SankeiBizは、「存在感薄い国産スマホ、総撤退の危機」と題した記事を掲載。ガラケーが9割だった国内市場で、iPhoneが勢いを増し、シェア6割を占めるようになったことについて、メーカー幹部や証券アナリストの声を元に状況を分析しています。
その中で、Appleとの交渉の末、NTT docomoがスマホ販売全体の新規契約の4割をiPhoneにするという不平等条約に合意していたと伝えられています。
Appleはキャリアに対して厳しい販売ノルマを課すことで有名で、ドコモは長らくiPhoneの取り扱いをできませんでした。このため、各キャリアは多額の割引や販促費を投じて、iPhoneばかりを熱心に売ることになっています。ノルマの内容が具体的に明かされたのは珍しいことです。
ドコモは、山田社長から加藤社長に交代した後、XperiaとGalaxyを優遇する「ツートップ戦略」というワンクッションを置いて、特定メーカーを堂々と優遇する実績を作ってから、本命のiPhoneの取り扱いに踏み切っています。(いきなりiPhoneだけを優遇すると、Apple以外のメーカーからの反発も大きくなりかねないため)
記事中では、ドコモがiPhoneを大量調達したことで、国内メーカーの供給量が減少、危機に瀕したとの見方がなされています。特に富士通は電電ファミリーの一員としてドコモをお得意様としてきただけに、大きな打撃となっていると考えられます。ちなみに電電ファミリーのPanasonicやNECは国内スマートフォン市場から撤退済み。
個人的には、ドコモを始めとするMNOの、垂直統合体制の産物であるフィーチャーフォンを捨て、もっと早くメーカーを主役にし、スマートフォンシフトを迅速に行うべきだったと思います。そういう意味でドコモにも責任はあると思います。
しかしドコモ依存を断ち切る等の決断ができなかった、海外進出に失敗したのは、メーカー自身です。何より、富士通やパナソニック、NECのAndroidスマートフォンがどのようなものだったかを思いだしてみて下さい。消費者がそれらを買ったことを後悔し、そっぽを向き、iPhoneを選んでしまう結果となったのも、仕方のないことのように思います。