縦折りスマホのライバルを比較!
筆者は普段、縦折りスマホ「Galaxy Z Flip6」を使用しています。自撮りが綺麗に撮れるし、半折りでスタンド代わりにもなるので気に入っているのですが、最近motorolaから「razr 50」という新しい製品が登場しました。
実際に購入して使ってみたので、Galaxy Z Flip6と比較レビューしてみます。
Galaxy Z Flip6の特徴
Galaxy Z Flip6は前モデルのGalaxy Z Flip5と比べると大きな変更点は少ないですが、バッテリー持ちやカメラ性能、SoCを強化しています。
razr 50はGalaxy Z Flip6と比べるとSoC性能は低いですが、バッテリー容量やリフレッシュレートなど、勝る点が多くあります。サブディスプレイはGalaxy Z Flip6より若干大きく、視認性は高いです。
比較すると以下の通り。
仕様 | Galaxy Z Flip6 | razr 50 |
---|---|---|
メインディスプレイ | 6.7型 | 6.9型 |
サブディスプレイ | 3.4型 | 3.6型 |
リフレッシュレート (メイン/サブ) |
120Hz/90Hz | 120Hz/90Hz |
重さ | 187g | 188g |
SoC | Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy |
MediaTek Dimensity 7300X |
バッテリー容量 | 4000mAh | 4200mAh |
カメラ (広角/超広角) |
5000万画素/1200万画素 | 5000万画素/1300万画素 |
防水防塵 | IPX8, IP4X | IPX8 |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
価格(税込) | 15万9700円〜 | 13万5800円〜 |
Galaxy Z Flip6とrazr 50の外観
さっそく両機種の外観からチェックしていきます。
Galaxy Z Flip6は前モデル同様角張った形状。カメラの縁部分が塗装されており、背面のカラーと同一の色になっています。アルミ素材なので持つとひんやり感じます。
razr 50はGalaxy Z Flip 6よりわずかに大きく、丸みを帯びた形状です。ヴィーガンレザーが採用されており、持ったときにグリップが効くので落としにくくなっています。
両機種とも隙間なく折りたたむことが可能です。
折り目に関してはrazr 50のほうが若干ながら目立ちやすい印象ですが、本当に微々たる差。普段使いで気になることはありません。
角度調整に関してはGalaxy Z Flip6のほうがやや勝るといった感じ。かなり浅い角度でも保持してくれますが、razr 50も十分健闘してくれます。
折り曲げ部分の作りが多少異なっており、razr 50は設計を簡素化することで防塵性能を上げているようで、開いたときの感触がGalaxy Z Flip6とは異なり、表現が難しいですがかなり勢いよく開きます。Galaxy Z Flip6のほうがより滑らかというか、スムーズな動きのような気がします。
サブディスプレイに関してはrazr 50のほうが本体サイズが大きい分使える領域も広いです。ただ、アプリを起動するとわずかながらGalaxy Z Flip6のほうが大きく表示されます。razr 50は端末の上半分にもヴィーガンレザーが貼られているため、縦方向の表示に影響を与えています。動画などを再生してみるとどちらも同じ表示サイズです。
性能を比較
Galaxy Z Flip6はSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載。motorola razr 50のSoCははMediaTek製 Dimensity 7300Xです。
メモリはどちらも12GB、ストレージは256GBとなっています。以下、ベンチマーク測定結果です。
機種 | Antutu | Geekbench 6 CPU Single | Geekbench 6 CPU Multi | Geekbench 6 GPU |
---|---|---|---|---|
Galaxy Z Flip 6 | 1294181 | 2096 | 6098 | 11173 |
razr 50 | 693402 | 1016 | 2974 | 2568 |
数値的にはCPU、GPUともにGalaxy Z Flip6のほうが高い結果となりました。とはいっても、普段使いに置いての動作はどちらも差はありません。
Galaxy Z Flip6で「原神」をプレイ。計測アプリ「TakoStats」を用いて最高画質+60fpsで30分ほど砂漠でマラソンをしてみます。約46fpsほどで推移していました。元素爆発などの重いエフェクトの描写時にはわずかにカクつきが発生。また長時間プレイしているとたまにカクつきが起きます。熱制御が顕著なので、その際はフレームレートが落ちますね。ハイエンドSoCを搭載している割には、とても快適とは言えない印象でした。
razr 50はミドルクラスの性能なのでそもそも最高設定は不向きです。グラフィック設定は中、30fpsだと快適にプレイ可能。こちらも負荷の高いエフェクト描写時にフレームレートが下がります。
グラフィック性能が要求されるゲームをプレイしたい場合はGalaxy Z Flip6一択でしょう。
