Panasonicは、「ELUGA L 4G」をインド市場向けに発表しました。64bit対応Snapdragon 410プロセッサ、自撮りに強い前面500万画素を搭載、ボディはiPhone 6よりも薄い6.1mmを実現するなど、約2万4千円の廉価帯モデルながらも押さえるところは押さえたモデルです。
ホーム画面には、国内向けELUGAに積まれていた「Fit Home UI」を継承し、片手操作のしやすさを確保しています。
日本におけるELUGA
Panasonicは、日本国内キャリア向けにMy Fit スマートフォン・LUMIX Phoneの名を冠したAndroidスマートフォンをリリースしていましたが、どれも酷いものでした。不具合・メモリ/ストレージ容量不足・早期のアップデート打ち切りなど、目も当てられない惨状。
その後、ELUGA(エルーガ)ブランドを立ち上げます。CMの独特の音楽(エルゥーーーガァーーー)が耳に残っている人もいるのではないでしょうか。ELUGAを投げて手渡しするシーンが記憶に鮮烈に残っています。(京セラの耐衝撃スマホTORQUEでやって欲しい)
アップデートを早々と投げ出してしまう傾向は残っていましたが、品質やスペックは徐々に改善の兆しを見せていました。
花が咲かずに摘み取られたELUGA
ELUGAブランドで欧州市場にも参入するも、短命に終わります。日本市場では、ELUGAの初期の機種はいまひとつでしたが、2013年夏モデルのELUGA P P-03Eあたりは非常にバランスのよい端末に仕上がっていました。
しかし主要取引先であるNTT docomoがiPhone導入の布石である特定メーカー優遇制度「ツートップ戦略」を開始したこともあり、販売数が低迷。2013年、Panasonicは個人向けスマートフォンから撤退を発表しました。
海外で復活するELUGA
日本国内では終了となったELUGAですが、2014年にはインド市場向けにELUGAの名前を冠した機種「ELUGA U」をリリース。
2015年には台湾市場向けに、QuantaのODMで「ELUGA U2」を発表。ELUGAは海外では好調のようです。
ちなみに、日本国内のCMのオマージュなのか、海外CMでも、ELUGAは相変わらず投げ捨てられています。日本国内CMだとその様子にはやや「ドヤ顔」感がありますが、こちらはスタイリッシュながらも完全にふざけている感じなのが好印象です。
不死鳥ELUGA
元ELUGA部隊を開発チームに加えたAndroid搭載デジタルカメラ「LUMIX CM1」は海外に続き日本市場にも投入。今後、Android OSをミラーレス等にも拡大するとの情報もあります。Panasonicが一時は新規開発を凍結したフィーチャーフォンも、Android OSを搭載して継続するとも伝えられています。津賀一宏社長の事業構造改革が功を奏し、Panasonicは本当に元気になりました。
今、日本ではMNOの枠に囚われないSIMフリー市場が芽を吹きつつあります。ELUGAには是非とも戻ってきてもらいたいですね。