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TECNO、デュアルプリズム望遠カメラによるタップズーム機能や、高速撮影のできる撮像素子技術などを発表。

 アフリカで大きなシェアを持つ中国TECNOは、毎年恒例となるスマートフォンカメラの技術発表イベントのFuture Lens 2024を開催。「TECNOイメージマトリクス」「EVSダイナミックスナップショット」「Tap Any Zoom デュアルプリズム望遠」の3つの新技術を発表しています。

TECNO イメージマトリクス

 近年「AI」を導入した画像処理技術が流行しており、TECNOもその開発を模索。そんな中、スマホの計算能力はより多く、より複雑なAI操作をするには不十分だという課題に直面したといます。

 そこでTECNOはAIを活用した画像処理のための新しい画像処理プロセスのTECNOイメージマトリクスを開発しています。技術基盤となるアーキテクチャの進化により、データパイプラインが最適化。撮影から後処理までインテリジェントなプロセスを構築し、画像処理の効率と品質を大幅に高めたとのこと。

 このプロセスは4つの段階に基づいており、AIの実装において重要とされるのは3段階目のエンジン再構成レイヤー。

 このレイヤーには、画像の鮮明度・シャープネス・色を改善し、低照度や逆光シーンを強化するAI RAW、遅延のない超高速撮影を可能にするAI SNAP、生成AIのツールを強化するAIGC Studio、ポートレート撮影時の肌の色調の自動的な復元・強化を行うAI Universal Toneの4つのAI駆動型エンジンが搭載されています。

 TECNOはこれらの相乗効果により、色・シーン・画質の最適化をし、ダイナミックな夜景撮影機能を備えた比類のないAI撮影体験をユーザーに提供するといいます。

 これらの機能強化は4段階目のアプリケーションレイヤーで実現され、様々な撮影・編集モードに反映されます。

EVS ダイナミックスナップショット

 スマホカメラの進化の方向性の一つとして、一眼カメラのように動きの激しい被写体を撮影可能にすることがあげられます。様々なメーカーがそのような機能の実装に向けて取り組んでおり、例えばHuaweiは露光時間の異なる2枚の画像からAIが速度を計算し、移動部分の情報を復元するアルゴリズムを実装していました。

 TECNOはこの課題に対して、ハードウェアとソフトウェアの両方を組み合わせた解決策としてEVSダイナミックスナップショットを提案しています。

 EVSはイベントベースビジョンセンサーの略であり、通常のCMOSイメージセンサーとは異なる動作原理になっています。SONYによると、画素が受光部と輝度検出部に分かれており、輝度検出部が被写体の動いた際の輝度変化を捉えて動く被写体の輪郭を抽出された映像を記録できるとのこと。また、通常のセンサーよりもはるかに高いフレームレートでの撮影が可能です。

 TECNOはEVSによって検出された移動オブジェクトと、RGBカメラで撮影された静止オブジェクトを組み合わせるAIアルゴリズムを開発。EVSから提供されるモーションデータの利用により、動く被写体のモーションブラーに対するRGBカメラの処理が最適化され、鮮明で完全な1枚の写真が作成されるとのこと。

 飛行中の鳥の撮影や、高速モータースポーツのアクション撮影においてもユーザーはこれまで以上に高速で鮮明に撮影できるといいます。

Tap Any Zoom デュアルプリズム望遠

 最後に、望遠撮影のフォーカシングの困難さ、頻繁なブレ、再フレーミングの不可能性という大きな課題を解決する Tap Any Zoom デュアルプリズム望遠を紹介しています。

  TECNOはこのデュアルプリズム式の望遠カメラを2022年に既に発表済み。プリズムの回転により、最大6度の補正角度の強力な手振れ補正と望遠レンズの縦横移動を実現し、デジタルズームなしで被写体をフレームの中央に物理的に追跡できる技術であるとしていました。

 今回はこのデュアルプリズムの望遠カメラ設計とレンズシフト光学手振れ補正のハードウェアに加え、AIアルゴリズムを導入しています。撮影したい被写体をダブルタップするだけで、シーンに合わせて30倍までの最適な倍率にズームし、素早く正確なフレーミングを実現するとのこと。

 さらに、このデュアルプリズム望遠カメラを用いて、広角カメラに近い画角で歪みのない最大4億画素の写真を撮影できるとのこと。この超高解像度写真から自由に再フレーミングすることが可能です。

 動作原理としては、デュアルプリズムによりレンズを縦横に移動させながら撮影をし、それらのパノラマ撮影のように合成することを手動的な操作なしで可能にしているのだと思われます。

 TECNOは昨年もW型可変絞りや液体テレマクロレンズといった革新的なスマホカメラ技術を発表していましたが(過去記事)、2024年のTECNOのスマホに搭載されることはありませんでした。しかし、Forbesの取材によると、TECNOのイメージング・R&DセンターディレクターのXiaohan Huang氏が今回発表された技術は2025年のTECNO端末に実装されることを約束していたようです。2025年のTECNOのスマホカメラには注目しておく必要がありそうです。

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