SamsungがAMDのグラフィックス技術を採用したArmプロセッサ「Exynos 2200(仮称)」を開発、それを搭載したWindows PCを2021年下半期に発売する予定だとZDNet Koreaが伝えました。
SamsungはWindows on Arm PCをすでに販売していますが、それらはすべてQualcommの「Snapdragon」シリーズのプロセッサを搭載。一方で今回伝えられたExynos 2200搭載PCでは、プロセッサ、ディスプレイ、ストレージ、メモリ、バッテリーといったPCの主要部品を、Samsungグループ内で調達することにより価格競争力を確保。
また、IntelやQualcommといったプロセッサ供給会社のスケジュールに囚われず、必要な時期に必要なパフォーマンスのプロセッサを搭載可能になるという点に大きな意味があるとZDNet Koreaは述べています。
さらに同メディアは、仕様や機能の詳細は不明としつつも、匿名の関係者からの情報ではGalaxy Book Sと似た形のスリムなノートPCになるようだと伝えています。
Galaxy Book Sの重量は0.96kgと軽量、バッテリー持ちも理論値最大23時間の連続ビデオ再生が可能と良好。どれほど性能が向上するかはわかりませんが、ここにAMDの技術が加われば非常に魅力的な1台になりそうです。
また、Samsung関連で高い精度を誇るリーカーのIce universe氏が、TwitterにてSamsungがAMDの技術を用いたGPUを6月にリリースするとツイート。今回伝えられた情報と合致しています。
Samsung is tentatively scheduled to release Samsung × AMD GPU in June to showcase new technologies and specifications, but only to release GPU, the processor needs to wait.
— Ice universe (@UniverseIce) 2021年2月23日
Samsungは2019年にAMDとの協業を発表していましたが、その技術を搭載した製品は未発表。M1 Macの登場、その価格性能比や電力性能比の高さなどからArmプロセッサへの注目度が高まっている今が投入の好機だと判断したのでしょうか。
今回伝えられた情報のほか、MicrosoftがArmプロセッサを自社開発しているという噂や、QualcommがWindows向けのハイエンドArmプロセッサを開発しているという噂もあります。現在、Windows向けのArmプロセッサは事実上Qualcommが独占、またWindows on ArmとM1 Macのパフォーマンス差が課題となっていますが、競争が活発になることでそうした状況が大きく動くことになるかもしれません。