カメラ性能
スペック場は両機種ともそこまで差はありません。Galaxy Z Flip 6は5000万画素の広角カメラと1200万画素の超広角カメラ、razr 50は5000万画素の広角カメラと1300万画素の超広角カメラを搭載しています。
両機種とも似たようなスペックですが、撮れる写真はrazr 50のほうが彩度は高め。Galaxy Z Flip 6はより実物に近い色味な印象です。以下、左がFlip6で右がrazr 50です。
夜景でもその傾向が出ている気がします。細部の解像度はrazr 50のほうが高い印象です。同様に左がFlip6で右がrazr 50です。
角度調整できる利点を活かした低アングルの撮影も可能。複数人で写真を撮る時に重宝しますね。外側ディスプレイを見ながら、手をかざすだけで撮影なんてこともできるので、周りの人から「便利だねそのスマホ」と言われることもしばしば。縦折りスマホの一番の利点は多種多様な撮影方法なのかなと感じますね。
razr 50は半折りにすると動画撮影モードへと自動で切り替わります。この状態だと握るように保持できる分、ブレが多少抑えられるんですよね。外側ディスプレイではプレビューが表示されるので、相手側も今何が写っているのか確認できます。
両機種の使い勝手
両機種とも、すべてのアプリをサブディスプレイで起動し使うことができます。Galaxy Z Flip 6はGood Lockというアプリをインストールしないといけませんが、razr 50はデフォルトの状態で可能。
razr 50のほうがディスプレイサイズは大きいのですが、実際にアプリを起動すると表示領域はGalaxy Z Flip6より狭いです。横に長く縦に短いのでスクロールの回数が多くなってしまいます。この点はGalaxy Z Flip6のほうが明確に勝っていると言えるでしょう。
また、不具合なのかは不明ですがrazr 50でYouTubeを立ち上げ動画視聴する際、たまに動作が不安定な場面が見られました。全画面表示から切り替えるときに黒帯が出ることがあります。。Galaxy Z Flip6では見られない挙動だったので、かなり使いづらいです。
Galaxy Z Flip6ではAI機能が推されていますが、razr 50でも使用可能です。Galaxyのほうが若干機能が豊富ですが、スマホでAI機能を使うこと自体少ないので、この差が購買行動に影響を与えるかは怪しいところです。
筆者はボイスレコーダーの文字起こしくらいしか活用していませんが、録音から文字起こしが複数のアプリを経由せずとも行えるのは便利と感じています。あとで見返したい講義などは、録音だけしておいて文字起こしすれば復習するときにすごく便利。わからない単語が出てきたらAI聞けば即座に教えてくれるので、検索する手間が少し抑えられます。
razr 50はSmart Connectという機能があり、PCやモニターに接続することでPCライクな使い方ができます。Galaxyではこれに類似した機能としてDeXという機能があります。
筆者は以前、Galaxy Z Fold5とARグラス「Xreal Air2」を接続して出先で動画視聴などしていまして、どこでも大画面で動画が見れるので好んで活用していました。ただ、Galaxy Z Flip6はDeXに非対応なため使えません。このあたりの機能を使いたい場合はrazr 50がおすすめです。
バッテリー持ちに関しては両者そこまで変わらず。razr 50のほうがわずかにバッテリー容量が大きい分、Galaxy Z Flip6と比べて3〜5%程度残量は残っていました。ちなみに、Galaxyでは外部のアプリを使うことでリフレッシュレートを96Hzに変更可能です。その場合はrazr 50よりもバッテリー持ちが良くなります。滑らかさを保ったままバッテリー駆動時間を伸ばせるので、そういったカスタマイズ性の高さはGalaxy利点と言えるでしょう。
筆者がおすすめするなら
どちらも高水準にまとまっており、そこまで優劣はないのかなと思います。カラーバリエーションで言えばGalaxy Z Flip 6はミント、ブルー、シルバーシャドウ、イエローの4色で、Samsung Storeではさらにブラックとホワイトの2つの限定色も選べる6色展開。razr 50はビーチサンド、コアラグレー、スプリッツオレンジの3つのカラー展開なので、ファッション性を重視するならGalaxy Z Flip 6でしょうか。
razr 50はGalaxy Z Flip 6と比べて性能差はありますが、その分価格が異なります。Galaxy Z Flip6が16万円-17万円台なのに対し、razr50はより購入しやすい価格設定。重量級ゲームをハードにプレイしない限りはこちらで十分でしょう。定価は13万5800円とSoC性能から考えると高いんですが、実勢価格は控えめで、ソフトバンクは定価11万5200円、IIJmioで乗り換えと同時に購入すると一括8万9800円で購入可能です。
ただ、スマホといえば毎日使う代物。個人的に、安易に妥協したくはないという思いがあります。であれば性能が高く、razr 50よりも高いカスタマイズ性でサブディスプレイの使い勝手が良い「Galaxy Z Flip 6」をおすすめしたいところです。
とはいえ、razr 50の作り込みはかなり素晴らしく、Galaxy Z Flip 6と比べて明確に劣っているとかそういうわけではありません。どちらも秀逸なプロダクトなので、ぜひ一度触ってみてください。