米・トランプ政権による「華為」封じ込めは、諜報協定「ファイブ・アイズ」を提携る米英豪加ニュージーランドですら足並み揃わず竜頭蛇尾に終わりそうな情勢ですが、このほど華為(Huawei)はフランスに5G通信設備工場を建設し、欧州へ通信設備を提供するサプライチェーンの中心的役割を果たすと発表しました。「澎湃新聞」が伝えました。
2月27日、華為はフランス国内に無線製品製造工場を開設し、4G/5G無線通信設備を生産すると発表。これは華為が欧州において初めて開設する5G通信製品工場。新工場は高度に自動化されたスマート製造工場であり、生産された製品は主に欧州市場へ供給されるとのこと。
今回の工場計画では2億ユーロが投資され、土地、建屋、設備調達等では欧州当地のパートナーによる先進的生産設備の供給を受け建設するといいます。
当該プロジェクトは年産10億ユーロ、500人の直接の雇用機会を創出すると見込んでいるとか。
新工場は展示センター、無線基地局生産、ソフトウェアインストール、テストなどいついても透明化された展示を実施、通信キャリアや政府関連機関へ開放し、華為は欧州デジタル主権の実際行動を積極的に支援するとしています。
「透明性」の強調と、「欧州デジタル主権」というおそらく「米国から独立した存在」という位置づけを強調した表現が、トランプ政権への当てこすりって感じでいいですね。
華為によると、この工場で生産される無線設備は主に欧州地域に供給され、研究開発、販売、調達、生産、物流、サービス、人材育成など産業チェーン全体をカバーし、欧州当地の産業チェーン全域に対し推進的な作用をもたらすもの。同時に、工場は華為の先進ハイエンド製造技術を欧州本土で運用することにより、産業チェーンの上流・下流を延伸させ、欧州産業の技術競争力を向上させるものと、鼻息荒く語っています。
また華為は、グローバル企業として全世界範囲内での資源配置を堅持するとし、フランスは世界ハイエンド製造中心の一つであり、工業インフラが成熟しており、地理的条件も良好で、労働力の質が高いとしています。
華為は欧州進出20周年を迎え、職員数は1.2万人を超え、直接・間接的に17万人近い雇用を創出しており、今後、華為は「欧州で、欧州のために」を継続的に履行し、提携を開放し、欧州への貢献を続ける、と発表しました。
華為による「トランプ政権への欧州市場での勝利宣言」という感じの、勢いのあるニュースでした。