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違法DL拡大に政治攻防、情報錯綜

 複数の関係者筋を情報源として産経新聞が本日朝報じたところによると、文化庁の違法ダウンロード拡大を含む著作権法改正案について、自民党総務会で了承を見送り、違法ダウンロードに関する項目を削除する方針を固めたと報じました。

 文化庁が短期間で進めている著作権法改正案。先月の文化審議会著作権分科会の賛成意見を分割し賛成多数であるかのように水増しするなど、政治家を騙すような資料を自民党に提出し、批判が高まっていますが、当事者である漫画家からの強い反対にも関わらず成立に向けて進んでいます。

 昨日、自民党内にも反対意見・慎重論が根強いのに対し、甘利明元経済財政担当相が「政治論としての判断」として反対論を押し切ったと朝日新聞が報じたばかり。

 産経新聞曰く、6日夜、総務会メンバーで超党派のMANGA議連会長を務める古屋圭司元国家公安委員長に、安倍晋三首相が電話協議にて該当項目の削除を指示したとしています。

 この産経新聞報道について、3月8日午前の菅義偉官房長官は、安倍総理が削除を指示したかとの質問に対し、「総理から指示したという事実があったとは全く承知していません。今後改正については法案の国会提出を目指し、著作権を侵害しているコンテンツのダウンロードを違法化する範囲拡大を含め、引き続き文部科学省において与党その他関係者と調整を続けていると承知しています」と回答。依然として予断を許さない状況です。

 さらに共同通信によれば本日、自民党の加藤勝信総務会長が記者会見で、違法DL拡大について「『ユーザーの自由が大きく制約される』との懸念を踏まえて再検討すべきだ」と述べたとのこと。情報が錯綜、党内でも異論が噴出していることが伺えます。今後も駆け引きにより、どう転ぶか掴めません。

 静止画などあらゆる分野に違法ダウンロードが拡大する著作権法改正案が、いかにおかしなものか、詳細はこちらの記事を御覧ください。漫画の創作や研究、国民生活に甚大な萎縮効果を与えるばかりで、漫画村など肝心の海賊版サイトには効果がなく、プリントアウトなら合法(どうやってダウンロードせずに印刷するのか、紙資源の無駄ではないのか、意味不明)など、滅茶苦茶な法案となっています。

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