展し、鴻海は今日のような製造業の大企業に上り詰めたと指摘します。

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 ところが、皆様ご承知の通り、「ジョブズ後」のAppleはイノベーション性が右肩下がりとなり、さらに全世界の消費電子産業ハードウェアが「恐慌」を迎えている中、10年分の貯金を食い続け、スマホの「覇王」としての地位を守り難くなっているといいます。

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 今年Appleがリリースした3機種はどれも売れ行きが芳しく無く、2018Q1(1月~3月)にiPhoneXの生産が2,000万大減少、鴻海に大きな打撃を与えたといいます。

切り札シャープ、ホンハイ自らの手でブランドに傷?

  Appleがもたらした危機ばかりでなく、代理生産業の危機から救うと見られていたシャープも、問題が山積しているといいます。

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 低価格戦略によってシャープを「巨額損失」から抜け出させることには成功したものの、新たな局面を迎えているとか。鴻海によるここ2年間の低価格戦略は、シャープのハイエンドブランドプレミアムを毀損し、製品品質問題もユーザーの唾棄するところになったとか。

 ハイエンド、ミドルレンジ市場では中国大陸のハイセンス、創維、TCLなどのブランドに押され、ローエンド市場でも小米、酷開、PPTVなどインターネットテレビの猛攻を受ける「挟み撃ち」の中で、シャープはテレビ市場での根本的な復活に失敗したといいます。

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 過去2年のシャープのテレビ戦略は、鴻海の代理生産からブランドへの転換戦略に反するものだったと指摘します。「高級ブランドを安く売る」作戦は、ハイエンドブランドの価値を侵食しつづけるものだったと。

安売りすべきでない東芝PC事業

 シャープの協力によって、東芝ノートPC事業の買収にも成功したものの、「世界の工場」という発想から、シャープや東芝のような海外高級ブランドをいじるのは、「フカヒレをハルサメとして売る」ような、間違った安売りではないかと指摘します。

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 現在、鴻海の前にはっきりした選択肢として、工業のインターネット化、ロボット化によるコスト削減があるといいます。製造業という角度から見ると、鴻海のやり方はハイアールや美的など中国企業のあとを追いかけているそうです。

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 シャープ、東芝と、日本を代表してきたブランドを次々と買収している鴻海ですが、「代理生産業からブランド化へ」という道は、そう簡単に切り開けるものではないようですね。そもそも、シャープと東芝PC自体、「高級ブランド」だったかと言われると、「うーん」と少し考え込んでしまうところではありますが。