ファーウェイ自主開発「鴻蒙OS」に勝算はあるか?中国メディアが徹底分析 すまほん!!

 トランプ政権の命令により、米・Googleが中国・華為(Huawei)に対し、オープンソース部分(AOSP)を除くAndroid OSの使用を禁止。Googleモバイルサービス(GSM)の使用が禁止されると、華為のスマートフォンではグーグルマップ、Google Play、YouTubeなどのアプリが使用できなくなり、海外市場で華為に大きな打撃を与えることになります。

 これに対して、華為は自社開発OSを今年秋にもリリースすると報じられています。華為の自社開発OSとはどのようなものなのか?勝算はあるのか?中国の大手ITメディア、中関村在線で詳しく報じられました。

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Huawei独自OSは成功するのか

自主開発OSの名は「鴻蒙(HongMeng)OS」

 今現在外に流れている情報によると、華為の自主研究OSのコードネームは「Project Z」、そして名称は「鴻蒙(HongMeng)」とのこと。

編集長
英字メディアの伝えるHongMengから、漢字は「紅夢」だと思っていたのですが、どうやら中国古代伝説上の、世界が創造される前の混沌の時代「鴻蒙」なのですね。

 Android OSはLinuxコアにもとづくOSであり、華為の自主研究OS「鴻蒙」成功のカギは、いかにLinux OSを最適化してOS全体を正常に実行させるかである、と指摘します。

 コードネームは「B計画」「プロジェクトB」と伝えられていましたが、「プロジェクトZ」という説もあるんですね。いずれにせよ、やはりこの記事のBGMには「プロジェクトA」主題歌、「東方的威風」をお勧めします。

Huaweiの自主開発OSは2016年から?

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 過去数年、華為は各種の技術を通じて、Android OSに多くの性能上の強化をしていたそうです。2016年、華為はEMUI 5.0にF2FS ファイルシステムを追加、Androidの「フリーズ」問題を解決したとか。

 2018年、華為のグローバル連合開発チームはGPU Turboをリリース、スマホゲームのスマホ円形処理能力という高い要求を解決。つまり、2016年から華為は既に自分のOSを構築する準備を進めていたのだといいます。

 ここ数日、多くの中国国内大メディアが取り上げている(華為の)「方舟コンパイラ」も同じ種類のメカニズムなのだとか。「方舟コンパイラ」は業界初の多言語連合最適化コンパイラであり、開発者は開発環境の中で一度に多言語を一つのマシンコードに統一編集可能で、実行の際には多言語による消耗が発生せず、多言語の合同最適化が可能であり、実行効率を高めることができる、のだとか。「方舟コンパイラ」はOS実行速度を24%向上させ、OS反応能力を44%向上、サードパーティーアプリ実行速度を60%向上するものなのだといいます。

Linuxを魔改造か

 これらの機能の中から、華為は一旦Android OSを放棄し、これらの技術を使用してLinux システムを「魔改造」しようとしており、彼らはコアでAndroidに負けないOSをリリースする能力があることがわかる、としています。

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 ただし、華為の自主研究開発するOSは依然として時間による精査と自身の蓄積が必要だともいいます。彼らは既に、過去数年にわたって技術と資金の蓄えを進めてきたものの、この新OSはユーザーの声(フィードバック)が必要だと指摘します。

大事なのは「ユーザーに受け入れられるUI」か?

