中国家電メーカーのスマホ、いつ滅亡する? すまほん!!

 世界的にスマホブランドの淘汰が進んでいる昨今ですが、日本でも液晶テレビを販売しているTCLやハイセンス(海信)といった中国家電メーカーのスマホが、核心競争力と技術優勢の欠如から、進退窮まりつつあると、中国誌「財経」が伝えました。

 「家電メーカーがスマホって……洗濯機でも作ってろよ」と、まず思うところですがよくよく考えると、シャープ、パナソニックや東芝もスマホを出して………うん、シャープはまだしもとしても、やはり冷蔵庫でも作っていたほうがいいようですね。ともかく、中国家電メーカースマホの現状についてお伝えします。

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TCL、格力、ハイセンス……家電メーカーのスマホに未来はあるか?

今や見る影もない中国家電メーカー製スマホ

 まず、液晶テレビは世界各国の市場で受け入れられているTCL。かつては世界5大スマホメーカーに食い込んだこともありますが、2018年12月、損失が巨大な端末業務の切り離しを決定、合計47.6億元で、TCLホールディングスへ9社の関係株式を売却したといいます。

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 また、世界最大級の住宅空調メーカー、格力(Gree)のスマホは浮かび上がることもなく、同社機種の「二代」と「色界」、あわせても20万台しか売れていないというデータもあるとか。なお、昨年7月には、格力が空調施工業者に格力のスマホを押し売りしているとの報道が、南方都市報からありました。

 僅か3年前の2015年、TCLの海外販売台数は中国国内1位、華為(Huawei)・小米(Xiaomi)・OPPO・vivoを引き離す存在で、グリーの董事長・董明珠は小米打倒を掲げ、雷軍と10億元賭けてやると豪語していたといいます。

 この自信満々から一転、家電ブランドのスマホはまとめて消滅しようとしているそうです。

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 2018年のハイセンス、ハイアール、康佳などの家電ブランドスマホの出荷台数は、市場シェアが1%を切り、今ではオフラインの小売現場でこれらブランドの影を見かけるに過ぎず、主に1,000元前後の老人モデルだとか。

家電メーカーの携帯端末、かつては勢いあった

 2004年、中国国内テレビ販売台数首位のTCLは、フランス電気通信大手・アルカテルの携帯電話事業を買収して海外市場進出の門を開き、また、中国家電携帯電話の短い黄金時代の幕開けになったそうです。

 従来型携帯電話の時代、家電大手の携帯電話事業は、天然的な優勢があったとか。家電製品と同じように、従来型携帯電話はブランドを貼り付ける代理生産の商売であり、技術障壁や製造コストはいずれも高くなく、さらに家電大手は長年のオフラインチャネル能力を蓄積しており、家電ブランドを主とする中国国産携帯電話は、一度は市場の半分を占めたといいます。

 2003年、家電携帯電話の中国国内市場シェアは55.7%を占め、初めて海外ブランドを超過。そのうち、TCL、光波導と、テレビ業界の大手・康佳で市場の30%を分け合ったとか。

家電メーカーの常識もはや通じず

 ある、携帯電話産業の二級市場を観察し続けている投資関係者は「財経」誌の取材に対し、従来型携帯電話は販売チャネルさえあって、広告を出せば簡単に売れた。ところがスマホ時代になり、小米を主とするインターネットスマホは既に従来型販売モデルを打ち破り、チャネルはこれら家電ブランドの優勢ではなくなった、と指摘しました。

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  また、スマートフォンは技術面でも、製品交換速度も早く、全体のサプライチェーンやルールが根本的に変わったことも、見過ごせません。

 しかし、多くの家電企業にとって、核心事業と比べ、スマホはリスクを避けた拡張性事業として見られており、既にこのような速い変化と市場競争についていけなくなったといいます。

  今年に到って、中国スマホ製品の平均値崩れ周期は7ヶ月となり、新製品は3~4ヶ月で複製されてしまうため、製品の生命周期はますます短くなっているとか。それと比べると、家電業界の製品更新は依然として緩慢であり、空調を例に取ると、1つの新製品の生命周期は3~4年程度だといいます。同じノリでスマホをやるのはとても無理ですね。

