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Anker Soundcore Liberty 5 レビュー。音が強い

 Ankerより新型TWS「Soundcore Liberty 5」を提供していただいたのでレビューします。

 筆者はSoundcore Liberty 4シリーズを試した時、なかなか健闘していると感じたので、今作もちょっと楽しみにしていました。150万台のベストセラーだったそうですね。

 さて、新作Liberty 5は、9.2ミリのダイナミックドライバーにウールペーパー振動板を採用、そして本体内部にはスピーカーにも使われるバスレフ構造を採用し、2本のダクトが低音域の共鳴を高め「リアルで深みのある重低音」を体験できると謳っているため、低域やサラウンド感の良いイヤホン・ヘッドホンが好きな筆者はワクワクしていました。また、高音が刺さらないようにするなど、万人向けのチューニングもしているそうです。

 早速試してみると、なるほど、確かに個性的な音です。会場でのハンズオンは古いiPhoneと凄まじい周囲の騒音、帯域の混雑した電波環境という最悪の環境でしたが、ノイズキャンセリング性能の高さを感じました。よくノイズキャンセリング製品で感じる耳が海中で塞がるような感覚は若干はありますが、ここまでの騒音を大きく除去した上でなので許容範囲。ただ、やはり環境のせいか音質面では厳しい印象を受けました。

 本機の製品提供を受けたので、自宅で改めて試してみると、解像感の低さは思ったほどでもありませんでした。ノイズキャンセリング有効時でもヒスノイズやホワイトノイズをほぼ感じません。ノイズキャンセリングは5段階で強さを調整可能。騒音除去関連は総じて優秀と言っていいのではないかと思います。

 中高域は明るく溌剌としています。元気が有り余っている一方で、特に繊細な高音域、ジンバルクラッシュ等はそのニュアンスが独特になります。S/N比を高めようとしているのは理解できますが、伝統的な楽器の演奏を重視する楽曲においては、生音感、余韻が失われると感じられます。また、女性ボーカルの声はサ行、歯擦音がやや刺さる印象があります。公式の説明とは異なるフィーリングなので、新しい振動板と構造の制御に苦戦していることが伺えます。

 低音は局所でボコボコ鼓膜に響くような凄まじい、聴いたことのない音がして新鮮な体験です。筆者は低音が好きなので、低音域の強い楽曲をまとめたプレイリストを再生してみたところ、逆に低音が強すぎる印象を受けました。男性ボーカルを差し置いて鳴り響く重低音は好みがわかれそうです。低域は締まりがないわけではないので、ハードよりもチューニングの問題なのかもしれません。

 イコライザーで個性を潰してしまうのは勿体ないので、低音域を重視していない一般的な楽曲を中心に聴いていくのが、本機を活かす方向性としてよさそうです。あらゆる曲を個性的な音で塗り潰せるので楽しく感じる人もいるかもしれません。

 優等生だったSoundcore Liberty 4 Proとはテイストが変わっている、個性的な一台だと言えそうです。解像度はLiberty 4 Proの方が高いですし、一般的に美音と呼べるものではありませんが、唯一、本機の個性と合致しつつ、幅広い層に楽しいと感じられるだろう点がドルビーオーディオモードです。特に女性ボーカルの日本の現代的な楽曲が、ライブ音源のように立体感と反響を伴って聴こえる、ここが本機の最大の妙味なのかもしれません。

 LDACは、有効化の追加ファイルのインストールが必要でした。Androidユーザーは必ずアップデートを行いましょう。

 はっきり言って、音質の良いイヤホンというのが必ずしも自分好みとは限りません。店頭などで必ず実機を試し、その上で購入可否を検討するようにして下さい。実際、筆者も到底万人向けではないイヤホン・ヘッドホンを強烈に好きになってしまうことが多々あります。特定の尖った要素が刺さった驚きで衝動買いしてしまったことも、今では良い経験だったと思います。

 様々な物語が、人生がそうであるように、連続したシリーズ物のプロダクトも緩急はスパイスです。山もあり、谷もあるから楽しいものです。応援しがいのあるAnkerの次回作にも期待したいところです。

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