 よく知られているように、Googleのサービスは中国に入れないことから、中国国内スマホメーカーがリリースする端末製品には基本的にそのままのAndroid OSは搭載されておらず、AndroidをもとにしたユーザーUIがリリースされている、といいます。システムの底層最適化研究開発は困難かつ時間と力が必要なもので、中国国内メーカーはより多くの精力を、人と人とのコミュニケーションとユーザー体験に注いでおり、UIの角度から見ると、中国国内メーカーはとてもよくやっているのだとか(あるブランドはUIしか作れないとも)。

 以前、ある業界関係者による指摘によると、「スマホOSを作ることは難しいことではない、ただしUIをしっかりと作り込み、全方位的なエコシステムを構築することは非常に難しい」。よく聞くようなこのような話は、5,6年前の中国スマホ市場なら言えたことであるが、2019年の今日、各メーカーともに自社UIを深く耕し始めている、小規模メーカーでもそうなのだから、世界スマホ市場第2位にまでなった華為は言うに及ばない、といいます。

 今年3月、華為がnova 4eの発表会で明かしたところによれば、EMUI 9.0は6ヶ月のアップデートによって既に19機種をカバーしており、アップデートユーザーは2,300万、予定カバーユーザー数は1.3億だとのこと。EMUIのユーザー数は華為の今後のスマホ購買力の縄張りを示すものであり、しかもユーザーのEMUIへの満足度は高いのだとか。

OSにはエコシステムも不可欠だ

 先に挙げたように、UIと全方位のエコシステムが、自主OS開発で最も困難なところだといいます。2012年、任正非は既に「兵糧攻め」に遭う準備を始めていました。UI問題が解決した後、いかにしてOSの全体的に整ったエコシステムを構築するかが、華為のOS研究開発の重点となった、といいます。

 Androidが成功したカギは、Googleがオープンソース無料の戦略をとったことにあると指摘します。その他のメーカーが自社OSを出すにあたってはAppleに学んでいることが多く、閉鎖性が後続メーカーの発展を阻害したとか。よって、華為が自社のOSを根付かせようとするなら開放性と開発者に対する有効程度は、明らかに彼らが優先的に考えるべきことになるといいます。

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 このほか、GoogleはAndroid OSのなかに、地図、メール、アルバム、フォルダ、アプリストアなど最も基本的な機能をワンセットで搭載しています。ノキア、Samsung、MicrosoftのOSは、最期には継続できなくなり、みなエコシステムの問題で倒れた、と指摘しています。

編集長
SamsungのTizen OSは、スマホで敗北した後、時計冷蔵庫の中でひっそりと生きています。

 華為の今回の態度は非常に自信に満ちたもので、余承東が、華為OSはスマホ、PC、タブレット、テレビ、自動車などの設備を一つのOSに統一するものだ話しています。明らかに、このやり方は製品エコシステムを貫通するための準備だといいます。

 この時代、人工知能とクラウドサービスはスマホにとって重要度が増大しており、幸いこの点で華為は損をしていないとも。華為クラウドサービスは中国国内クラウドインフラ設備市場で3割近いシェアを占めており、先行者であることは疑いない。華為クラウドはAI競争力を高めており、既に10大業界300以上のプロジェクトでAI導入を進めている。このようなクラウドサービスの実力は、華為のOS開発に大きな助けになるだろう、と指摘。

次のAppleを生む?

 米国の制裁は、華為にこれまで開発を続けていたOSを世に出さざる得ない状況に追い込み、このような状況は華為にとって良いことは言い難いが、他の角度から考えれば、このような外部環境は「次のApple」を生み出そうとしているのかもしれない、といいます。

 Apple自身、重要な技術的な実力は、チップの開発能力、端末ハードウェア開発能力、ソフトウェアエコシステム構築能力、人工知能とクラウドサービス技術である。華為はユーザー数は言うに及ばず、チップ開発、端末ハードウェア、人工知能、クラウドなどの能力でいずれも業界最先端の位置にあり、もし端末製品のエコシステムを構築することができれば、華為はここ十年の東洋で「Appleモデル」の最大の挑戦者になるかもしれない、として、記事を結んでいます。

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総評

 「Androidの焼き直しでは」と囁かれている華為の自社OSですが、Linux システムを「魔改造」する形で開発が進められている可能性もあるようですね。Androidエコシステムからの離脱は大きな痛手となるかと思いますが。

 今後、もしかすると「第三勢力」としてAndroidやiOSを脅かす存在になるかもしれません。