レノボが12月18日に新製品ラインナップを発表、中でもフラッグシップ「Lenovo Z5 Pro GT」は、「世界初となるSnapdragon 855搭載」、「実行メモリ12GB選択可」、「画面占有率95.06%」という、ノートPCそこのけの超ハイスペックを誇りながらも、価格は2698元からと、なかなかリーズナブル。「51cm砲を積んだ巡洋艦」という印象です。撃ったら転覆するのではと、少し心配してしまいますが、不安点はそれだけではないようです。
「Snapdragon 855の供給は大丈夫なのか?」「できたとして、レノボは製品量産が可能なのか」との疑問が、捜狐科技の記事で投げかけられていました。レノボは1月15日に予約開始、1月24日に発売と発表していますが、そんなに簡単に「世界初」を並み居る大手スマホメーカーから奪えるのか?
スナップドラゴン供給元のクアルコムは、フラッグシップチップの分配について以前、次のような立場を表明しているそうです。「すべてのスマホメーカーを一視同仁、おなじように見ており、一部のメーカーにチップを独占供給し、最初の発売を確保するものではない。スマホがいつ発売されるかはメーカー自身の更新テンポ、サプライチェーン、市場営業販売計画など、自身の状況によるものである」と。
ここ数年の状況から見るに、全世界で最初にスナドラのフラッグシップチップ搭載モデルを発売するのは、一般にSamsungのGalaxyシリーズ新機種だと指摘します。まず、Samsungは強大なサプライチェーン能力を有しており、最短時間内での量産・製品供給が可能であり、またSamsungは世界最大のスマホメーカーであることから、自身の指導的な立場を維持する必要があることから、戦略上も最初に供給してくる、といいます。
中国メーカーだと、小米は一般にSamsungのすぐ後を追って製品を発表、OVは製品ポジションの問題から、フラッグシップの切り替え時期は比較的遅く、コスパ命の一加は5月が製品切り替え時期だそうです。
スナップドラゴン845の製品発売時期を見てみると、Samsung Galaxy S9は2月25日、小米 Mix 2S は3月27日。1月にスナップドラゴン855搭載の新機種、しかもメーカーは、スマホ事業が脆弱なレノボとなると、次の2つの疑問が浮かび上がってくるといいます。
- クアルコムは、1月に大量の855チップをレノボに供給できるのか?
- できたとして、レノボは量産・製品供給可能なのか?
今に至るまで、スマホ業界をリードしているSamsungのGalaxy S10は具体的な情報がなく、小米Mix3は発売されたばかりで売れまくっているところ、一加 6T もオリジナル版が出たばかり、845の予熱も冷めやらぬところへ、レノボが855フラッグシップで突撃をかけ、量産発売をしようとして、大丈夫なのか?
たしかに、そもそもの855チップ大量供給という時点で、かなり「大丈夫か?」な感がありますね。
大艦巨砲主義なスペックと、性急な発売時期、どうやらレノボZ5 Pro 855版は、ほんとうに色んな意味で「見どころ満載」なようで、来年1月が楽しみですね。