
LiDARが「色」を手に入れた。
カメラ画像との後処理合成なしで、フルカラーの3D点群が見える。え、それもうLiDARなの……?CnEVPostが伝えています。
中国のLiDAR大手Hesai(禾赛科技)が、同社が世界初とうたう6Dフルカラー対応LiDAR向けチップ「PICASSO(毕加索)SPAD-SoC」を発表しました。

PICASSOはHesaiの第5世代自社開発チッププラットフォームの中核となる製品で、搭載先となる次世代LiDAR「ETXシリーズ」では最大4320線、4K超高精細の3D認識を目指します。
従来のLiDARは空間の奥行き(XYZ座標)や形状の把握が中心で、色の情報はカメラ映像と後から合成する必要がありました。PICASSOはここを変えます。チップレベルでRGBの色情報とTOF距離計測をピクセル単位で融合し、カメラ画像とLiDARデータの複雑な後処理合成なしに、色付きの3Dポイントクラウド(点群データ)を直接生成できるといいます。なおHesaiはこれを「6Dセンシング」と呼んでいます。XYZ(空間3軸)+RGB(色3要素)で6次元、ということですね。

平たく言えば、従来のLiDARが白黒の立体写真に近かったのに対し、PICASSO搭載LiDARでは、点群そのものに色の情報を持たせられるようになる、というイメージです。そのためカメラとLiDARの画像を後からつなぎ合わせる際の手間や時空間のズレを減らせる可能性があります。
性能面も相当に攻めています。Hesaiによると、PICASSO SPAD-SoCの光子検出効率(PDE)は40%超で国際トップ水準。同じレーザー出力でより遠く、より細かく見えるという説明です。一方、PICASSOを搭載するETXプラットフォームでは、最遠600m、反射率10%の条件で400mの測距が可能で、高さ15cm、幅25cmの小さな木片も150m先で認識できるとされています。
さらに、光子隔離技術、波形解読エンジン、符号化抗干渉技術により、誤報や漏報を抑える仕組みも備えます。つまり信号機や車線標示、工事看板の色を、より直感的に判別できるようにする狙いです。
PICASSOを搭載する次世代LiDAR「ETXシリーズ」は、1080線/2160線/4320線の3構成を用意します。量産車向けでは128線クラスのLiDARも多い一方、Hesai自身はすでに1440線のAT1440も展開しており、4320線はそこからさらに大きく高線数へ振った構成です。2026年後半に量産・納入を開始し、2027〜2028年にかけて複数のフラッグシップ車へ広く搭載される計画です。
カメラとLiDARの二刀流が当たり前だった自動運転のセンサー構成に、カラー点群という新しい選択肢が加わる日が来るのかもしれません。量産・納入が始まる2026年後半、まずはどのメーカーが採用を公表するか、楽しみに待ちましょう。


