 前出の投資関係者によると、大部分の家電メーカーは、ほんとうの意味での研究開発をしておらず、依然として従来型携帯電話時代の古い思考回路で、部品組み立て後に自分の販売チャネルで販売しているとか。

 結果として、大部分の家電メーカーは大規模な資金を投入しながらも、販売台数は一向に伸びず、主要業務の利益を圧迫し、スマホ事業がますます重荷になっているのだといいます。

進む寡占化、生存困難

 2015年TCLは8354.6万台の販売台数で世界5大スマホメーカーとなったものの、OPPO、vivo、華為、小米が相次いで勃興し、1年にもならないうちに販売台数が急降下、連年赤字状態に。2016年TCLは通年で8億元の赤字を出し、2017年上半期には、8億元を超える赤字に。

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 寡頭独占と激烈な市場競争により、スマホは既に典型的な資本密集型の産業になっており、誰でもできるものではなくなった、といいます。

 業界内の普遍的な予想として、スマホ業界の寡頭局面はさらに加速すると見られています。

 中国市場での上位5メーカーの市場販売台数シェアは2015年から増加し始め、60%から2017年末には85%、中国信通院のデータによると、この数字は2018年には91%に達したといいます。

 これは、今後の市場では3,4線ブランドにほとんど生存空間が残されていないことを意味すると指摘します。ある分析師は「財経」の取材に対し、差異化競争のためには各メーカーの技術能力を突出させる必要があり、多くのスマホ大手は既に設計をODMメーカーから自社に戻しており、ODMモデルは既に過去のものとなっている、と答えたそうです。

  上位5社のスマホ大手がしのぎを削る一方、家電スマホは方向性すら定まらないといいます。販売台数、サプライチェーンの制限があり、家電メーカーは技術上のイノベーションを起こすことが難しく、依然としてODMの道を歩み続けているだけ、だと。

敵を侮っていた格力

  多くの業界関係者が「財経」誌の取材に対して、家電メーカーが携帯電話を作っていたとき、製品のポジションとはなにかについて、しっかりと考えていなかった、と答えたそうです。

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 格力集団は2014年の年報のなかで、スマホを作るのはリンクと、スマート家電をコントロールする端末を握り、スマート家電人口を獲得するためとしていたそうです。2015年1月、同社董事長の董明珠は「格力がスマホをやれば、小米は秒殺だ」と豪語していたとか。

 これが2015年前後に大部分の家電大手がスマホ市場に参入した原因であり、格力のあと、2016年、国美電器はスマートフォン市場への参入を高らかに宣言したものの、いまだ製品ポジションは定まっていないといいます。

我慢しながらも事業継続、理由は「『スマート家電の入り口』死守」?

 2015年のスマートフォン業界再編後、家電ブランドは急転直下となったとか。

 いまのところ、TCLが端末業務を分離したほか、ハイセンス、康佳を含む家電メーカーは依然としてスマホ業務を維持しているものの、多くは儲けにならないミドルレンジ・ローエンドモデルだといいます。

 スマート家具の入り口を死守する、これが家電メーカーが我慢をしてスマホを作っている主な原因だとか。

 しかし、ある業界関係者は「財経」誌の取材に対し、スマート家具が始められたとして、操作システム(OSやアプリなどソフトウェア)こそが核心であり、製品は操作システムに接続して初めて価値があるものであり、スマホでもって自社の家具製品を操作するわけではない、との考えを示したと言います。

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総評

 曖昧模糊とした製品ポジション、核心競争力と技術優勢の欠如、家電スマホに残された時間は、既に多くない、として記事は終わっています。

 つい3,4年前には「製品開発は鴻海に丸投げで、資金力さえあればどこでもスマホ事業が展開できる」ともてはやされたものですが、既にその時代は終わり、「一斉淘汰」の段階に入ったようですね。

 それにしても、「スマート家具の入り口」として家電各社はスマホ事業を持っているものの、「重要なのは操作システムであって、スマホというハードウェアで操作するわけではない」との指摘、ソニーはどう考えているのか聞いてみたいです。