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LG「携帯電話事業の象徴」中国本部ビル売却、これまでの歴史を振り返る

 スマホブランドの栄枯盛衰は、「5年前の人気ブランドが今や死に体」ということもある競争の激しさを見せていますが、韓国LGも最近元気のないメーカーの一つ。

 北京駅近くの一等地、東京で言えば丸の内や日比谷に相当する建国門外に聳えるツインタワー「 LG 双子座大厦」。LG携帯電話黄金時代の象徴とも言われる韓国LGの中国本社ビルが今月、シンガポール政府系の投資会社に売却されたと、「韓国時報」報道をもとに中国「雷鋒網」が伝えました。

中国本部ビル売却から振り返るLG携帯事業

15年間を象徴

 LG 双子座大厦は2002年にLG社が中国本部ビルとして4億ドルを投じて建築、2005年完成。地上30階、地下4階、オフィスビルと商業ビルとして利用されているとのこと。

 今回、売却価格は11.5億ドルだそうです。

 雷鋒網は、LG 双子座大厦が完成してからの15年間は、LGの中国携帯電話事業が始まり、終わった期間でもあったと指摘。LG携帯電話事業は既に中国市場から撤退、この度本部ビルも売却し、LGと中国市場との結びつきは、ますます少なくなったといいます。

 ビルを売却した原因について、LGはグローバル経済の不確定性を背景として、流動性を確保し、未来の成長エンジンに資金を提供するためと説明。これにはネット上で、「LGはカネに困っている」とささやかれているとか。まあ、LGの説明を日常的な表現に翻訳すると、そうなるでしょうね。

「5年連続スマホ赤字」も事業は存続

 ここ5年間の財務レポートによると、2015-2019年の間、営業収入は黒字の状態が続いているものの、最新のレポートを見ると、収益の成長が鈍っていることが見て取れるといいます。2019年の年報によると、同年度通年での営業利益は20.7億ドル、前年同期比10%減になっているとのこと。

 セグメント別に見ると、モバイル通信事業で損失を計上しているのを除き、他の事業はいずれも黒字を実現しており、モバイル通信事業での損失は8.58億ドルだそうですが、これはなんと19四半期連続の赤字だそうです。あと1期で丸5年になる、というのは凄まじいですね。

 LGは携帯電話事業から撤退することはないと再三表明しており、2019年初のCESでも、前CEO喬晟金が、「赤字のスマホ事業を継続する。なぜなら我社のIoTエコシステムにとって非常に重要だからだ。LGの事業は自動車と家電部門を含み、これらはみなスマホと関係がある。よって、我々はスマホ事業からの撤退を考えることはない」とコメントしているそうです。どこも考えることは同じですね。

 LGは「成長エンジンへの資金提供」を中国本部ビル売却の理由としていますが、その「成長」に携帯電話事業が含まれるかは疑問だといいます。

2009年には世界3位のメーカーに君臨

 今回売却された中国本部が完成した2005年11月、LGは一世を風靡した「チョコレート」携帯電話を発売。韓国ハイエンド携帯電話市場の3分の1を抑えるとともに、チョコレートの世界戦略を制定、中国市場をグローバル展開の第一歩としたそうです。

 1年以内にチョコレートは中国での販売台数が60万台に達し、ハイエンドブランドとして認知を得るのに成功。2009年、LGは前年の販売台数が1億70万台に達し、モトローラ、ソニーエリクソンを追い抜いて、ノキア、サムスンに続く世界第3位になったと宣言したといいます。

 10年前のランキングですが、この面々、サムスンを除いて完全に入れ替わっていますね……。

スマホシフトに躓く

 まさにLGが世界3大携帯電話メーカーとなったこの年、携帯電話業界はひっそりと、重大な変革、スマートフォンへの移行が始まろうとしていました。

 しかしLGはこの流れに気づくことなく、2009-2011年にリリースした機種はほとんどが従来型携帯電話。しかも、OSの選択でも失敗を繰り返したと指摘します。

 2009年、LGが主に採用したのはWindows Mobile 6.5 と、通信キャリア世界最大手・中国移動が主導する「OMS」。「OMS」は2010年上半期には有名無実化し、LGは犠牲になったといいます。また、 Windows Mobileは、2011年にようやく手を切ったとか。

 あの頃の、今の感覚で言えばあまりスマートじゃないスマートフォン、懐かしいですね。

2010年代

 2011年になると、LGの中国市場での業績は右肩下がり、同年1月にはLGスマホの中国事業責任者が中国市場での赤字継続などの理由で辞任したそうです。9月にはLG中国のスマホ事業部門で人員の爆発的な流出が発生したといいます。

 2012年下半期、LGの中国市場での製品ラインナップはほぼ枯渇したものの、なんといっても中国は世界最大のスマホ市場なので、そう簡単に放棄することはありませんでした。

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(左:Optimus G, 右:LG G2)

 4G LTEでLGは再度中国市場に機会を見出し、2013年9月23日、LGは新製品G2を引っさげて中国市場へ復帰、4Gスマホで中国市場の先進的地位を奪回すると豪語したものの、当時中国のスマホ市場は既に国内の強豪も出現し、LGの「豪語」は実現できなかったといいます。

総評

 以上、LG中国本部ビルと、それとともに歩み続けたLGの中国スマホ事業のこれまでを、雷鋒網の記事をもとにご紹介しました。

 前回は4Gで中国市場反攻をかけ失敗、今回の5Gでは反攻どころか中国本部売却に踏み切ったという対比は、感慨深いものがあります。これは勝負を降りたようにも見えますね。

 日本国内でも使いやすいいい機種を出していたのですが、「G2が2013年発売」と見ると、「そんなに昔の話なのか」と、少し驚きます。同じ時期に登場した小米が今や世界5大メーカーとなっていますが、この5G時代、新たなメーカーが勃興することはあるのでしょうか。最近はスマホメーカーが「淘汰」段階に入っているように見えますが、はてさて?

情報元雷锋网
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