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秋の音色。BQEYZ Autumn レビュー

 有線イヤホン「BQEYZ Autumn (ビーキューアイズ オータム)」を、BQEYZより提供していただいたのでレビューします。

 Winter、Spring、Summerといった季節の名を冠したイヤホンをリリースしているBQEYZですが、本機は秋、Autumnです。

 金属筐体が非常に高級感があり、紫色も個性的です。装着感は良好で耳にぴったりハマりました。

 接続はアンバランス3.5mmのほか、2.5mmや4.4mmからも選択可能。今回は4.4mmバランス接続にて試しました。

 大口径13mmダイナミックドライバーを搭載。音の傾向はフラットでさっぱりしています。リスニング寄りでどちらかといえば寒色ですが濃厚さもあります。

 価格帯にしては解像感が高く、高域も控えめながら十分、中域には適度な空気感やヌケ感のようなスッキリした印象を受け、どちらも粒立ち良く各音が鳴ってくれます。低域。本機の低域は淡々と鳴らしながらも芯が太く、中高音域の個性を下支えするには十分ですが、若干ボワついた印象もあります。

 金属楽器などは綺羅びやかに余韻が長く続く感じではなく、やや乾いていてすっと消えて行く感じが顕著。楽曲を選ぶ機種だなと思います。元気な楽曲を聴くと派手さが足りず、軽い音に感じて不満が出る場合もあるように感じます。

 しかしそれこそが本機の本領です。肌寒くなる秋以降の曲、失恋曲やバラードを聴いてみて下さい。本機の特性がぴったりとマッチ。寂しい感じの音質傾向から胸が引き締められる想いがします。

 通気孔の磁石が着脱可能となっており、Silver(Treble 高域)・Gold(Normal)・Gray(BASS 低域)に入れ替えられるのが魅力です。

 この手の音質を変更できる製品といえば、特定ドライバーのオン/オフスイッチを備えるものがあるのですが、しばしば酷い音になって聞くに堪えない場合もあります。本機はそのような露骨な違和感は生じません。聴くに耐える水準の音を維持しつつ、傾向を手軽に変えられるのは率直に面白いです。Silverでは低域を抑え中高音域に没入でき、BASSでは低音域の量感を増やせます。個人的には中低音の沈み込み、深さのより感じられるBASSが好みでした。

 冬の寒さを予感させる秋の乾いた空気を想起させる、絶妙な音響調整の塩梅を感じます。単なる音質評価の粋を超えた、季節に合わせた感性に訴えるコンセプト製品です。そのように製品特性を理解した上で、割り切って買えば大きな満足考えられるでしょう。秋に使いたいイヤホン最筆頭と言えます。

 ちなみにAmazon Audibleで低い渋めの声の男性声優やアナウンサーが本を読み上げてくれる場合、ちょうど解像感の低さから渋みや威厳が損なわれます。また、電気抵抗が足りずホワイトノイズがあるため、朗読の場合は無音時間も多く、全く向かない分野です。こうした点を解消したモデルがあると、「まさに秋の定番はこれ、新しい秋の読書スタイルにも対応です!」と謳えるので、さらに面白い企画製品になるのではないかと思います。

 OEMで磨き上げてきた実力を活かし、製品コンセプトも独創的なBQEYZ。今後の新製品に期待したいです。

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