株式会社LINEは、アプリ内で新たなスタンプ「おしゃべり大好き!LINEキャラクターズ」の配布を開始しました。
面白いのが、このスタンプの配布条件。パスワードを変更した場合にのみ、このスタンプを受け取れるようになっています。
LINEアプリ内の、その他→お知らせ→「【キャンペーン】パスワードを変更した方全員に〜」の記事を参照し、パスワード変更とスタンプのダウンロードが必要。配布期間は8月2日まで。
最近は、大手IT企業のサービスに対する「リスト型攻撃」が相次いで行われています。「リスト型攻撃」とは、攻撃者が特定のWebサービスなどで各ユーザーが設定しているID/パスワードを取得し、そのIDとパスワードを他のWebサービスでも使いまわしているだろうと仮定してログインを試みるもの。LINEもこの攻撃により、303件のアカウント乗っ取り被害が発生しています。
今回のスタンプ配布は、この種の攻撃への対策をユーザーに呼びかける新しいアイデアです。ユーザーへのパスワード変更呼びかけは、他のWebサービスも頭を悩ませているところであり、こうしたパスワード変更をポジティブな「スタンプ配布」で動機づけるLINEの試みは、注目に値するのではないでしょうか。
このほか、LINEには通信傍受疑惑が取り沙汰され、LINE社長の反論、メディア側の再反論が行われていますが、こうした一連の疑惑に対してLINE技術ブログは、RSA-1024基準の暗号解読はスーパーコンピュータでも10年かかり、LINEの暗号はRSA-2048基準であることから、強制的に解除するのは非常に難しいと説明。疑惑の払拭に努めています。
LINEにとっては不利な出来事が立て続けに起きていますが、規模に見合った対策を施している企業努力も伺えるところで、評価すべき点も多いのではと感じます。
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