Apple Watchのタフネスかつ最上位モデルであるApple Watch Ultra。その次世代モデルには、液晶ディスプレイと有機ELに続く第3の映像表示方式として知られるmicroLEDを搭載するのではないかとうわさされていましたが、どうやら搭載が先送りになりそうです。GSMArenaが伝えました。
伝えられたところによれば、Appleはオーストリア企業のams-Osramに対して、Apple Watch Ultra 3向けとみられるmicroLEDの大規模な注文をキャンセルしたとみられるとのこと。
オスラムはプレスリリース上で、今後のマイクロLEDを支えるプロジェクトが予期せずキャンセルされ、戦略を再評価するきっかけが生まれたと述べており、Appleに明るいアナリストのMing Chi-Kuo氏もこれに同調。Apple Watch UltraにmicroLEDを搭載するプロジェクトはキャンセルされたと主張しました。
Apple Micro LED update:
1. My latest survey indicates that Apple has canceled the Micro LED Apple Watch projects because Apple thinks that Micro LED can’t add significant value to this product, and the production costs are too high to make it economically viable.
2. Apple has…
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) March 1, 2024
同氏は付け加えて、microLEDディスプレイを採用しても製品に大きな価値を生まないという理由で、AppleはすべてのmicroLEDにかかわるプロジェクトを中止したと投稿しています。
一方、こちらもApple関連のリークではおなじみのブルームバーグ記者、Murk Gurman氏が伝えたところによれば、ams-Osramは数あるmicroLEDのサプライヤーの一つに過ぎないとし、microLEDを搭載するプロジェクトはいまだ進行中であると、Ming Chi-Kuo氏の意見に真っ向から対立する主張を行っており、情報は錯綜しています。
microLEDは、先述の通り液晶やその派生であるminiLEDとは異なる表示方式であるディスプレイ。有機ELと液晶のいいとこどりをさらに進めたような形式で、ごく小さいRGBのLEDを点灯させる仕組みです。有機ELのようにそれぞれが自ら発光することから、コントラスト、つまり黒を黒色として表現する能力に優れ、またLEDが発光することにより液晶のように輝度を上げやすく、焼き付きが少ないというメリットを持ちますが、製造コストが高いという普及前期あるあるな問題を抱えています。
Appleは、まずはApple Watch、そこからiPadにiPhone、最終的にMacBookという順序で、microLED搭載デバイスを増やしていくのではないかと噂されています。