AR(拡張現実)を拡張した芸術作品が多数登場する国際芸術展覧会「東京ビエンナーレ2020/2021」が7月10日より開催されます。
東京ビエンナーレ2020/2021では、東京の街中に様々なARアート作品が登場する中で、今回最もキャッチーで知名度の高いIP「進撃の巨人」を用いた作品を、特別協賛のSoftBankが報道関係者向けに先行紹介しました。開催は東京駅前。作品観覧には有料チケットが必要ですが進撃の巨人ARは無料。
ソフトバンクの「AR SQUARE」アプリを通じ、スマートフォンの画面上にARで再現された巨人が動きます。開発はAR三兄弟の川田十夢氏が携わります。
今回展示された進撃の巨人をテーマとしたAR作品は「野球編」「体操編」の2種類。国土交通省の3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU」のデータを活用します。迫力があるというよりかはユーモラスでクスリと笑える作品に仕上がっています。
SoftBankとしてはこれまでARで攻められていなかったアートの領域への挑戦となります。現地でSoftBankのAR事業を進める公文悠貴氏に話を伺いました。
体操編では、その名の通り巨人がラジオ体操を行います。人間から巨人になった時にウォーミングアップが必要だろうとの素朴な着想から。
また、野球編は、砲丸投げのように岩を投擲する獣の巨人もまた練習が必要だろうと、その光景をイメージしたもの。
どちらも原作を楽しむ間に浮かぶ疑問からうまく想像を膨らませた原作準拠の作品ではありながらも、世界観としては「ギリギリを攻めている」と言える今回の試みですが、もちろん芸術ということで制作委員会にもお墨付きを得ているそうです。
さて、気になるのが携帯事業者とARの関係。NTTドコモはMR端末「Magic Leap 1(マジックリープワン)、KDDIはAR端末「NrealLight(エンリアルライト)」といったXRグラスを販売しています。SoftBankは同種のXR端末を扱うのか?
SoftBankとしても以前バスケットボール観戦にNrealデバイスを用いるなど取り組んではきたものの、幅広く検討しており現時点で決まったものはなし。ドコモは法人向け・開発者向けの色合いが強いところですが、SoftBankとしてはAR分野は個人消費者向けを意識しているといいます。ということは今後のAR関連のコンテンツや端末にも期待できそうなところ。
東京ビエンナーレ2020/2021ではこのほかにも、大手町パークビルディングと東京駅前エリアではAR三兄弟の「都市と経験のスケール」(こちらも鑑賞無料)が展開されるほか、新有楽町ビルでは椿昇氏の「TOKYO BUDDHA」、万世橋中央では山縣良和氏の「Small Mountain in Tokyo」、吾妻橋では宇川直宏氏の「DOMMUNE | THE 100 JAPANESE COMTEMPORARY ARTISTS」などを展開。
開催期間は7月10日から9月5日まで。東京ビエンナーレの詳細やチケット購入は公式サイトより。