NTT docomoは、Tizen OSを搭載したスマートフォンの発売を延期することを明らかにしました。発売延期の発表された本機は、SAMSUNG製の「SC-03F」が該当するとみられます。
Tizenは、SAMSUNGやIntelが中心となり、MeeGoを叩き台にして開発を進めてきた、LinuxベースのモバイルOSです。Tizenを推進するコンソーシアムには、パナソニックやNEC、NTT ドコモなどの日本企業も参加しています。SAMSUNGも自主開発してきたBada OSから、Tizenへとリソースを集中しています。
これまでのTizen OSの日本登場は、常にNTT docomoから発売されるものとして報じられ続けてきました。
2012年、日本の新聞社が2013年にTizen OSを搭載したスマートフォンがNTT docomoから発売される、と報じます。NTT docomoの加藤社長も、2013年1月頃にTizenスマートフォンの投入を検討中であると認めています。
また、NTT docomoの幹部はCNETの取材に対して、2013年7月にTizen搭載機を発売すると表明しています。NTT docomoと蜜月関係にあったNECや富士通もTizenを搭載したスマートフォンを開発中であると報じられました。他にも、株式会社システナが国内初のTizen搭載タブレットを発表するなど、Tizenに関する話題はいくつもありました。
しかし、読売新聞社は、NTT docomoがTizen搭載機の2013年内の投入を、断念したと報じました。7月投入と報じられていたにもかかわらず、スケジュールの遅延が露呈します。この時、延期の原因は、ドコモの独自サービスへの対応の遅れと報じられていました。
そして1月、NTT docomoは発表予定であったTizen搭載機の延期を発表。アプリ開発会社などからもNTT docomoはTizenをやめるのかと心配されるほどです。
SankeiBizが伝えるところによれば、iPhone販売競争による販促費増大と在庫過多がNTT docomoを圧迫していること、そして何よりNTT docomoがiPhoneの取り扱いに踏み切ったことが、NTT docomoとSAMSUNGの関係を悪化させたのではないかとのこと。
2月にスペインで開催されMWC2014にて、Tizen搭載機のお披露目が大々的に行われるものの、NTT docomoのブースでTizen搭載機を展示する予定はないとされており、日本国内でのTizenの登場が危ぶまれている状況となっています。
世界的にモバイルOSはiOSとAndroidの二強でありつつも、Windows Phone、FireFox OS、Chinese Operating Systemなど、第三勢力への期待が高まる中、少なくともTizen OSは、日本市場ではお寒い状況にあると言わざるをえないようです。
情報元:SankeiBiz