日本でも知名度の高い中国を代表するスマホブランドの、華為(Huawei)と小米(Xiaomi)。ライバル関係であることはもちろん、小米の伝説的な創業者・雷軍CEOが持ち前の煽り耐性の低さから微博で華為のサブブランド栄耀(Honor)の総裁とレスバトルを始めたり、栄耀叩きのステマ記事を量産してみたりと、スマホ業界の好対戦カードになっています。
このほど、小米・雷軍による「華為は研究開発を理解していない、カネをかければいいというものではない」との1年前の発言が発掘されて炎上、小米側が微博(Weibo)で釈明する事態に。それに続いてネット上で「小米はなぜ華為に勝てないのか」というニュースが大量に出現、またも「煽りあい」の様相を呈しています。
中国AI財経社によると、近日問題になった雷軍による昨年のMi 6X発表会での発言の全文は次の通り。
「私自身技術屋で、過去2年のスマホ研究開発は私が手がけたもので、私はずっと研究開発をやってきた。研究開発費用の本質は、多ければ多いほどいいというものではない。もし多ければ多いほどいいなら、マイクロソフトは日の沈まぬ帝国になるではないか?実際のところ、ほとんどすべての重大なイノベーションはみな、小さな会社がやったものだ。検索エンジンは(規模がとても小さな頃の)グーグルがやったものではないか?見たまえ、アップルの研究開発費用の比率は非常に低い、マイクロソフトは非常に高い、IBMは非常に高い、役に立たない」
「私は華為の(研究開発費用の率は10%以上を維持しなければならない)という言い方には同意しない。私は、彼らは研究開発を理解していない、(幹部が自分で)研究開発をしていないと思う。我々小米の創業者は、いずれも研究開発のバックボーンがある、我々は一生研究開発をやっている。研究開発をやるには、カネがなければいけない、しかし、ある企業(華為)が機械的に理解しているように、10%を研究開発に投入すればいいというものではない、あれはデタラメだ。当時、ジョブスはこれを鼻で笑ったものだ、当時アップルは2%を研究開発に投入していた。マイクロソフトはいくら投じていた?IBMはいくら投じていた?彼らはアップルはイノベーションがないといっていた。ジョブズは、それは彼らの効率が低すぎるからだと言ったものだ」
この中の、「華為は研究開発を理解していない、カネをかければいいというものではない」との部分が炎上したわけですが、これに対して小米の公関部総経理は「部分的に切り取らないよう」と微博で呼びかけました。なお、小米の2018年研究開発費は58億元、一方の華為は同年1,000億元を突破し、2019年のコンシューマー業務での研究開発費は60億ドルに迫る、とのことです。
雷軍の発言にも一理あるような気もしますが、「いいから小米もちゃんとカネ使えよ」というツッコミは不可避でしょう。と、これで終わらないのが中国スマホ業界の面白いところ。
ここ数日、雷軍を煽ってるとしか思えないニュース記事がやたらに登場しています。
雷軍の華為煽り発言との関連は不明ですが、同じようなタイトルの記事が、いずれも4月22日の夜に集中しているのは、なんだか偶然ではないような気がしてしまいますね。ただ、この記事の効果、「雷軍が見たらきっとまた発狂するぜw」という以上になにもなさそうな気がしますね。以上、中国スマホ業界の煽りあいについてお伝えしました。