NTTドコモでは、2011年よりSIMロック解除サービスを公式に提供しています。GALAXY S4のSIMロックを解除したので、書いておきます。
SIMロック解除サービスの意義
国内事業者は、携帯電話端末にSIMロックを掛けて販売しています。そのため、(NTTドコモのネットワークを利用するMVNOをドコモ端末で利用する例などを除いて、)基本的にはその端末を買った携帯キャリア以外のネットワークでは、利用できません。
しかしながら、海外ではSIMカードを挿し替えて好きな携帯キャリアを選択する国も普遍的に存在していること、日本の端末を仕事や旅行で持って行って海外の現地事業者のSIMカードを利用できれば非常に安価な価格で渡航先の通信料金を抑えられるなどといった理由から、日本でもSIMフリーを待望するユーザーが一定数います。
そうした中、NTTドコモが公式にこうしたSIMロック解除サービスを提供しているのは、非常に意義のあることです。
対象機種
2011年4月以降に販売された端末が対象機種となっています。フィーチャーフォンやタブレット、Windows 7ケータイ F-07Cも対象です。対象機種の一覧はこちら。
なお、残念ながらドコモ版のiPhone 5s / 5cはサービスの対象外となっています。(期待していただけに残念です)
解除の手順
全国のドコモショップで受付可能です。解除手数料の3150円は店頭で支払います。毎月の割引「月々サポート」にも影響なく、解除によってこれといった不利益を被ることはありません。
作業内容は、店員さんがSIMロック解除用のSIMカードを挿して、解除コードを入力するというもの。5分程度で終わると思います。
ロック解除する端末が、購入した回線と異なっていても、SIMロック解除は可能。ドコモショップの店員さんに確認したところ、ドコモと契約していない人が中古のロック解除対象端末を持ち込むといった場合でも、SIMロック解除サービスは利用可能であるそうです。
海外での利用
海外では、現地の事業者が、格安のプリペイドSIMカードを販売していることが多々あります。こうしたサービスを利用することが世界ではポピュラーです。
周波数などが合っていれば、通話やSMSを利用することができます。また、適切なAPN(アクセスポイント)の情報を入力すれば、データ通信も利用できます。
これこそが、SIMロック解除済み端末やSIMフリー端末の醍醐味と言えるでしょう。
国内での利用
NTT docomoのXiスマートフォンと、SB版iPhone5は、共通のBand1のFDD-LTEを利用しています。iPhone5のnanoSIMを、microSIMサイズへとアダプターで変更し、ロック解除したAndroidスマートフォンに挿せば利用できるということになります。
実際に解除して利用してみたという記事はこちらをご覧ください。
APNなどの詳しい設定が必要で、ひとつ間違えば高額請求(青天井)もありえるので、初心者にはおすすめはしません。SoftBankのプリペイドサービスのSIMカードで通話を利用する程度なら、危険性が少なく、そこそこ実用性もあると思います。
他キャリアでの動作保証はナシ
当たり前ですが、NTTドコモは他事業者での動作を保証していません。
ただ、それでも通話やSMSの利用が可能であるかどうか、現在発売中の機種も含めて公式サイトで動作結果を掲載している姿勢は立派だと思います。
他事業者の動向
SoftBankはSIMロック解除サービスを提供していますが、対象機種は限られています。
KDDIは、「通信方式・周波数・通話の仕様が異なるため、SIMロック解除は無意味」と主張しており、SIMロック解除サービス自体を提供していません。(来年からはVoLTEを開始する事業者もあることから、この主張は理由として成立しなくなりつつあります)
北米では消費者たちの署名を受けて、オバマ政権がモバイル端末全般のSIMロック解除に向けて動いています。日本でもこのような声がもっと大きくなれば、状況は変わるのかもしれません。